検察事務官になるには?仕事内容などの関連情報も紹介 - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 2

検察事務官になるまでの3ステップ

検察事務官になるには、司法試験に合格しなければいけない検事と違い、特別な資格を取得する必要はありません。

ただし、検察事務官になるまでには、3つのステップを踏まなくてはなりません。こちらの章では、検察事務官になるまでのステップがどのようなものであるか触れていきましょう。

1.国家公務員採用一般職試験を受験

検察事務官の仕事に就くなら、その第一歩として「国家公務員採用一般職試験」に合格しているのが必須です。国家公務員採用一般職試験の受験資格は以下の通りです。年齢制限があるので、知っておきましょう。

大卒で受験する場合

  • 大学卒業後30歳未満であること
  • 在学中の学生は、試験実施年度の3月までに大学を卒業見込みであること
    ※例:2020年度の採用試験を受ける場合、2021年3月までに卒業見込みであること
  • 上記の内容と同等の資格があると人事院が認めた人

高卒で受験の場合

  • 高等学校または中等教育学校を卒業後してから2年未満
    ※例:2020年度採用試験を受けるであれば、2018年4月1日以降に卒業
  • 高校在学中の人なら試験実施年度の3月までに高等学校または中等教育学校を卒業見込みであること
  • 上記の内容と同等の資格があると人事院が認めた人

 2.採用面接を受ける

国家公務員採用一般職試験に合格を手にしたら、東京地方検察庁などの各都道府県の検察庁で採用面接を受ける流れとなります。

 3.検察庁職員として研修を受講後、現場配属

採用面接に合格したら、検察庁の職員として初等科研修を受講。検察事務官として必要な基礎的知識や技能の修得などを図ります。そして、研修が終わったら各検察庁へ配属され、検察事務官として検事を全力でサポートします。

検察事務官の難易度

検察事務官は、国家公務員ということもあり、志願者も多いのが特徴です。参考までに国家公務員試験の2019年度の合格率のデータを示します。数値でも分かるように難易度も高い傾向にあります。

申込者数 合格者数 合格率
大卒の志願者
(区分/行政)
25,088人 5,675人 23%
高卒の志願者
(区分:事務)
13,797人 2,305人 17%

参考

国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)実施状況|人事院

国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)区分別実施状況|人事院

検察事務官として相応しい人材

検察事務官は、検察官のサポートをする立場であり、警察関係者などともやりとりをするので、コミュニケーションスキルにたけている人材がふさわしいと言えるでしょう。

ほかにもスピーディーで正確な事務処理能力と、細かいことにも気づけるような注意力、イレギュラーな事態が起きても臨機応変に対応できる能力も備わっていることが必要とされます。

また、検察事務官は、被告人の人生を左右することにつながる仕事も抱えているので、周りの人たちの感情や言動に振り回されないよう、客観的な判断力と俯瞰力も要求されます。

検察事務官の給与と将来性

検察事務官の給与や将来性について関心がある人もいることでしょう。まず、検察事務官の給与については、最終学歴や勤務地によって違いがありますが、参考までに初任給の場合、以下の通りです。

  • 大卒:186,700円+諸手当(※地域手当含む)
  • 高卒:150,600円+諸手当(※地域手当含む)

こちらの金額は、一般的に「俸給月額」という呼ばれています。

また、検察事務官は、国家公務のなかでも「行政職(一)」というカテゴリーに入ります。

昇進については、捜査公判部門であれば、主任捜査官・首席捜査官・統括捜査官など、検務部門であれば、検務専門官・統括検務官・検務監理官へとステップアップできます。そして、事務局部門においては、事務局長・係長・課長・などと昇進することも可能です。

検察事務官としてのキャリアを積み、内部試験に合格したら副検事や検事としてステップアップも見込まれます。こちらのステップアップの詳細については、後述の「参考:検察事務官から検事になる方法」で触れていきましょう。

参考

国家公務員の初任給の変遷(行政職俸給表(一))|人事院 P2

国家公務員の諸手当の概要|人事院 P1

参考:検察事務官から検事になる方法

大ヒットドラマ『HERO』では、検察事務官から検事になったというストーリーにも触れていました。実際に検察事務官から検事になったという事例もあります。

検事になるには、司法試験に合格していることが条件として挙げられていますが、現職の検察事務官が司法試験合格の有無に関係なく、検事の仕事として就くには、内部試験に相当する「副検事選考試験」に合格することが必須です。

そして、副検事として3年以上のキャリアを積んだ後、検事の試験(筆記と口述)に臨むことができます。ただし、試験のなかでも実務試験のレベルが高いこともあり、副検事から検事になるための試験の最終合格率は10%程度と言われています。

参考

資料2 特任検事の選考方法|首相官邸 P2

まとめ

検察事務官は、検察官の刑事案件業務など幅広くサポートする仕事です。国家公務員ということもあり、将来性もあり、かつ倍率も難易度も高い職業の一つ。また、検察事務官の適性については、検察官や警察関係者と連携して刑事案件業務を進めるので、何と言ってもコミュニケーション能力が優れている人がふさわしいと言われています。ほかにも正確で、かつスピーディーな事務処理能力・注意力・柔軟性なども兼ね備えているといいでしょう。

参考

なぜ 道徳教育 x HERO ?|道徳教育 x HERO|文部科学省

 ドラマ出演者インタビュー 北川景子さん 麻木千佳役|道徳教育× HERO|文部科学省

検察官・検察事務官の資格,採用について|検察庁

検察官及び検察事務官になるには|盛岡地方検察庁

職員からの一言|岡山地方検察庁

副検事の選考方法|首相官邸

検察事務官について|検察庁

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オダルミコ

都内在住のライター。子育て・教育・ライフスタイル・働き方を中心に心をこめて執筆をしています。ライティングを通して、知識が増え、視野が広がることに生きがいを感じています。プライベートではティーンエイジャーの娘と息子の母です。