子供に「歩いていて足が痛い」と言われた場合、まず最初に「靴が小さくなったかな?」と考えるかもしれません。しかし、実は足の裏などにできものができる場合もあるでしょう。本記事では足の裏をはじめ、子供の皮膚によくできる「イボ」について解説します。
もくじ
子供の足の裏にできるイボはなにもの?
イボは皮膚の弱い子供にできやすく、足の裏にもよくできます。このイボの正体を確かめていきましょう。
通常は「ウイルス性疣贅(ゆうぜい)」のこと
「イボ」という言葉そのものは、皮膚にできる盛り上がったできもの全般を指す言葉です。しかし、病院に行って「イボ」だと診断された場合、その意味はもう少し狭義のものになります。
病院でいうイボは、通常「ウイルス性疣贅(ゆうぜい)」のことを指します。疣贅とはイボの別称。ウイルス性疣贅はウイルスに感染することによってできるイボなのです。
人間の場合、皮膚にイボを作るウイルスはHPV(ヒトパピローマウイルス)です。HPVにはたくさんの種類、型があります。子宮頸がん、子宮体がんの原因になるとして有名なのはイボを作るものとは違った型のHPVです。皮膚にできたイボはほとんどの場合、悪性化しませんから焦る必要はありません。
参考
イボとミズイボ、ウオノメとタコ─どう違うのですか?─ Q1 そもそも、「イボ」って、いったい何ですか? | 公益社団法人日本皮膚科学会
イボとミズイボ、ウオノメとタコ─どう違うのですか?─ Q5 子宮癌がイボのウイルスが原因と聞いたことがあります。イボは癌になるのですか? | 公益社団法人日本皮膚科学会
HPVとは | 日本BD
魚の目かな?と思ってもだいたいはイボ
子供の足の裏には、魚の目のような痛いイボができることがあります。見た目も魚の目に似ています。これは「ミルメシア」というもので、HPVの1型に感染したイボであることがほとんどです。
魚の目はつい、大人でも自分で引っかいたりして硬い部分を取り除こうとしてしまいがちです。しかし、イボでこのようなことをすると、取れた皮膚組織からウイルスが広がってしまう可能性があります。
足の裏以外にできたイボもそうですが、自分で取ろうとせず、病院で治療するようにしてください。ミルメシアは魚の目とよく似ているので、判断に迷ったらまずは診断を受けるようにしてください。
また、イボと間違えやすい「水いぼ」は、同じくウイルス性のものですが、ウイルスの種類が違います。水いぼは「伝染性軟属腫(なんぞくしゅ)ウイルス」に感染して発症します。
参考
イボとミズイボ、ウオノメとタコ─どう違うのですか?─ Q11 ウオノメと思って皮膚科を受診したら、イボと言われました。ウオノメとイボはどう違うのですか?また、ウオノメはどうしてできるのですか? | 公益社団法人日本皮膚科学会
皮膚病あれこれ|宮崎市のきくち皮膚科泌尿器科クリニック:皮膚科,泌尿器科,アトピー,湿疹,水虫
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