大企業への入社は難しいのか
新卒でも大企業への入社は難しい
従業員が多いからといって、大企業への就職が容易なわけではありません。リクルートワークス研究所が2020年3月卒業予定の大卒の求人倍率について行った調査があります。この調査によると、全体の求人倍率は1.83倍となっており、非常に売り手市場であったように伺えます。
しかし、従業員数300人未満の企業の求人倍率は8.62倍と高く、これが全体の数値を引き上げていたに過ぎません。300人以上1,000人未満の企業では1.22倍、1,000人以上5,000人未満の企業では1.08倍、そして、5,000人以上の企業になると0.42倍という非常に狭き門となっています。
つまり、大企業はある程度採用を絞っているため、売り手市場という言葉に惑わされて大手企業でしか就職活動をしなければ、いつまでも内定が獲得できないという事態も起こり得るのです。
参考
第36回ワークス大卒求人倍率調査 | リクルートワークス研究所
新卒「売り手市場」の落とし穴、大企業の求人倍率はたった0.37倍 | ダイヤモンドオンライン
中小企業から大企業への転職可能性は0ではない
依然として新卒一括採用が採用の多くを占める日本企業において、新卒の方が大企業に採用されやすいという面はあるでしょう。
それでは、一度中小企業に就職すると、大企業には転職できないのでしょうか。転職支援サービスを展開するマイナビエージェントもリクナビNEXTも、中小企業から大企業への転職は可能であるといっています。転職の方法としては、20代のうちから第二新卒として転職を考える方法と、ある程度経験を積んでから大企業に転職する方法があります。後者の場合は、きちんと専門性を磨くことが重要となります。
また、企業の中には保険や不動産の営業、製薬会社のMRなど中途採用メインで大量採用をしている企業もあります。希望の業種があれば、このように中途採用メインの企業をターゲットにするのもいいでしょう。
参考
知名度の低い中小企業から、大手企業に転職したい。実現可能性は?【シゴト悩み相談室】 | リクナビNEXTジャーナル
転職で大手に行くために知っておきたい6つのこと | マイナビAGENT
日本で従業員の多い大企業トップ10
働く人が多いということは、今後も多くの採用が期待できるということでもあるでしょう。年収ランキングによると、日本で従業員数の多い大企業トップ10は、以下の表のとおりとなっています。(2020年1月25日現在に掲載されている情報)
この情報を見る限り、トヨタをはじめとしたメーカー企業や東日本旅客鉄道をはじめとした陸運企業の従業員が多い傾向にあるようです。
1位 | トヨタ自動車 | 74,890人 |
2位 | パナソニック | 61,311人 |
3位 | 東日本旅客鉄道 | 47,575人 |
4位 | デンソー | 39,315人 |
5位 | 日立製作所 | 34,925人 |
6位 | 三菱電機 | 34,561人 |
7位 | 富士通 | 32,969人 |
8位 | 日本通運 | 31,871人 |
9位 | キャノン | 26,075人 |
10位 | 西日本旅客鉄道 | 25,291人 |
(日本の大企業の従業員数ランキング1位~3679位の会社一覧【2020年最新版】 | 年収ランキングより筆者作成)
まとめ
日本における大企業の割合は少ないものの、決して就職できないわけではありません。また、大手企業に向いている人、中小企業の方が働きやすい人など、その人の特性によっても違いがあるため一概にどちらがいいとはいえません。大手企業、中小企業双方のメリット・デメリットを鑑みた上で、どちらに就職した方がよいか考えるといいでしょう。
参考
転職経験者が語る! 大手企業と中小企業の違いとメリット・デメリット | マイナビ転職
大企業に勤めることがやっぱり「おいしい」5つの理由 | ダイヤモンドオンライン
大企業と中小企業で働くメリットとデメリットを29の点で比較 | 社会人の教科書
日本の大企業の従業員数ランキング1位~3679位の会社一覧【2020年最新版】 | 年収ランキング