平成30年度からの新しい採用方法
平成30年度の採用から、最終合格者になった後に、自分が希望する労働局で採用面接を受ける仕組みが加わりました。これまでは全国転勤が当たり前の労働基準監督官でしたが、自分の住んでいる地域の近くの労働局を志望して採用してもらうことができます。
(参照元:平成30年度労働基準監督官採用試験2018|厚生労働省,P4)
平成31年度以降のキャリアパス
労働基準監督官は、採用後3年目と13年目に各2年間、採用された労働局以外の労働局へ異動します。しかしそれ以外は、採用された労働局内の労働基準監督署を2~3年ごとに異動して勤務するのが一般的です。
キャリアパスの流れは、現場で経験を積み、昇進していきます。課長級になると、労働基準監督署のチームの責任者や管理者として力を発揮することになります。キャリアパスの例は、下記の図のとおりです。
(参照元:2019年度労働基準監督官採用試験パンフレット|厚生労働省,P11)
また、厚生労働省で勤務する場合は、7年目以降のキャリアパスにおいて、労働基準監督署で勤務する場合と比べて昇進の段階に違いが出るようです。
(参照元:2019年度労働基準監督官採用試験パンフレット|厚生労働省,P11)
労働基準監督官の福利厚生
労働基準監督官の福利厚生を、「有給休暇制度」「育児休暇制度」の2点から解説します。また、実際に労働基準監督官として働いている先輩のメッセージもご紹介します。採用後にどのようなライフプランを描くことができるかを考えながら、ご覧になってください。
有給休暇制度
労働基準監督官の有給休暇は、毎年1月に20日分が付与されます。入省した初年度は、4~12月の間で15日間の有給休暇を取ることができます。取り切れなかった分は翌年に持ち越すことができ、最大で1年間に40日間の休暇を取得することができます。
また、労働局ではマンスリー休暇を推奨しており、1ヶ月に少なくとも1日の有給休暇を取得するようにしています。そのため、比較的有給休暇を取りやすい環境と言えるでしょう。
有給休暇以外にも、夏季休暇や結婚休暇、忌引休暇、産前産後休暇の特別休暇制度が整っています。
参考
育児休暇制度
労働基準監督官を含む厚生労働省は、女性の育児休暇取得率が100%で、男性の育児休暇取得率も高いことで知られています。平成30年度の男性の育児休暇取得率は53.5%で、人事院の61.5%に次ぐ取得率の高さです。ちなみに、平成29年度は42.7%で、一番高い取得率となっています。
この取得率の高さは、子育てと仕事を両立することができる支援制度によります。育児休業は、子供が3歳になるまで取得することができます。ほかにも、育児短時間勤務や業務軽減などの制度があります。
(参照元:2019年度労働基準監督官採用試験パンフレット|厚生労働省,P18)
参考
先輩労働基準監督官の声
最後は、実際に労働基準監督官として仕事をしている先輩方の声をご紹介します。
入省直後の監督官には約3ヶ月間の長期にわたる中央研修期間が与えられています。この間に実務に必要となる法律の知識を基礎から学ぶことができるため、理系出身の方でも若手のうちから第一線で活躍できます。監督官は現在社会的に話題となっている長時間労働に関する問題を解決するための重要な役割を担っていると思います。そのため、時には厳しい思いをすることもありますが、本当にやりがいのある仕事です。
(引用元:安全衛生業務|岡山労働局)
労働局はとても働きやすい職場だと思います。最初の頃、慣れない環境で緊張していましたが、気さくに話しかけて下さる方が多く、今では楽しく毎日を過ごしています。そんなアットホームな職場で、みなさんと一緒に働ける日を楽しみにしています。
(引用元:庶務業務|岡山労働局)
子どもの年齢などに合わせた育児と仕事の両立支援制度があること、また制度を利用することについて周囲の理解があるという点では、女性も働きやすい職場だと思います。実際、女性で活躍される先輩方が多くいらっしゃり、大変励みになっています。
(引用元:2019年度労働基準監督官採用試験パンフレット|厚生労働省,P16)
責任ある仕事なので、制度が整っているという理由だけで目指すことはおすすめできません。しかし、私生活を大切にしつつ責任感を持って仕事に取り組みたいと思っている人にとっては、働きやすい環境が用意されているでしょう。
まとめ
労働基準監督官は、以前は労働基準監督署がある全国に転勤することがありました。しかし、平成30年度の採用から、希望する労働局で採用面接を受けることができるようになりました。そのため、3年目と13年目で各2年間の異動はありますが、採用された労働局の労働基準監督署で仕事をするのが一般的となっています。
また、有給休暇の取得が推奨される職場であり、育児休暇制度も充実しています。このあたりは、労働者を守ることを仕事にしている労働基準監督署として、適正な職場環境を作る努力がされています。今回の記事が、労働基準監督官のキャリアパスについて知るきっかけになれば幸いです。
参考
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