節分は年中行事の中でも私たちになじみのある行事の1つです。「鬼は外!福は内!」の掛け声で、小さな子供が豆まきをしたり、みんなで恵方巻きを食べたり……と家族で親しんでいる人も多いはずです。保育園や幼稚園でも行事として取り入れているところもたくさんあります。
節分にはなんとなく『豆まき』というイメージはあっても、その正しい由来や、なぜ豆をまいたり恵方巻きを食べるのか、きちんとした理由を知っている人は少ないのではないでしょうか?
子供に「どうして豆まきをするの?」「節分って何?」「どうして恵方巻きを食べるの?」と聞かれたとき、その理由を正しく答えられたらとても素敵ですよね。
日本古来から伝わる伝統行事には、由来や慣習があり、これからの子供たちにも伝統行事を受け継いでもらいたいものです。今回は、節分に関する知識を分かりやすくご紹介しますので、ぜひ子供からの質問に胸を張って答えられるよう、参考にしてください。
もくじ
サクッと分かる節分
節分とはどのような由来があり、どんな目的で行う行事なのでしょうか? また節分に行う豆まきにはどんな意味があるのでしょうか? ここでは節分の由来や、節分で豆をまく理由などを調べました。
節分の由来
節分とは、その字の通り、本来『季節を分ける』、つまり季節の移り変わりの節目のことをさします。春夏秋冬で立春(1月)・立夏(5月)・立秋(7月)・立冬(10月)がありますが、これは二十四節気の中に含まれるものです。本当なら年に4回ある「節分」でしたが、日本では特に「立春」が1年の始まりとして尊ばれたため、次第に節分=立春のみを指すようになったと言われています。
節分の行事が定着し始めたのは平安時代で、宮中では陰陽師らによって厄や災難を祓う『追儺(ついな)』という行事が行われていました。室町時代になると『豆をまいて鬼=災難を祓う』という行事に発展し、次第に庶民にも浸透していったのです。
節分に豆まきを行う理由
節分に行う豆まきは、中国から伝わった風習だという説が有力です。一方で、『豆(まめ)』は『魔(ま)を滅(めっ)する』という語呂合わせで、無病息災を願うものという説もあります。昔は病気や災害などはすべて鬼の仕業だと考えられていたこともあり、『鬼を退治する』という意味をこめて豆をまく習慣が広まったのです。
昔、京都の鞍馬に鬼が出たときに、毘沙門天のお告げにより大豆を鬼にぶつけたところ、退治ができたという「いわれ」もあり、豆で鬼を退治するという考えが生まれたのだと言われています。新年を迎えて、1年無事に過ごすことができるようにという願いを込めて、豆まきをするのです。
子供に伝えるときのポイント
節分の豆まきは子供にとっても楽しいものです。ただ子供に「節分ってなに?」って聞かれたときは、どのように説明をすればいいのでしょうか? 子供の年齢にもよりますので、どの程度の情報を与えるのかは親が判断して、分かりやすく教えてあげましょう。
由来などについては少々難しい部分もあるので、すべて説明することはありません。ただし、正しい知識や方法を教えてあげるのは親の役目です。難しいからといって適当にあしらうのではなく、行事の意味をきちんと理解して、子供に伝えてあげることができるようにしましょう。