なぜ朝礼=ブラック企業なのか
そもそも、なぜ「朝礼=ブラック企業」というイメージを持つのでしょうか。ブラック企業の朝礼は内容そのものに問題があるケースも少なくないようです。
スピーチがモラハラになっている?
ブラック企業の朝礼では、前述した通り、ミスなどの謝罪や上司から一方的に罵倒するような機会として位置づけられているといいます。当然ながら、毎朝朝礼でこのような場面に遭遇すると、たとえ自分に対してではなく同僚に対する罵倒であっても、精神的な苦痛は蓄積されていくことになります。上司からの一言がモラルハラスメント、言葉や態度による暴力となってしまうこともあるでしょう。そのため、ブラック企業=朝礼というイメージもより強くなることが考えられます。
朝礼自体が時間の無駄になっている?
朝礼では、司会やスピーチなどを交代で行う形式が多くあります。人前で話すことの練習や、社員同士の絆を深めるという意味では大切な時間となりますが、中には朝礼の議題自体が時間の無駄になっていることも。必要な伝達事項がある場合は、朝礼ではなくメールや書類などでも確認することができます。重要度が高く、全員に伝達事項がある場合は朝礼で伝えることも一つの方法ですが、ブラック企業の場合は朝礼を行う意味があいまいなことも多く、「時間の無駄」と感じる方も多いようです。
朝礼をやることで会社の業績に貢献し、仕事の効率が上がっている場合は別ですが、一度確認しているはずの内容をもう一度話したり、ただ社員を叱るためだけの時間として朝礼を行っている場合は、朝礼の目的は果たせていないといえるでしょう。
朝礼をやる会社は無駄が多い?
ブラック企業=朝礼といわれる最も大きな理由は、朝礼の意味が成立しておらず、さらに無駄が多いという点が挙げられます。昔から行っているからという理由で朝礼を続けている企業は、朝礼と同様に時間ばかりが長い会議や長時間労働など、無駄が多くなってしまいます。ブラック企業の特徴の1つに、長時間労働やサービス残業などがありますが、効率良く時間を使うことができればこのような問題は生まれないでしょう。
昔からの習慣で朝礼を行っている会社は体制がなかなか変化せず、社員に対して柔軟に対応する能力が薄れている可能性があります。ブラック企業の朝礼は無駄な時間を費やすだけでなく、さらに精神的苦痛を与えるケースが多いといいます。朝礼が苦痛だと感じている方の中には、朝礼以外にも不満を抱えているケースが多いかもしれません。
本来の朝礼の目的とは?
そもそも、本来朝礼にはどのような目的があるのでしょうか。朝礼の意味を理解することで、自分が働いている会社がブラック企業の可能性があるかどうか、判断材料の1つにすることができます。
朝礼の主な目的とは、会社の経営目的や目標を確認し、個人が自発的に目標について発言することです。社内のコミュニケーションを円滑にし、1日が気持ちよく始まり、仕事を円滑に進めるのが朝礼の果たす役割です。朝礼がしっかりと機能することで社内全体の状態を把握し、生産性を高めることができます。一方的に誰かが話をして終わるだけでは、朝礼のの目的は達成されません。
ブラック企業の朝礼は要注意
ブラック企業の朝礼では、ミスについて謝罪したり一方的に上司から責められたりと、精神的な苦痛を与えるケースが多いようです。中には重要な項目について言及できず、時間だけを無駄にしてしまうこともあるそうです。朝礼が社員にとって悪影響を与えている場合は、ブラック企業である可能性もあります。もしブラック企業の朝礼に参加していると感じている方は、早めに相談できる人に話をし、対処する必要があるでしょう。
参考
朝礼の目的と進め方|静岡県静岡市のビジネス・ソリューション㈱
もはや朝礼は「ブラック企業」の象徴なのか|日経ビジネス電子版
無駄が多い朝礼の典型的な例。長い朝礼を行う会社は将来性がない理由 | 転職・仕事のお役立ち情報
働き方改革の弱点を「朝礼」が補う そのメリットは? 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)
ブラック企業の朝礼が悲惨すぎる 「息苦しくて倒れる人がいる」「夢は叶う!と絶叫」 | キャリコネニュース