正月には子供たちとどんな遊びをしますか? スマートフォンやテレビゲームを楽しむより、伝統文化としてもおすすめなのが羽根突きです。羽根突きの歴史、やり方、アレンジ方法、教育現場での実施などをお伝えします。
もくじ
羽根突きの歴史
羽根突きはいつ始まったのか
羽根突きの起源は、奈良時代までさかのぼります。男子の神事として、「蹴鞠(けまり)」を行っていた一方で、女子の神事として「毬杖(ぎっちょう)」を行っていました。毬杖は、へらの形をしたもので、毬という丸い形のものを打ち合う遊びでした。
室町時代には、へらの形から羽子板に、毬が木の実に羽をつけたものに変わりました。これが、現代の羽根突きと同様の形式でした。つまり、羽根突きは本来神事でした。公家の間では「こぎの子勝負」という羽根突き大会を開催しました。男女対抗戦で負けた方がお酒を振るまったそうです。
戦国時代には、祭礼の側面が強く、羽子板にはらいや縁起のための装飾をして、装飾品として扱われていたようです。江戸時代には、武家が女の子の贈り物や出産祝いとして羽子板をプレゼントするようになりました。庶民は、女の子のいる家庭に縁起物として年の暮れにプレゼントしたため、正月に羽根突きが行われるきっかけになりました。
羽根突きとは
やり方やルール
主に2つの遊び方があります。1人遊びと2人遊びです。1人遊びを揚羽根(あげはね)と言います。羽根と羽子板を持って、地面に落とさないように何回羽根を突けるか競う遊びです。イメージは、サッカーのリフティング。友達と競い合ったり、1人で回数を記録しても良いでしょう。
2人遊びは、追羽根(おいばね)と呼ばれます。1対1で羽子板を持ち、バドミントンの形式で打ち合います。特にコートなどの枠は決まっていませんが、どちらかが打つのを失敗するまで続けます。
羽根突き中に歌う歌もあります。歌詞に地域差もありますが、いくつか例を挙げましょう。
「一(ひと)ごに二(ふた)ご、三(み)わたし四(よ)めご、五(い)つ来ても六(む)かし、七(なな)んの八(や)くし、九(ここ)のまへで十(とを)よ」。
「一ごに二ご、三わたし四めご、五つ来て見ても、七(なな)子(こ)の帯を、八(や)の字にしめて、九(ここ)のはで十(と)かした」。
「一人(ひとり)来(き)な二人(ふたり)来な、三人(さんにん)来たら、四(よ)つて来な、五(い)つ来て見ても、七子(ななこ)の帯を、八(や)たらにしめて、九(ここ)のまへで十(とを)よ」
(引用元:羽根突き|Wikipedia)
歌いながら羽根突きで遊ぶと、より楽しくなります。
魔除け効果あり?羽付きの罰ゲーム
揚羽根や追羽根で負けた際には、罰ゲームを設定しても面白いかもしれません。最も有名な罰ゲームは、墨を顔に塗ることです。顔に墨を塗るのは厄払いや魔除けに役立つという意味を込められていたそうです。
確かに、顔に墨を塗ると悪いものが近づきがたい形相へ変わるかもしれません。「負けたら罰ゲーム」というのがほど良い緊張感になり、遊びをより白熱させてくれるでしょう。
ちなみに、羽根突きに必要な用具はホームセンターや百貨店、ネットショップなどで購入できます。縁起物として飾るための羽子板もありますが、実際の遊びに使用できる羽子板も置いてあります。年末で種類を多く取り扱っているうちに準備してみてはいかがでしょうか。