労働基準監督官の待遇
労働基準監督官になった後はどのような生活をすることになるのか、「採用後の研修スケジュール」「若手労働基準監督官の一日」「転勤」の3つの観点からご紹介します。
採用後1年間のスケジュール例
労働基準監督官は、採用後に1年間の研修期間が設けられています。採用された労働監督署と労働大学校での中央研修を交互に行い、10月中旬以降は、半年間学んだ内容を、実際に配属される労働監督署にて実践していきます。
(参照元:労働基準監督官採用試験2019|人事院,P17)
研修では、主に法令に関する知識、産業の安全衛生に関する知識を学んでいきます。この研修制度の手厚さから見ても、労働基準監督官の仕事は非常に責任のある仕事であると分かります。
若手労働基準監督官の一日
労働基準監督官になって3年目の若手の一日のスケジュールをご紹介します。
時間 | スケジュール | 詳細 |
8:15 | 出勤 | 始業は8:30からです。 |
8:30 | 署内会議 | 1ヶ月間の予定確認や担当している事案の対応方針の打ち合わせなどを行います。 |
9:00 | 臨検監督に出発 | 臨検とは、労働現場での法規の遵守状況を確認しに行くことです。 |
9:30 | 建設現場での臨検監督 | 労働者がより安全に作業を行えるように指導を行います。 |
11:00 | 是正勧告書の交付 | 現場で法違反があった場合は是正勧告書を交付し、是正勧告の内容を説明します。 |
12:00 | 昼休み | |
13:00 | 監督指導の報告書作成 | 午前中に行った監督指導の結果を報告書にして上司に報告します。 |
14:00 | 窓口で相談対応 | 労働監督署に訪れる労働者や使用者からの相談を受けます。 |
15:00 | 司法捜査 | 繰り返し指導を行っても是正しないという悪質な事案がある場合は、捜査を行います。 |
16:30 | 上司に相談 | 業務について悩みがある場合は上司に相談してアドバイスをもらいます。 |
17:15 | 終業 |
(平成31年度労働基準監督官採用試験パンフレット|厚生労働省,P15より筆者作成)
ほかにも、電話相談に対応したり、企業の労務担当者向けに労働基準法の説明を行うという業務があります。
転勤の有無
労働基準監督官は、基本的に採用された労働局内を約2・3年ごとに異動することになりますが、3年目と13年目は採用された労働局外の労働局で各2年間勤務することになっています。ただし、13年目からの他局勤務については、結婚、出産、育児、介護などの理由があれば、他局勤務の時期を前後に移動させることができます。
採用5年目以降は労働局での勤務も経験します。また、採用3年目以降は、厚生労働省で勤務する選択肢を選ぶこともできます。
まとめ
労働基準監督官は国家公務員となるので、日本で生活するには十分な年収を得ることができるでしょう。ボーナスも平均で130万円(35歳)支給され、地域手当や残業手当、扶養手当など、福利厚生も整備されています。
また、採用後には1年間の研修で必要な知識を身につけることができ、転勤も計画的で柔軟性があります。今回の記事が、労働基準監督官の年収だけでなく、採用後の生活をイメージする参考になれば幸いです。
参考
21 生涯賃金など生涯に関する指標 |独立行政法人労働政策研究・研修機構
【税金泥棒!?】労働基準監督官の年収・ボーナスってそんなに高いの?|公務員講座に払う金があったら旅行にでもいってこい
【労働基準監督官の給料】年収・ボーナス・退職金・生涯年収を全てまとめました。|次席合格元県庁職員シュンの公務員塾