褒めることが子供に与える影響と上手に褒めるための5つのコツ - cocoiro(ココイロ)

褒めることが子供に与える影響と上手に褒めるための5つのコツ

子供の成長を喜ばない親はおらず、何かができるようになったりしたときには目いっぱい褒めてあげたいと思うのが親心。しかし、親としては「褒めるポイント」を見つけるのが悩みにもなるでしょう。褒めることで子供にどんな良いことがあるのか、またどのような褒め方をすると子供に良い影響があるのかを解説していきます。

「褒める」ことが子供に与える影響

「褒める」ことが「子供にとって良さそう」と認識している人は多いと思います。その「良さそう」というのは、実際に子供にとってどのような影響を及ぼしているのか解説します。

「褒める」と脳で起こること

人間にとって「褒める」ことは、実は脳にとって良い影響があることが研究によって分かっています。

アメリカの脳卒中リハビリの研究者であるブルース・ドブキン教授らの、脳卒中の患者179名を対象にした調べた研究では、歩行するリハビリの際に「褒められた」グループの患者は、「褒められることがなかった」グループの患者よりも歩くスピードが大幅に速くなり、リハビリの効果が出やすいことが分かっています。

人間の脳には「報われる」ことに反応する「報酬系」というシステムが備わっています。何かの欲求が満たされたときに「報酬系」は活性化してドーパミンと呼ばれる物質が出ています。ドーパミンによって、人間は「気持ち良い」感覚を得ることができ、脳の構造を変化させているのです。

参考
International Randomized Clinical Trial, Stroke Inpatient Rehabilitation With Reinforcement of Walking Speed (SIRROWS), Improves Outcomes

物事に挑戦したり意欲的に取り組む気持ちが育つ

上記のように「褒める」ことは人間の脳に変化をもたらします。では、子供を「褒める」ことで得られる変化にはどのようなものがあるのでしょうか?

その1つ目が「やってみたい!」「挑戦してみよう」と物事に前向きに取り組む気持ちが育つことです。2000年に発表された「Mastery motivation and self-evaluative affect in toddlers: longitudinal relations with maternal behavior.」という研究では、24ヶ月の子供と母親のコミュニケーションを観察した後、子供が36ヶ月に達した段階でとある課題を与える実験をしています。その結果、子供が24ヶ月のときまでに母親からよく褒められていた子供の方が、自信を持ち、意欲的に難しい課題をやり抜いています。

「褒める」ことは子供を「認める」ことにつながり、失敗しても「認められた」経験を積んだ子供は、次からも失敗を恐れずに物事に取り組んだり、チャレンジしていく気持ちを持てます。

子供の自己肯定感が育つ

また、「褒める」ことで子供の自己肯定感が育っていきます。自己肯定感とは、子供が周囲の人々との関係を築いていく中で「自分にはできることもできないこともあるけど、何ができてもできなくても、自分には生きている価値がある。自分は自分として生きていて良いんだ」と思えることです。

この自己肯定感は子供を褒めて認めることで育っていきます。上記で解説した「失敗してもチャレンジしてみよう」と思えるのは、この自己肯定感が根底にあるからこそ持てる気持ちとも言えます。