第二新卒の強み
企業の期待を理解すると、第二新卒であることをメリットとして押し出していくことができます。ここでは、第二新卒者が自信を持つべき3つの強みをご紹介します。
やる気・バイタリティがある
まず、第二新卒者は、やる気・バイタリティがあるという強みがあります。ある程度の給与や待遇を受け入れることができれば、1つの企業に残るという選択肢もありますし、多くの人は会社に残ることを選びます。しかし、向上心を持って同じ業界でキャリアップを目指したり、全く異なった新しい業界へ一歩を踏み出したりするには、より一層のやる気が必要です。
入社後、3年以内という短い期間で新しい道に進もうとしている第二新卒者には、そのような異なった魅力があります。しかし逆に、やる気やバイタリティを感じさせることができなければ、第二新卒の強みをうまく使うことができないでしょう。
ポテンシャル・将来性
次に、第二新卒は、採用後に成長していく将来性があると考えられています。専門的なスキルや知識が重要なポイントではありません。マイナビのアンケートによると、第二新卒採用で重視されるポイントの1位は「入社意欲の高さ」となっています。つまり、どのくらいやる気があるかが重要と考えているのです。やる気があれば、成長していく可能性があります。
(参照元:第二新卒とは?|マイナビジョブ20’s)
最低限のビジネススキルが身についている
最後に紹介する強みは、ビジネススキルが身についていることです。先ほど、企業が第二新卒に期待することでも触れましたが、ビジネススキルの研修にはコストがかかります。しかし、第二新卒者はすでにビジネススキルを身につけているため、すぐに業務に関する研修を行うことができます。
採用の過程では、初対面のときの挨拶、名刺の受け取り方、電話での対応など、ビジネススキルが身についているかも評価されていると考えたほうがいいでしょう。
第二新卒の弱み
逆に、第二新卒には弱みになりうるポイントもあります。しかし、事前に弱みを把握しておくことで、弱みと思わせないように工夫することもできます。ここでは、「早期退職していること」「社会人経験の少なさ」を、ネガティブに考えないための方法をご紹介します。
早期退職していること
早期退職は、「嫌なことがあったらすぐに辞めてしまうのでは?」「忍耐力がないのではないか」と、マイナスに捉えられる可能性があります。しかし、早期退職している事実を隠すことはできません。そのため、採用担当者の不安を解消する材料を用意しておくことをおすすめします。
早期退職した事実は変わらないので、それ以外のことで継続していることを具体的なエピソードにしておきます。例えば、大学時代にサークル活動を4年間ずっと意欲的に取り組んだことやアルバイトの経験、趣味やスポーツのことでもいいでしょう。「なんでもかんでもすぐに辞めてしまう人間ではない」ということを、採用担当者に印象づけることが大切です。
自分を正当化するために、早期退職した理由を外的要因に求めるのは絶対にやめましょう。具体的には、前の会社や上司への悪口、待遇などの職場環境に対する不満です。採用担当者に、「この人はうちの会社に入っても同じことを言うだろうな」と思わせてしまいます。
社会人経験の少なさ
社会人経験の少なさも、変えることのできない事実です。しかし、先ほどご紹介したマイナビのアンケート結果では、第二新卒を採用する企業は、「入社意欲の高さ」や「一緒に働ける人材か」「社内と合いそうな人柄か」という点を重視しています。「語学力」「資格」というスキルは、あまりフォーカスされていません。
つまり、企業が第二新卒の採用を行っている時点で、社会人経験が少ないことは百も承知ということです。経験の少なさを弱みと捉えるのではなく、これからいろいろなチャレンジをする余地があると目線を変えるようにしましょう。
転職活動のときの3つのコツ
最後は、第二新卒者が転職活動をするときの3つのコツをご紹介します。求人数が多い「時期」を押さえること、転職の「目的」を明確にすること、「自己分析」を徹底することがポイントです。
転職しやすい時期を押さえる
転職の求人が多く出やすい時期は、1~3月と7~9月の期間です。まず、1~3月に求人が増える理由は、4月が年度初めであり、新卒者の入社時期であるためです。日本の企業においては、4月に一番人の異動が活発になります。退職者、新卒入社の辞退者などが出ることで、第二新卒に限らず求人が出やすいです。
また、7~9月に求人が増える理由は、9月が決算となる業界があることや、異動や転勤が多いこと、夏のボーナスを受け取って離職する人がいることなどが考えられます。
転職する目的を明確にする
第二新卒を採用するときに採用担当者が見ているのは、「入社意欲の高さ」や「志望動機」です。つまり、「なんとなく今の会社の待遇が不満」「仕事にやる気が出ない」「とりあえず転職しよう」という甘い気持ちでは採用してもらえません。
今の会社を辞めることがゴールならいいですが、採用してもらうことをゴールと考えると、新卒採用のときと同じように自己分析や企業・業界研究を行って、「自己PR」と「志望動機」を考え抜く必要があります。
【転職する目的例】
- 〇〇の分野でより専門性を高めたい
- ~という経験をきっかけに、〇〇に強く関心を抱き仕事にしたいと思った
- これまで仕事をする中で、〇〇という課題意識が生まれた
明確にするポイントは、「なぜ会社を辞めたか」「なぜ志望している会社に入社したいか」「入社後どのようなことができるのか」の3点です。この3点を突き詰めて考えることで、転職の目的がはっきりしてきます。もし、はっきりしてこないようであれば、転職しても今と変わらない状況になる可能性が高いです。
経験の少なさをカバーする材料を作る
経験の少なさをカバーする材料を作ることは、徹底的に「自己分析」と「企業・業界研究」をすることにつながります。経験の多い・少ないは、相手によって変わる相対的なものです。コンサル一筋20年の人に比べたら、第二新卒はみんな経験が少ないですし、10年間勤務した中途採用の人でも経験が少ないということになります。
大切なのは、経験が少ない中で、自分がどのような失敗をして、何を学び、どのような実績を上げてきたのかを客観的に理解できていることです。これができていれば、第二新卒の採用において、経験の多い・少ないは大した問題にはならないでしょう。
まとめ
第二新卒とは、学校を卒業後、新卒入社してから数年で退職した人を指すのが一般的です。厚生労働省のデータでは、大卒で約32%、短大卒などで約41%、高卒で約39%、中卒で約62~67%が入社後3年以内に離職しています。そう考えると、第二新卒は決して珍しいことではありません。積極的に採用している企業も60%以上あります。
第二新卒としての強みと弱みを把握して、転職する目的を明確にすることが、未来につながる転職になるでしょう。
参考
第二新卒はいつまで?企業が積極採用する理由と転職成功のポイント|PASONA
第二新卒って一体何? 実は転職しやすい時期だった!?|マイナビ転職
第二新卒とは?新卒・既卒との違いを理解して就職活動を進める方法|CREATIVE VILLAGE
第二新卒のメリット・デメリットを徹底分析!デメリットをアピール材料に変える方法とは?|ビズノート
第二新卒が転職しやすい時期と失敗しない転職にする成功知識9選|キャリズム