「紅葉」という言葉はよく使われます。普段は、この漢字を「もみじ」と読むでしょうか、それとも「こうよう」と読むでしょうか。「紅葉」の読み方や、植物の分類上の種類について解説します。
もくじ
“紅葉”とは一般的に何を指す?
「紅葉」という漢字は、「もみじ」とも「こうよう」とも読むことができます。「紅葉」と書いたとき、一般的にはどちらを指すのでしょうか。
「モミジ」のこと(カエデ科の植物)
(参照元:nozphoto2018 |Instagram)
紅葉する木の総称でもあるが、なかでも楓(かえで)がみごとに紅葉するところから、楓の異称として用いられる。
(引用元:もみじとは | コトバンク日本大百科全書(ニッポニカ)の解説)
植物の「モミジ」を漢字で書くと「紅葉」になります。
日本でモミジとして親しまれている植物は、分類上はカエデ科の仲間になります。カエデにもたくさんの種類があり、日本ではその一部のことを「モミジ」と呼んでいます。
「モミジ」の語源は「揉みづ」という動詞だと考えられています。ベニバナなどの植物から赤い染料を「揉みだす」ことから、赤く色づく植物が「モミジ」と呼ばれるようになったそうです。
一方の「カエデ」は、色ではなく形から名前がつけられました。カエルの手に似ているためつけられた「かえるで」が変化して「カエデ」になったと考えられています。色からつけられた「モミジ」と形からつけられた「カエデ」が、それぞれ同じ植物の呼び名となっているということになります。
秋〜冬にかけて紅葉する植物のこと
植物の葉が色づくことを「紅葉(こうよう)する」と言いますが、紅葉する植物全体をまとめて「紅葉(もみじ)」と呼ぶこともあります。
一般的には、植物の葉が秋に、落葉に先だって赤に変わることをいう。また、葉が黄色や黄褐色になることを黄葉(こうよう)というが、これらをあわせて「もみじ」という。
(引用元:紅葉(こうよう)とは | コトバンク 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説)
カエデ科のモミジは植物の名前ですが、この場合はそれとは違い、その植物の紅葉しているさまを「もみじ」と呼ぶと考えて良いでしょう。普段は別の名前で呼ばれている植物が、紅葉したときだけ「もみじ」と呼ばれるというイメージです。
このように「紅葉」にはさまざまな意味合いがあるため、文脈によって何を指しているのか考える必要があります。