司法書士試験の足切りとは?基準点の推移と合格点数について

司法書士試験には「足切り」があることをご存じでしょうか。「足切りって何?」「足切りされるとそれ以降は受験できないの?」といった、受験に関する基本的な疑問について解説します。それぞれの足切り点数も確認して、自分の達成度と比較してみてください。

司法書士試験での足切りとは?

足切り=基準点

大学受験などでも一部の大学で行われる「足切り」は、一定の水準に達していない人を一律に不合格とすることです。司法書士試験の場合は足切りが行われる「基準点」を毎年試験後に発表しています。

午前の部・午後の部それぞれに基準点がある

司法書士試験は以下のパートに分かれています。

  • 筆記試験午前の部(択一問題)
  • 筆記試験午後の部(択一・記述問題)
  • 口述試験

このうち筆記試験の択一問題と記述問題に基準点が設けられています。また、択一問題は午前・午後ともにそれぞれ基準点があり、これらを上回らないと記述問題は採点すらされません。

この3つの基準点を上回った上で筆記試験全体の合格点を上回った人は口述試験に進むことができます。つまり、司法書士試験に合格するためには以下の5ステップをクリアしなければなりません。

  1. 午前の部択一問題の基準点を上回る
  2. 午後の部択一問題の基準点を上回る
  3. 記述問題の基準点を上回る
  4. 筆記試験全体で合格点を上回る
  5. 口述試験に合格する

過去の足切り点数を見てみよう

それではまず、合格の最低ラインといえる足切り点数を見ていきましょう。法務省が公開している2014〜2019年のデータと、辰已法律研究所の2013年のデータをあわせて7年分ご紹介します。

午前の部(択一式)

基準点は人数調整の機能も果たしているので毎年異なります。ここ数年の動向を見てみましょう。

2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
午前択一 基準点 84点 78点 90点 75点 75点 78点 75点
満点 105点 105点 105点 105点 105点 105点 105点
基準点/満点(%) 80.0% 74.3% 85.7% 71.4% 71.4% 74.3% 71.4%

高い年だと85%以上と、かなりの高得点を取らないといけないことが分かります。ここ数年の動向を見ても、8割以上、可能であれば9割以上を目指したいところです。自分がどのくらい得点できるのかは模試などを受けて事前に手応えをつかんでおきましょう。

参考

平成31年度(2019年度)司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の基準点等について(資料)|法務省

平成30年度司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の基準点等について(資料)|法務省

平成29年度司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の基準点等について(資料)|法務省

平成28年度司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の基準点等について(資料)|法務省

平成27年度司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の基準点等について(資料)|法務省

平成26年度司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の基準点等について(資料)|法務省

2019年度司法書士試験筆記試験 基準点の発表を受けて|辰已法律研究所

午後の部(択一式)

2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
午後択一 基準点 81点 72点 72点 72点 72点 72点 66点
満点 105点 105点 105点 105点 105点 105点 105点
基準点/満点(%) 77.1% 68.6% 68.6% 68.6% 68.6% 68.6% 62.9%

午後の部は午前の部と比べると基準点が低くなっています。これは午後の部の問題の方が難易度が高いためであると考えられます。具体的な試験の出題内容についてはのちほど解説します。

参考

平成31年度(2019年度)司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の基準点等について(資料)|法務省

平成30年度司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の基準点等について(資料)|法務省

平成29年度司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の基準点等について(資料)|法務省

平成28年度司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の基準点等について(資料)|法務省

平成27年度司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の基準点等について(資料)|法務省

平成26年度司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の基準点等について(資料)|法務省

2019年度司法書士試験筆記試験 基準点の発表を受けて|辰已法律研究所

午後の部(記述式)

2014 2015 2016 2017 2018 2019
午後記述 基準点 37.5 36.5 30.5 34 37 32.5
満点 70 70 70 70 70 70
基準点/満点(%) 53.6% 52.1% 43.6% 48.6% 52.9% 46.4%

午前・午後の択一問題で基準点を上回った人が記述式の採点対象となります。ここでも足切りが行われます。記述式問題の基準点は例年5割前後というところなので、6割以上の得点を目指せれば安心感があるでしょう。

参考

平成31年度(2019年度)司法書士試験筆記試験の合格点等について|法務省

平成30年度司法書士試験筆記試験の合格点等について|法務省

平成29年度司法書士試験筆記試験の合格点等について|法務省

平成28年度司法書士試験筆記試験の合格点等について|法務省

平成27年度司法書士試験筆記試験の合格点等について|法務省

平成26年度司法書士試験筆記試験の合格点等について|法務省

筆記試験全体の合格点数

2014 2015 2016 2017 2018 2019
筆記試験全体 合格点 207 218 200.5 207 212.5 197
満点 280 280 280 280 280 280
合格点/満点(%) 73.9% 77.9% 71.6% 73.9% 75.9% 70.4%

午前・午後の択一問題と記述問題で足切りが行われた後、全体の総合得点で合否が決まります。「どれか1つを失敗してもほかで取り返せれば」と考えがちですが、司法書士試験に関してはどれか1つを失敗した時点で足切りの対象となってしまいます。バランス良く配分して受験勉強を行う必要があります。

参考

平成31年度(2019年度)司法書士試験筆記試験の合格点等について|法務省

平成30年度司法書士試験筆記試験の合格点等について|法務省

平成29年度司法書士試験筆記試験の合格点等について|法務省

平成28年度司法書士試験筆記試験の合格点等について|法務省

平成27年度司法書士試験筆記試験の合格点等について|法務省

平成26年度司法書士試験筆記試験の合格点等について|法務省