寒くなってくると、こたつを利用する家庭も多いのではないでしょうか。こたつはポカポカと温かく、心地よさのあまり一度入ってしまうとなかなか出るのが嫌になってしまったり、ついうとうとと寝てしまう経験がある方も多いと思います。「こたつで寝ると風邪を引くから寝ちゃダメだよ」などと親御さんから注意されたり、自分のお子さんに注意したりすることもあると思いますが、本当にこたつで寝るのはよくないのでしょうか。実際にこたつで寝ることでどのような健康への影響があるのでしょうか。
今回は、こたつで寝てしまうことの危険性や、もしも寝てしまったときの対処法などをご紹介していきます。冬には欠かせない心地よいこたつを、安全に安心して楽しめるように、ぜひご覧ください。
もくじ
こたつで寝るのは危険!
「こたつで寝ると風邪を引く」「こたつで寝ると疲れる」など、こたつで寝てしまうことはあまりよくないとされており、よくないことをなんとなく理解されている方も多いと思います。では、なぜ風邪を引いてしまうのか、疲れてしまうのか、ご存知でしょうか。こたつで寝ることの危険性とその理由について見ていきましょう。
脱水症状
こたつで寝るときに起こる危険の一つが「脱水症状」です。
こたつの中は暖かく気持ちが良いですが、人間の体温よりも高い温度になっていることが多いです。また、外出から帰ってきた時には、つい設定温度を高くしてしまいがちです。私たちの身体の体温が上がってきても、こたつの温度は自動では変化してくれません。そのため、布団で寝るときのようにうまく体温調節ができなくなってしまったり、必要以上に汗をかいてしまったり、知らず識らずのうちに体内の水分量が減少し脱水症状を起こしてしまうことがあります。
脱水症状なんてと軽く考えてしまいがちですが、こたつで寝てしまったことによる脱水症状が、便秘や風邪などさまざまな体調不良の原因となることもありますので、十分注意しておきましょう。
風邪
次にこたつで寝てしまうことにより体への影響として「風邪」があげられます。
こたつで寝てしまうことで前述の脱水症状が起こると、鼻や口の中の粘膜が乾燥します。粘膜が乾燥すると、身体の抵抗力が下がるため、風邪のもととなるウイルスや細菌を十分に対抗することが難しくなります。
また、こたつで寝ている最中に過度に汗をかいてしまっても、子供はそれに気づかずに、こたつから出ても汗をかいた服のまま遊び始めてしまったりします。汗をかいた湿った服で遊んでしまうことで、こたつでかいた汗が徐々に冷えていき、知らず識らずのうちに体温を下げてしまい風邪をひく原因をなってしまうことがあります。
低温やけど
次にこたつで寝てしまうことの危険性の1つが「低温やけど」です。
「こたつで低温やけど?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。公益社団法人 福岡県薬剤師のホームページに記載されている使い捨てカイロによる低温やけどに関する質疑応答において、低温やけどについて以下のように説明しています。
低温熱傷(やけど)は、短時間の接触ではひどい熱傷を生じない、体温以上60℃以下の熱源への長時間の接触と、圧迫による局所循環障害が加わった状態で起こる。使い捨てカイロ、湯たんぽ、電気あんか等の冬に長時間身体にあてて使用する暖房器具のほか、ノートパソコンの長時間使用時や携帯電話の異常発熱等でも起こることがある。特に血流を圧迫する使い方や、知覚障害や糖尿病等の神経障害、泥酔等の熟睡中に起こりやすい。一般的に44℃では3~4時間以上、46℃では30分~1時間、50℃では2~3分の接触で発生する。皮膚表面の変化や痛みは少ないが、実際は熱傷深度が深く、皮下組織の壊死など重症化し、植皮手術が必要になることもある。
(引用元:使い捨てカイロで低温やけどが起こることはあるか?注意点は?(一般)公益社団法人 福岡県薬剤師会 |質疑応答)
こたつの中は広いとは言えず、潜り込んだ時には体と熱源の距離は非常に近くなります。また、寝ている時には熱源と距離感覚がわからずに無意識に長時間熱源と接触してしまうことで、低温やけどを引き起こしてしまうことがあります。