インターンシップでのメールはどう書く?ビジネスマナー初歩レッスン - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 2

ビジネスメールの基礎を学ぶ

ビジネスメールには基本の型がある

ビジネスメールには決まった基本の型があります。まずはこの型を身につけ、それにのっとって作成するようにしましょう。要素は次の4つです。

  1. 件名
  2. 宛名
  3. 本文(挨拶、名乗り、要旨、詳細、結びの挨拶)
  4. 差出人名

宛名、件名、差出人名の書き方

本文以外の要素について、書き方を説明します。

件名

メールを受信した際、メールボックスの中で最初に目に入るのが件名です。何についてのメールかすぐ分かるような、簡潔な件名をつけましょう。担当者は毎日たくさんのメールを受信しています。メールを開けなければ何のメールか分からないようでは業務が滞りますし、見過ごされてしまうことにもなりかねません。

宛名

メール冒頭に相手の宛名を記載します。会社名、部署名、担当者名の順で書き、担当者名が分からない場合は「人事部採用課御中」「採用ご担当者様」などのように書きます。「御中」は会社名・部署名のみの場合に使い、担当者名を記載する場合には不要です。「株式会社〇〇御中△△△△様」のように一緒には使いません。会社名は(株)(有)などと略さず、「〇〇株式会社」と正式に記載。担当者名はフルネームの方がていねいな印象を与えます。敬称の「様」を忘れずにつけましょう。

差出人名

メール末尾に記載する自分の署名です。次の項目を記します。メーラーの署名機能にあらかじめ登録しておけば、簡単に付け加えることができ便利です。

  • 氏名
  • 所属(大学名、学部など)
  • 住所
  • 連絡先(電話番号、メールアドレス)

本文の構成と書き方

本文は、①挨拶②名乗り③要旨④詳細⑤結びの挨拶、の5項目から構成されます。1行の文字数は30文字程度を目安に改行し、次の項目に移る際など適宜行間を入れると読みやすくなります。

挨拶

冒頭で挨拶の言葉を述べます。初めてのメールの場合は「初めてメールをお送りいたします」との文言から名乗りへ、次回からのやり取りは状況に合わせ「お世話になっております」「ご連絡/ご返信ありがとうございます」など、適した挨拶を使い分けましょう。

名乗り

挨拶の次には自分の所属と名前を名乗り、誰からのメールか分かるようにしましょう。名乗らずに書き進めると、相手はそれまでのやりとりや背景を思い出せないまま読むことになってしまうかもしれません。「先日~~の件でご連絡させていただきました、〇〇大学の△△です」「〇月〇日に面接していただきました、〇〇大学の△△です」など、状況に合わせて適切に名乗りましょう。

要旨

何についてのメールなのか、目的を短くまとめて最初に伝えましょう。インターンシップ参加申し込みであれば「貴社インターンシップに参加させていただきたくメールいたしました」、日程調整の相談であれば「ご提示いただいた〇〇の日程について、ご相談がございます」など、簡潔にまとめます。

詳細

要旨で伝えたメールの目的について、用件を具体的に書きます。ポイントは「自分は相手に何を伝えたいのか」「相手に何をしてほしいのか」を明確にすること。読んだ相手が「この人は結局何を知らせたいのか」「自分は結局何をすればいいのか」と首をひねるようでは、メールの役割を果たせていません。「インターンシップの選考日程、提出物などについて、詳細をご教示いただければ幸いです」「〇月〇日は大学の講義との兼ね合いで参加が難しく、別日程で調整いただけないでしょうか。私の可能な日程は……」など、一度で分かるように必要な情報を網羅しましょう。

結びの挨拶

最後に、結びの挨拶でメールを締めくくります。「お忙しいところ恐縮でございますが、よろしくお願い申し上げます」「お手数をおかけいたしますが、ご検討のほどお願い申し上げます」「当日は何卒よろしくお願い申し上げます」など、メールの内容に合わせたていねいな表現を選びましょう。

参考

ビジネスメール基本の型|ビジネスメールの教科書

インターンシップの選考の流れと準備|マイナビ2021

恥をかかないための就活マナー ~電話・メール・手紙編~ – 就活準備|マイナビ2021

メール連絡時の重要なポイント

一般社団法人日本ビジネスメール「ビジネスメール実態調査2019」の調査結果から、企業とメールでやり取りする際にどんなことに気をつけたらいいのか、ポイントを抜き出していきます。

「相手は忙しい」ことを頭に置いておく

企業の担当者にメールを送るということは、相手の業務の時間に割り込んでいくことであると理解しておきましょう。「ビジネスメール実態調査2019」では、メールと忙しさの関係について、次のようなことが分かっています。

  • 仕事で1日に送信するメールの平均は「11.59通」
  • 仕事で1日に受信するメールの平均は「38.07通」
  • 残業が多いと感じることがある人の方がメールの送受信が多い
  • 残業が多いと感じることが「よくある」人は、送信(14.09通)受信(56.95通)共に最多

最も大事なのは「必要な情報を簡潔に分かりやすく」

忙しい業務の中でたくさんのメールを処理するのですから、分かりにくいメールや何度も確認が必要になるメールは、円滑な業務進行の妨げになります。「ビジネスメール実態調査2019」によると、過去1年間に仕事で受け取ったメールの「不快に感じた内容」「上手いと感じた内容」は、次のようなものでした。

不快に感じた内容 上手いと感じた内容
第1位 必要な情報が足りない(38.39%) 文章が簡潔で分かりやすい(76.31%)
第2位 質問に答えていない(36.71%) 文章に交好感が持てる(41.76%)
第3位 文章が失礼(27.21%) レイアウトが読みやすい(40.80%)
第4位 文章が攻撃的(27.13%) 件名が分かりやすい(38.76%)
第5位 無駄な情報が多い(27.06%) 文章が論理的(35.58%)
第6位 文章が曖昧(23.94%) 無駄な情報がない(34.33%)
第7位 メールが読みづらい(23.22%) 返信が早い(30.79%)
第8位 文章が冷たい(19.15%) 時間をかけずに読める(30.57%)
第9位 内容の間違い(15.72%) 質問が具体的で答えやすい(26.14%)
第10位 誤字や脱字(15.16%) 結論が先に書かれている(25.27%)

返信は1日以内に

同じく「ビジネスメール実態調査2019」によると、返信がこないと遅いと感じる間隔は、「1日(24時間)以内」(34.01%)が最も多く、「2日(48時間)以内」(16.55%)、「1時間以内」(8.83%)と続きます。「1日(24時間)以内」を上限とする回答(5分以内・15分以内・30分以内・1時間以内・2時間以内・4時間以内・8時間以内・2時間以内・1日(24時間)以内)を合計すると75.54%に達し、返信を1日以上待てる人は4分の1くらいしかいないことが分かります。

誤字脱字は最後に必ずチェック

過去1年間に仕事で受け取ったメールで、見つけた失敗の第1位は「誤字や脱字」(48.35%)。誤字や脱字は、最後に見直せば簡単に防げる失敗です。書き上げたら一通り見直しをかけ、間違いは修正しましょう。特に相手の会社名や担当者名は、間違いのないよう注意してチェックしましょう。

参考

ビジネスメール実態調査2019 | 一般社団法人日本ビジネスメール協会

ビジネスでのコミュニケーション今昔

メール登場の前はビジネス文書が使われた

仕事で使われるコミュニケーションツール第1位のメールですが、その登場前は、紙の文書である「ビジネス文書」が主役でした。ビジネス文書には社内文書と社外文書があり、社外文書は取引先や社外関係者などとやりとりされる文書です。内容の正確さだけでなく、形式を守ることや礼儀が重視されました。現在でも礼状や挨拶状などでは、丁重な気持ちを表すため、手書きで作成する場合もあります。

ビジネスメールの普及初期

インターネットが企業に導入されると、メールが積極的に活用されるようになり、社内のコミュニケーションも社外のコミュニケーションも、ビジネス文書からビジネスメールへと置き換えられていきました。しかしその普及初期は、メールアドレスは部署やチームに1つで、共有して使うことも珍しくありませんでした。

一般社団法人日本ビジネスメールによれば、ビジネスメールの書き方も今のような簡潔なスタイルではなく、ビジネス文書の名残が濃かったようです。季節の挨拶の定型文が用いられ、レイアウトや書式ルールもビジネス文書がそのまま踏襲されていたとのこと。2000年頃の状況だそうですから、それほど昔の話ではありません。

コミュニケーションツールは多様化の時代に

「ビジネスメール実態調査2019」による、仕事での主なコミュニケーションツールは、1位「メール」、2位「電話」、3位「会う」ですが、そのほか「テレビ会議・ウェブ会議」(25.92%)、「チャット」(23.92%)、「ソーシャルメディア」(15.78%)、「グループウェア」(13.18%)など、新しいツールの存在感が増しています。

近年は、コミュニケーションのスピード化と効率化、リモートワークなど時間や場所を選ばない働き方の広がりなどと共に、Slack(スラック)やchatwork(チャットワーク)などのビジネスチャット、ビジネス用のインスタントメッセンジャーなどが普及してきました。これらのビジネス用ツールの利点は、迅速な意思疎通と情報共有が可能であると同時に、高い情報セキュリティが確保されていることです。時と場合に応じて、最適なツールを選択できる時代になっていきそうです。

参考

ビジネスメールとは?|ビジネスメールの教科書

ビジネス文書とは~作成のポイントとメールの送り方~テキストと事例の解説|コンサルソーシング株式会社

ビジネスコミュニケーションの変遷と、IMの今| ITmedia エンタープライズ

11個の主要ビジネスチャットツールを徹底比較!失敗しない選び方とは? | Senses

まとめ

ビジネスメールで最も重要なことは、美しい文章や格調高い言葉づかいより、「必要な情報を分かりやすく明確に伝えること」です。メールの明確さは、相手の忙しさや状況を考慮し、ストレスなく情報をやり取りする気づかいにほかなりません。背伸びをして実感のない言葉を使うよりも、分かりやすさと失礼のないていねいさを心がけましょう。その誠意は、相手担当者にもきっと伝わるはずです。

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この記事をかいた人

菊池とおこ

北海道大学文学部行動科学科卒。行政系広告代理店、医薬系広告代理店、地方自治体の結婚支援事業担当などを経て独立、ライターに。女性のライフイベントと生き方、働き方、ジェンダー教育などが主な関心分野。大学院進学を視野に入れて地元大学のゼミ(ジェンダー・スタディ)に参加中。趣味は音楽、中学より本格的に合唱を始め、現在も合唱団に所属。ネコのおかあさん。子供と接する時は、自由人の叔父ポジション。