働きながら分かるブラック企業の特徴:給与
続いては給与などから分かるブラック企業の特徴です。単に金額が少ない・多いだけではない特徴に注目しましょう。
給与明細がない
給与が支給される度に給与明細を受け取っているでしょうか。給与明細書は必ずしも発行しなければならないものではありませんが、給与や手当がいくらで、社会保障費などは何がどのくらい天引きされているのかを明らかにすることは義務化されています。
このあたりをごまかす企業はブラック企業の可能性があります。今まで明細をもらったことがないという人は一度上司に確認してみましょう。
参考
会社から給与明細をもらえないのですが,これは違法ではありませんか?給料明細を発行させる方法はありませんか? Q&A | 弁護士が教える労働トラブル解決サイト
罰金制度がある
「商品を壊すと罰金」「ノルマ達成できなかった場合は減額」といった規則はないでしょうか。「何かあったら違約金を取りますよ」という契約を従業員と結ぶことそのものが労働基準法違反です。このような制度がある企業はブラック企業と呼んで問題ないでしょう。
参考
従業員への罰金制度は法律違反です。 | 弁護士谷原誠の法律解説ブログ 〜日常生活・仕事・経営に関わる難しい法律をわかりやすく解説〜
残業代・休日手当等が不明確
「給与明細はもらえるけれど残業手当が書いていない」「聞いてもうちはフレックスだからと言われる」という場合も要注意です。残業や休日出勤がまったく存在しない場合以外はこれらの手当が必ず発生します。また、フレックス・裁量労働・みなし残業などの制度を取っていたとしても、契約で定めた残業時間を超過した場合は残業手当が発生します。
参考
みなし残業制(固定残業制)で月30時間・40時間・50時間の場合の残業代計算方法 – そこが知りたい!残業代請求コラム(弁護士監修)|労働問題の弁護士への法律相談
働きながら分かるブラック企業の特徴:人間関係
最後の特徴は人間関係です。ハラスメントもこちらに含めました。
上司が怒鳴る
パワーハラスメント、略して「パワハラ」は社会にも広く認知されてきましたが、いまだに被害に遭う労働者がいます。体への暴力だけでなく、どなる、長時間叱責するなどの行為もパワハラに該当します。
「お前のために言っているんだ」「いつまで同じことを言わせるんだ」など、「自分がだめだからしかられるんだ」と相手に思わせるような言い方をする人が少なくありません。しかし従業員の自信を喪失させ、上司の言いなりにさせるような指導の仕方は適切とは言いがたいものです。
飲み会などを強制される
「飲み会も仕事のうち」という会社もありますが、業務時間外の交際は契約外であることを覚えておきましょう。「行きたい人だけで行く」が認められない場合は要注意です。「飲み会出席するなら残業代をください」という人も実際にいるようですが、現実的には難しい場合が多いでしょう。
社訓などの過度な強調
社訓を丸暗記させられる、「感謝」「奉仕」といった精神論を強調してくるというのもブラック企業によく見られる特徴です。給与などの待遇面でモチベーションを維持させるのではなく、やりがいや達成感などの精神面で満足感を与えようとしている可能性があります。会社から求められている業務量と給与や待遇が釣り合っているかどうか、冷静になって考えてみましょう。
まとめ
ブラック企業によく見られる特徴について、給与・労働時間・人間関係の面から解説してきました。最初のうちは「あれ?」と思うようなことでも、慣れてくると「こんなものだろう」「どこも変わらない」と考えるようになってしまうのがブラック企業の危険なところです。心身を壊すようなことのないよう、適切な働き方ができているかどうか今一度チェックしてみてください。
参考
専門家が語る「ブラック企業の見分け方」。求人情報で見るべき4つの特徴とは?|新R25 – シゴトも人生も、もっと楽しもう。
ブラック企業とは|ブラック会社の特徴10個と見抜くポイント|労働問題弁護士ナビ
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