子育て期には何かと費用がかさむもの。しかし、幼児教育無償化制度や児童手当、医療費助成制度など、子育て世帯を経済的にサポートしてくれる公的な制度は数多く存在しています。未就学児から大学卒業まで、子供とその保護者が利用できる手当や助成金をチェックしていきましょう。
子育て期にはこれだけお金がかかる
未就学児~中学生の子育て費用
子育てにかかるお金の実態を調査したのが、2010年の内閣府による『インターネットによる子育て費用に関する調査』です。全国の0歳から15歳の第一子を持つ、親2万4,562名を対象にアンケート調査を実施。第一子1人当たりの年間子育て費用の平均額を調べたところ、次のような結果が出ました。
(参照元:内閣府『平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査』p.29)
年間子育て費用
(平均額/単位:円) |
最も支出割合の高い項目 | |
未就学児
(未就園児) |
843,225 | 子供のための預貯金・保険(23.6%)、生活用品費(17.7%) |
未就学児
(保育所・幼稚園児) |
1,216,547 | 保育費(31.2%) |
小学生 | 1,153,541 | 食費(24.1%) |
中学生 | 1,555,567 | 食費(22.9%)、学校教育費(17.6%)、学校外教育費(16.0%) |
(内閣府『平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査』 より筆者作成)
調査では、保育費・学校教育費・学校外教育費において、家庭の経済状況に関係なく同じような額で支出していると指摘。食費や生活用品費などと同様の基礎的支出として、家計における固定費になっていると考察しています。
高校生と大学生の教育費
子育てに関わる費用の中で教育費は大きな割合を占め、子供の成長に従って増加する傾向があります。日本政策金融公庫の『平成30年度教育費負担の実態調査』から、高校と大学の学費平均を見てみましょう。
入学費用(入学時) | 在学費用(年額) | 高校入学から卒業までの必要額(累計) | |
高校 | 319,000 | 685,000 | 2,374,000 |
国公立大学 | 801,000 | 1,148,000 | 7,767,000 |
私立大学文系 | 904,000 | 1,601,000 | 9,682,000 |
私立大学理系 | 855,000 | 1,853,000 | 10,641,000 |
(単位:円)
※入学費用:受験にかかる費用、入学金など学校納付金、入学しなかった学校への納付金など
※在学費用:授業料、通学費、教科書代、塾や習い事の費用など
(日本政策金融公庫『平成30年度教育費負担の実態調査』,p5 より筆者作成)
子供の大学進学までを想定すると、相当な額を支出する必要があることが分かります。