日商簿記1級に合格するための勉強法
簿記1級に独学で合格するためには、大きく3つの段階に分けて勉強計画を立てる必要があります。まずはテキストを1冊やりきること、次に過去問で弱点を補強すること、そして模試や解法解説を受けて試験の形式に慣れることです。
テキストを1冊やりきる
日商簿記1級は、商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4つの分野から構成されており、2級や3級に比べると試験範囲が格段に広くなっています。そこで大切なのがテキストをやりきることです。
途中で必ず分からない内容が出てきますが、分からない部分は飛ばしてどんどん進めるのがポイントです。完璧さにこだわるのではなく終わらせることにこだわりましょう。そして、テキストは3周するのがおすすめです。1周目では分からなかったことも、2周目、3周目とこなすうちに理解できるようになります。また、複数回テキストに取り組むことで内容も定着していきます。ちなみに、3周終えるまでの目安は試験の3ヶ月前までです。
過去問で弱点を補強する
テキストを3周したら、ひたすら過去問を解きましょう。テキストの内容を完璧に理解する必要はありません。そもそも、簿記1級は70%以上の正解率で合格できるのです。
過去問は、少なくとも10回分を解きます。過去問もテキストと同じように何回も解きます。ポイントは、解けた問題は飛ばして解けなかった問題だけを何度もやることです。過去問をやることで、自分が理解できていない箇所が分かります。過去問だけでは分からない場合は、テキストに戻って確認しましょう。
簿記1級は、商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の各項目で40%以上得点する必要があります。そのため、過去問を繰り返して解き、弱点をなくす必要があるのです。なお、過去問は試験の3ヶ月前から1ヶ月前までにやるのが目安です。
模試で試験形式に慣れる&復習
最後の1ヶ月は、試験形式に慣れるために模試を受けましょう。資格専門学校の模試を受け、解法を習うことで、試験当日をイメージできるようになります。テキストと過去問を使えば独学で突破できるほど簿記1級試験は甘くありません。
下記のように、簿記1級の合格者は10%を下回ります。
試験実施回 | 受験者数 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
153回 | 9,481名 | 7,520名 | 735名 | 9.8% |
152回 | 8,438名 | 6,788名 | 575名 | 8.5% |
150回 | 9,852名 | 7,588名 | 680名 | 9.0% |
149回 | 9,429名 | 7,501名 | 1,007名 | 13.4% |
147回 | 10,675名 | 8,286名 | 487名 | 5.9% |
146回 | 9,064名 | 7,103名 | 626名 | 8.8% |
(受験者データ|商工会議所の検定試験より筆者作成)
まとめ
簿記1級は、合格率が10%を下回る難関試験です。そのため、独学で合格するのは決して簡単ではありません。しかし、合格できれば価値の高い資格を得られます。合格するためには、自分に適したテキストを選び、3周以上する根気が求められます。また、過去問や模試を上手に利用して弱点をつぶしていく作業も必要です。今回ご紹介したテキストや勉強法が、簿記1級合格への第一歩になれば幸いです。
参考
簿記1級にどうしても独学で合格したい場合の勉強方法とおすすめテキスト|こびと株.com
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