「ギフテッド」という言葉を耳にしたことはありますか? 高いIQや感性を持つといわれている彼らですが、一体ギフテッドの診断は何を基準になされるのでしょうか。今回は研究論文の資料を交えながら、ギフテッドの見分け方や特徴について分かりやすくご紹介します。
もくじ
ギフテッドの子どもに見られる特徴
我が子がギフテッドか見分けるには、一般的なギフテッドの子どもが持つとされる行動特徴がないか確認することが重要です。
我が子がギフテッドかどうかを判定するのに有効な特徴をまとめました。1つずつ確認していきましょう。
高知能:IQ130以上
専門家によっては、IQだけで子供がギフテッドかどうかを判断するのに懐疑的な人もいるそうです。しかし、ギフテッドの子供は平均よりも高いIQスコアを持つことが多いので、1つの判断材料にはなるそうです。高知大学教育学部研究報告「ギフテッドの情緒社会面・行動面・感覚面における特別なニーズと対応」では、「多くの専門家がその定義を全体もしくはいずれかの能力でIQ130以上を示す子どもたちであるとする」としています。
非同期発達:能力の凹凸が激しい
知的能力・体・感情それぞれの発達度合いがアンバランスなこともあります。体はまだ2歳なのに、5歳児と同じくらい知能が発達していて、ひらがなを読んだり、長い文章を喋ったりすることができるギフテッドの子供がいます。
語彙や認知能力等が周りの子どもたちよりもはるかに発達している一方で、精神面、社会面が弱い傾向にあるため、同年代の子どもに溶け込みにくい。学校で理解を得られなかったり、不登校になったりすることもしばしば見られる。精神と身体、知能と感覚の発達の非同期だけでなく、認知のアンバランスを持つ場合もあり、生きづらさを抱えていることもある。
(引用元:ギフテッドの概念と日本における教育の可能性 | 滋賀大学学術情報リポジトリ,P3)
過度激動(OE):敏感な感性を持つ
overexcitabilityを略してOEと呼ばれる過度激動とは、五感や感情を人よりも強く感じたり、過激に反応してしまったりすることです。洋服がちくちくして着られないという子供もいます。
発達障害:ADHDやASD等と見分けがつきにくいことも
ギフテッドの子供は、平均的な子供のために用意された環境になじむことができなかったり、刺激を受けすぎてしまったりします。このような反応はADHDやASD、アスペルガー症候群といった発達障害の子供のものともよく似ているため、実際に誤診されてしまう子供もいるそうです。
逆に、発達障害を併せ持っている子供が、ギフテッドであることが目立ってしまうゆえにその障害が見過ごされてしまう子供もいるそうです。この2種類の誤診は海外でも非常に重大な問題として捉えられています。英語圏では、子供がギフテッドなのか、ほかの障害を持っているのかを判断するためのチェックリストがあり、研究者が日本でも使えるように翻訳などの作業を進めています。
参考
ギフティッド児の誤診を防ぐ:その理解と,適した環境の必要性(3) – 論文・レポート | チャイルド・リサーチ・ネット