昼間はご機嫌だったのに、夜中に目を覚まして泣き続け親を困らせるのが、赤ちゃんの夜泣きです。残念ながら、赤ちゃんの夜泣きを止める特効薬はありませんが、夜泣きの原因を探り、赤ちゃんの抱える問題に有効な対処法を考えることはできます。いろいろな方法を試し、赤ちゃんの夜泣きの時期を乗り切りましょう。
もともと、赤ちゃんの睡眠サイクルは短い
赤ちゃんは大人より短い睡眠のサイクルを繰り返しています。
睡眠は、浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠を1つのセットとし、大人の場合は1セット90分のサイクルを繰り返します。それに対し、新生児は睡眠の1セットは40~50分しかありません。1日のほとんどを寝て過ごしていても、睡眠サイクルが短いため、レム睡眠の割合が高いのが赤ちゃんの睡眠の特徴です。赤ちゃんが夜泣きしやすいのは、眠りが浅く覚醒しやすい赤ちゃんの睡眠パターンによるものなのです。
なぜ赤ちゃんは夜泣きをするのか
生理的欲求が満たされていないから
赤ちゃんにとって、泣くことは自分の要求を大人に伝える唯一の手段です。おなかがすいた、うんちやおしっこでおむつが汚れて気持ちが悪い、暑すぎる、または寒すぎる、服が肌に当たってチクチクするなど、親に対して何でも泣いて訴えます。赤ちゃんの泣き声は「小さな体のどこからそれほど大きな声が出るのか」と思うほど大きく耳障りなものですが、だからこそ、大人が赤ちゃんを泣きやませるために必死にお世話するべきなのです。
生活リズムができていないから
生まれたばかりの赤ちゃんは昼夜に関係なく寝ます。生後3ヶ月ごろから、次第に昼に起きている時間が長くなり、夜にまとまった時間を取って寝るようになります。しかし、赤ちゃんの体内時計は未熟で、生活リズムが定着していないため、夜中に目覚めてしまうこともしばしばあります。
昼間の出来事を脳がおさらいしているから
赤ちゃんの脳は、生まれてから3歳までの間に急速に発達します。脳は寝ている間に成長しています。起きている間に受けたさまざまな情報を、寝ている間に脳がおさらいし消化しています。
赤ちゃんの毎日は、新しい刺激にあふれています。最初はただ寝ているだけだった状態から、1年あまりの間で歩けるようになり、行動範囲が一気に広がります。赤ちゃんが得る大量の情報を脳が処理しきれないため、赤ちゃんが夜泣きするのではないかとも言われています。
体調が悪いから
生後2~3ヶ月の赤ちゃんで、夕方以降に長い時間、激しく泣く場合は、消化不良でお腹にガスがたまっている可能性があります。授乳後は赤ちゃんをお母さんの肩に乗せ、しっかりとゲップをさせてあげてください。ミルクを飲んでいる場合は、哺乳瓶の乳首を代えると、赤ちゃんの不調が改善することもあります。
乳歯の生え始めの時期にも、赤ちゃんがぐずることがあります。ぐずぐず泣きながらしきりに手を口に入れる、または何でも口に入れてカミカミするようであれば、歯ぐずりの可能性があります。
1歳近くになると、生まれたときに母から受け継いだ免疫が切れ、病気にかかりやすくなります。赤ちゃんが初めて熱を出すのもこのころです。赤ちゃんがいつもよりぐずるようなら、病気にかかっている可能性も考えましょう。