行政書士合格までの学習スケジュールを立てよう
行政書士試験の勉強を独学で行うには、学習スケジュールを立てて計画的に進めるのが良いでしょう。独学で目的や意欲を失うと、合格するまで長くかかってしまったり、途中で諦めてしまう危険があります。それを防ぐためにも、独学で合格する学習スケジュールの立て方をご説明します。
出願から試験、合格発表までの日程
行政書士試験は、年1回実施されます。出願から試験、合格発表までの日程は例年通りならば次の通りです。
項目 | 日程 |
出願期間 | 7月末~8月末 |
受験票発送 | 10月下旬 |
試験当日 | 11月第2日曜日午後 |
合格発表 | 翌年1月第5週 |
合格証発送 | 翌年2月中旬 |
参考
令和元年度行政書士試験のご案内|一般財団法人行政書士試験研究センター
行政書士として業務ができるのは、行政書士会へ登録申請をして受理された後になります。そのため、行政書士として転職を考えている場合は、実際に仕事ができるようになるのは4月以降と考えた方が良いでしょう。
学習スケジュールは「試験当日までの勉強計画」です。試験当日から遡って決めるのがおすすめです。
続いて学習スケジュールの二本柱である「学習内容」と「勉強時間・期間」の決め方をご説明します。
【学習内容】科目の優先順位を決める
科目の優先順位は次の通りです。
|
参考
【行政書士試験 法令・一般知識】勉強の優先順位 効率よく合格レベルに達するためには、どの科目を優先して勉強すればいい?(2019.2.17)|行政書士試験独学178点不合格からのリベンジ!ブログ
現時点での法律知識のレベルによって個人差はありますが、初心者にはこの優先順位がおすすめです。そして、8月までにテキストをそれぞれ2回以上復習するようにしましょう。
【勉強時間・期間】集中した勉強時間をとれるかが合格の鍵
公認会計士試験専門学校CPAによると行政書士になるために必要な勉強時間は最短で約600時間だそうです。また、法律家・行政官の育成に定評がある伊藤塾は、行政書士試験の学習期間は半年以上としています。
参考
資格難易度ランキング!勉強時間&合格率から考察する!|CPA
CPAと伊藤塾の最短勉強期間をあわせて考えると、半年で合格するには、予備校に通いながら毎日3.3時間以上(1週間で23時間以上)の勉強時間の確保が必要ということになります。
最近3年間における行政書士試験の受験者で多いのが30~40歳代の勤労者層であることを踏まえると、独学の法律初心者が働きながら半年で合格するのはハードルが高いでしょう。
参考
最近3年間における行政書士試験の受験者・合格者の属性|一般財団法人行政書士試験研究センター
そこで、自分が毎日(もしくは1週間で)どのくらい集中した勉強時間が取れるかを考えて、ざっくりと勉強期間を設定しましょう。
試験までの期間 | 試験までの日数
(注1) |
1日の勉強時間
(注2) |
1週間の勉強時間
(注3) |
6ヶ月 | 180日間 | 3.3時間 | 23.1時間 |
7ヶ月 | 210日間 | 2.9時間 | 20.3時間 |
8ヶ月 | 240日間 | 2.5時間 | 17.5時間 |
9ヶ月 | 270日間 | 2.2時間 | 15.4時間 |
10ヶ月 | 300日間 | 2.0時間 | 14.0時間 |
11ヶ月 | 330日間 | 1.8時間 | 12.6時間 |
12ヶ月 | 360日間 | 1.7時間 | 11.9時間 |
(注1)1ヶ月30日として計算。
(注2)最短勉強時間600時間を試験までの日数で割り、小数第2位を四捨五入して表示。
(注3)1日の勉強時間を7倍したもの。
ただし、勉強時間600時間はあくまでも「最短で合格する」場合です。実際は仕事で疲れた状態で、毎日集中して勉強できる方は少ないでしょう。行政書士試験の合格は、どれだけ集中した勉強時間がとれるかにかかっています。隙間時間などをうまく利用するなど工夫しましょう。
毎日の勉強時間以外にも、試験直前には過去問題集を繰り返し解いたり、本番で緊張せずに本領発揮するために模擬試験を受験したりする時間を作りましょう。
合格のポイントは2つ!科目ごとの比重を見極めた勉強法
行政書士試験は、合格基準点つまり「足切り」のある試験なので、科目ごとの比重を見極めて勉強を進める必要があります。ここでは、最短期間で要領良く合格するためのポイントを2つご紹介します。
【勉強時間の8割】民法・行政法をまず攻略しよう
勉強時間の8割をかけるほど重要な科目といわれているのが「民法」と「行政法」です。全科目300点満点のうち、2科目だけで合計188点もの配点があります。それだけ行政書士の業務に影響のある科目なのです。
合格基準点を考えると、合格するには「全科目で180点以上、うち一般知識等が24点以上」が必要なので、一般知識等以外に「民法と行政法で156点」を獲得できれば合格できます。極論をいうと、さまざまな法律を幅広く勉強するのは大変という方は、法令等科目は行政法と民法のみ完璧にするのも一つの手段です。
【勉強時間の2割】一般知識等科目は基準点を突破する
意外と見落としがちなのが一般知識等科目の足切り点です。法令等の勉強を重視しすぎると試験対策をする時間がなくなってしまいます。
一般知識等科目の中でも「情報通信・個人情報保護」や「文章理解」は、ニュースを見ているだけで得点できる問題がたくさんありますので、日頃から社会情報にアンテナをはることでも対策できます。
参考に!行政書士を独学で合格した人の学習スケジュール
ご紹介したもの以外では、どのような勉強優先順位があるのでしょうか。半年間の独学で行政書士に合格した方の学習スケジュールをご紹介します。
1ヶ月目:基礎法学、憲法
2ヶ月目:民法
3ヶ月目:行政法
4ヶ月目:憲法/民法(2回目)
5ヶ月目:行政法(2回目)、過去問、判例集
6ヶ月目:過去問、判例集、一般知識対策S
(引用元:行政書士に独学で合格するための勉強計画|行政書士独学プログラム)
これらを見ると、「2回目」の学習をスケジュールに含んでいること、それが重点科目の「民法」と「行政法」であることが分かります。このように、学習スケジュールを立ててざっくりと学習内容と勉強期間を決め、途中で軌道修正を繰り返しながら勉強を進めていきしょう。
まとめ
行政書士の試験は、本格的な法律系国家資格試験の中では登竜門のような位置づけで超難関ではないものの、取得するのは容易ではありません。独学で合格を目指す場合は「絶対に合格するという強い意志」と「豊富な勉強量」が必要です。
学習スケジュールを組んで、しっかりと対策を練ってから本番に臨んでください。
参考
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