労働基準監督官採用試験情報
労働基準監督官採用試験は、国家公務員試験の1つです。試験は、筆記式の一次試験と個人面接・身体検査からなる二次試験に分かれています。受験資格、試験科目、採用までのスケジュールを確認していきましょう。
受験資格
労働基準監督官の採用試験を受けるには、下記のどちらかの条件に合致している必要があります。
- 受験年度の4月1日時点の年齢が21歳以上30歳未満の者。
- 受験年度の4月1日時点の年齢が21歳未満の者で、次に掲げる者。
(1)大学を卒業した者および受験年度の3月までに卒業する見込みのある者。
(2)人事院が(1)と同等の資格があると認める者。
また、日本の国籍を有していない者や、国家公務員法第38条で国家公務員になることができない者は受験できません。
参考
試験科目
試験は、筆記試験と、面接・身体検査があります。一次試験は、すべて筆記形式で「基礎能力試験」「専門試験(選択問題)」「専門試験(記述問題)」の3つの項目に分かれます。
専門試験では、法文系の労働基準監督Aは「憲法」「行政法」「経済学」「労働経済」「社会学」などから選択します。一方で、理工系の労働基準監督Bは「数学」「物理」「化学」など工学に関する科目の中から選択します。二次試験では個別面接が行われ、それ以外に一般的な身体検査が行われます。
(参照元:2019年度国家公務員労働基準監督官採用試験|人事院)
採用までのスケジュール
採用試験は、インターネットの受付開始が3月末、一次試験が6月前半、二次試験が7月中旬、最終合格発表が8月中旬から後半となります。参考に、2019年度の試験日程をご紹介します。
(参照元:2019年度国家公務員労働基準監督官採用試験|人事院)
労働基準監督官採用試験の対策法
労働基準監督官採用試験の詳しい内容と、対策方法をご紹介します。受験する区分が、労働基準監督A・Bのどちらかで対策すべき内容も異なりますので、ご自身がどちらに興味関心・適性があるかも考えながらご覧になってください。
基礎能力試験科目対策
基礎能力試験科目は、一次試験の2/7の配点を占める試験科目です。出題形式は多肢選択式となり、労働基準監督A・Bともに共通の科目となります。
問題数と解答時間 | 出題分野 | 問題内容 |
40題
2時間20分 |
知能分野 27題 | 文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈 |
知識分野 13題 | 自然・人文・社会(時事を含む) |
(2019年度国家公務員労働基準監督官採用試験|人事院より筆者作成)
こちらは、教養試験と言われるものと同じなので、公務員試験用の教養問題集に沿って学習していきましょう。配点は知能分野が多くなっており、特に「文章理解」の出題数が多いため、現代文と英文は早い段階で学習を進めていきましょう。また、時事問題も含まれていますので、日頃から幅広いニュースを読むことをおすすめします。
労働基準監督Aの専門試験科目対策
専門試験科目は、多肢選択式と記述式の2つの試験に分かれます。労働基準監督Aは、「労働法」と「労働事情」を中心に、憲法や行政法などの法律、経済学、社会学の分野からの出題となります。
記述式は、1,000文字程度で論述回答します。労働基準監督A・Bどちらも、必須の1題に加えて、もう1題はいくつかの選択肢から選んで論述回答することなります。
試験種目 | 問題数と解答時間 | 配点 | 問題内容 |
多肢選択式 | 40題
2時間20分 |
3/7 | 必須 12題
労働法、労働事情(就業構造、労働需給、労働時間・賃金、労使関係) 選択 28題(36題の中から選択) 憲法、行政法、民法、刑法、経済学、労働経済・社会保障、社会学 |
記述式 | 2題
2時間 |
2/7 | 労働法
労働事情(就業構造、労働需給、労働時間・賃金、労使関係) |
(2019年度国家公務員労働基準監督官採用試験|人事院より筆者作成)
労働基準監督Aにとって必須の「労働法」は、「労働基準法」と「労働組合法」から出題されます。過去問を徹底的に行えば、解けるようになるでしょう。まずは、過去問の分析をすることをおすすめします。
また、労働事情は「労働経済白書」「厚生労働白書」「労働力調査」など、国が発表している最新のデータをチェックしておくようにしましょう。
労働基準監督Bの専門試験科目対策
労働基準監督Bは、工学系の基礎を中心に、工業事業や労働事情の分野からも出題があります。理工系と言われるだけあって、理工系の基礎知識がないと難しいでしょう。
試験種目 | 問題数と解答時間 | 配点 | 問題内容 |
多肢選択式 | 40題
2時間20分 |
3/7 | 必須 8題
労働事情(就業構造、労働需給、労働時間・賃金、労使関係、労働安全衛生) 選択 32題(38題の中から選択) 工学に関する基礎(工学系に共通な基礎としての数学、物理、化学) |
記述式 | 2題
(4~6題出題) 2時間 |
2/7 | 工業事情
工学に関する専門基礎(機械系、電気系、土木系、建築系、衛生・環境系、応用化学系、応用数学系、応用物理系などの工学系の専門工学に関する専門基礎分野) |
(2019年度国家公務員労働基準監督官採用試験|人事院より筆者作成)
工学に関する専門基礎では、物理、数学、化学の順で出題数が多いです。数学では、行列、微分、積分、統計は頻出です。物理では、力学と電磁気学の分野からの出題が多いです。
人物試験対策
人物試験とは、個人面接のことです。こればかりは、1人で対策を練るだけでは力が伸びにくいでしょう。大学のキャリアセンターの方や公務員試験予備校の講師の方に相手をして頂いて、面接に慣れることが大切です。
1人でできることとしては、「志望動機」と「自己PR」をきちんと言葉にして、伝えられるようにすることです。そのためには、自己分析と労働基準監督官についての知識を深める必要があります。自己分析は、どのような仕事をするにしてもやっておいて損はないことなので、早い段階から対策していくようにしましょう。
参考
まとめ
労働基準監督官採用試験は、合格率10%台の難関試験です。しかし、試験内容を分析して対策すれば合格への道は拓けます。まずは、労働基準監督Aか労働基準監督Bの試験区分を決めて、一次試験の基礎能力試験と専門試験対策を行うことをおすすめします。今回の記事が、労働基準監督官採用試験の理解を深めるきっかけになれば幸いです。
参考
労働基準監督官採用試験の難易度、合格率、倍率|キャリアガーデン
【労働基準監督官の倍率】俺のサイトも見てよ(泣)ボーダーが下がってるらしいよ!|公務員講座に払う金があったら旅行にでもいってこい
【労働基準監督官の資格】倍率10倍って本当?試験内容は?|Job Q
【労働基準監督官】採用試験の合格法を解説!|はじめての公務員試験