社会のグローバル化が進む中、受験のためだけでなく、将来のためにも英語を身につけておきたいものです。中学校で本格化する英語の授業は、英語学習の基礎となるものです。苦手意識を早めに克服して、英語の成績を上げるにはどのような勉強法が有効なのでしょうか。専門家や英語で高い成績を収めた人の意見を参考に解説していきます。
中学1年生は英語でつまずきやすいって本当?
ベネッセ総合研究所の「中学英語に関する基本調査報告書」で、英語が得意か、不得意かを聞いたところ以下のような結果となりました。
- 英語が得意(とても+やや)37.5%
- 英語が苦手(とても+やや)61.8%
また、「英語を苦手とする」と答えた生徒に、英語を苦手と感じるような時期を聞くと以下のような結果となりました。
英語が苦手と感じるようになった時期
- 中学1年生の後半が最多
- およそ7割の生徒が中学1年生に苦手意識を持つようだ
どうして中学1年生のときに英語で苦手意識を持ちがちのでしょうか。その理由を見ていきましょう。
中学1年生の1学期は単語、2学期は文法の3単現が始まる
中学1年生の1学期では、単語を重点的に学びます。Bed、Book、Catなど日常生活で使う単語が多く、真新しい単語もさほど難しくない上に「知識が増える喜び」があるため、楽しく取り組むことができるという子供は少なくありません。
しかし、2学期になり、文法が始まると少し雰囲気が変わります。これまでは「単語1つに対して1つのイメージ」を持てばよかったのですが、文法になると複数の単語を使わなくてはなりません。「I am Taro.」のような1人称は分かりやすいかもしれませんが、3単現(3人称単数現在形)となると、「He、She、It」の複数の主語が登場。「主語によって動詞が変わる」ルールだけでなく、「主語と動詞の組み合わせ」も覚えなければなりません。単語も難しくなってくることもあり、「分からない!」と悲鳴を上げる子供が出てくるようです。
英語は積み重ねの学習が必要
英語の学習は積み重ねが重要です。覚えた単語が増えるほど、英文の理解力が上がります。中学1年生で習う単語や文法は、英語学習の基本です。毎日コツコツ勉強すれば1ヶ月後には、かなりの数の単語や、動詞の変化形を覚えられるでしょう。基本となる部分は教科書に何度も出てくるので、しっかり覚えることができるはずです。しかし、一気にまとめて覚えようすると混乱したり、嫌になったりして、思うように学習が進まないケースがあります。
中学1年生のおすすめ英語勉強法とは?
子供の勉強をサポートする専門家やTOEICで満点を獲得した人など、「英語学習のエキスパート」と呼ばれる人たちが提案する英語の勉強法は、主に2つのパターンに分けることができます。
【しっかり理解することがポイント!コツコツ勉強法】
単語を覚え、文法の基礎を身につける。きちんと英語を「理解する」ことに重点を置いた勉強法。
【日本語で意味を考えない!教科書丸暗記法】
日本語の意味を考えず、とにかく教科書や参考書をそのまま丸暗記する方法です。英語の文字を見て覚えるのではなく、音読を繰り返して丸暗記するのがポイントです。「英語を英語のまま扱う」ことで、脳内に「英語回路」が出来上がるとの考えから推奨する識者もいます。「話せるようになる英語」を身につけることができるでしょう。
両極端な勉強法ですが、どちらが優れているかは一概にいえません。学習する子供に合う勉強法で取り組むのがいいでしょう。