家から出ず、社会復帰がなかなかできないとして問題になっているのが、「引きこもり」です。引きこもりの原因はさまざまで、年齢層も小学生から50代以降と幅広く、日本における社会問題の一つとなっています。引きこもりについて悩む方が気になるのが、親と子の関係です。引きこもりの子供を持つ親の特徴や、親が引きこもりの子供を救うためることはあるのか、詳しく紹介します。
もくじ
引きこもりの子供を持つ親の行動パターンとは?
厚生労働省によると、引きこもりの定義は以下となります。
「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」を「ひきこもり」と呼んでいます。
「ひきこもり」は、単一の疾患や障害の概念ではなく、様々な要因が背景になって生じます。ひきこもりのいる世帯数は、約32万世帯とされています。
(引用元:政策レポート(ひきこもり施策について)|厚生労働省)
引きこもりとは、6カ月以上自宅に引きこもっている状態のことを表しており、病気などではなく学校・職場・人間環境・家庭環境など、要因も多岐に渡るといいます。引きこもりの間は自宅などで親の保護の元、暮らすことになりますが、引きこもりの子供を持つ親の特徴としては、どのような点が挙げられるのでしょうか。
将来のことばかり考えている
子供が引きこもりになってしまう原因として、親が将来のことばかりを気にかけ、「勉強しなさい」「〇〇のような大人になりなさい」など、気付かないうちに子供にプレッシャーを負わせていることが考えられます。
子供が本当にやりたいことや、今現在抱えている問題に気付きにくくなってしまうことで、精神的に追い詰められ、親子のコミュニケーションが上手にとれずに悩んでしまい、部屋から出ない引きこもりの状態へとつながってしまいます。
親の価値観を子供に押し付ける
当然ながら、親が育ってきた環境と子供が育った環境では、社会情勢や教育理念などの面で大きく異なる点がたくさんあります。
学校での勉強に対して「勉強しなさい」と何度も言ってしまうのは、偏差値教育で育った親世代の価値観が影響している可能性があります。そのため、「暗記ならやればできる」「予習復習を必ずしなさい」など、一方的に押し付けるように大人の価値観を強要してしまうと、子供がいくら勉強が好きでも、学校や社会に対して苦痛を感じるきっかけとなってしまいます。
愚痴や不満が多い
子供が自分の部屋に引きこもってしまう原因として、リビングなどの家庭の共通スペースの居心地の悪さが考えられます。ご飯を食べるときやテレビを観る時間など、本来ならリラックスしてくつろぐことができる空間で、親からの愚痴や不平不満の声が多くなると、自然と部屋にこもりがちになってしまうでしょう。
親子間でのコミュニケーション不足や、意思疎通がうまくいかない場合は、子供が自分の居場所がなくなったと感じてしまい、部屋に引きこもってしまう原因となってしまいます。
子供を甘やかしすぎてしまう
時には子供から悩みや相談をされることもあることでしょう。子供は話を聞いてもらうことで学校や社会で溜まったストレスを解消することができます。しかし、子供自身が反省しなければいけない場面であっても、親が注意をせず「うん。そうだね」と受け入れてしまうことがあります。そうすると、子供は親や家族から守られた環境に満足してしまい、部屋に引きこもって自分の好きなことばかりをするようになってしまいます。
期待や心配が大きすぎる
親が子供の将来を心配することは当然のことです。ともすれば「社会ではこういう現実が待っている」「あなたは社会のために役に立つ人間になる」など、期待や心配が大きすぎてしまうこともあります。そのため、子供が自分の価値観と親の価値観を混同してしまい、自立心が育たず、社会とのギャップを感じて引きこもりになってしまいかねません。