労働基準監督官の仕事内容
労働基準監督官には、さまざまな仕事内容があります。現職の労働基準監督官の方がどのような使命感を持って仕事に向き合っているかを知ることで、労働基準監督官への理解を深めていきましょう。
4つの仕事内容
労働基準監督官の仕事は、大きく分類すると下記の4つです。
仕事区分 | 仕事内容 |
監督指導業務 | 労働基準法や労働安全衛生法などに基づいて、労働関係者の労働条件を調査する業務。法違反が認められる場合は、行政処分を行うこともある。 |
安全衛生業務 | 労働安全衛生法などに基づいて、労働関係者の安全と健康を確保するための指導を行う業務。労働災害が発生した場合は、原因究明を行い、再発防止の指導を行う。 |
司法警察業務 | 監督指導業務の結果、法違反を是正しないなどの案件に対して、司法警察官として取り調べなどの任意捜査、強制捜査などを行う業務。 |
労災補償業務 | 労働者災害補償保険法に基づき、調査を行った上で保険給付を行う業務。 |
労働基準監督官の仕事は、法律に基づいて、より良く働くための環境を整える重要な役割であることが分かります。
先輩労働基準監督官の声
労働基準監督官のインタビューを通して、現職の労働基準監督官の方々がどのような気持ちで仕事に向き合っているかをご紹介します。
一人でも多くの労働者が安心・安全・健康に働くことが出来る社会を作るために監督指導に尽力することが労働基準監督官の使命だと思います。S
被災者やその家族を悲しませないために、労働安全衛生の専門的知識を生かして事業主に対し的確に指導し、労働者の安全と健康を守ることが私たちの使命です。
(引用元:2019年度労働基準監督官採用試験パンフレット|厚生労働省,P7)
「労働」という生きていくために切り離すことのできない活動が、安全に、健康的に行われるように、使命感を持って仕事に向き合うのが労働基準監督官という職業です。
参考
労働基準監督官に求められる資質
最後は、労働基準監督官に求められる3つの資質をご紹介します。労働基準監督官には、法に基づいた「冷静で客観的な判断力」、人と接する上で大切な「コミュニケーション能力」、変化し続ける業界や法の知識をアップデートする「学ぶ意欲と向上心」が必要です。
冷静で客観的な判断力
労働基準監督官の仕事は、行政処分や司法警察官として送検を行うこともある業務です。そこには、法律に基づいた冷静で客観的な判断力が必要不可欠です。
経営者の話に同情してしまうようなときでも、「安心・安全・健康」を守るために、時にはシビアな判断をしなければならない場面もあるでしょう。
コミュニケーション能力
労働基準監督官というのは、コミュニケーションを密に取らなければならない仕事です。労働環境がどのような状態なのかは、そこで働く人に話を聞いてみないと分かりません。
労働基準法や労働安全衛生法などの法的な知識、会社の業界知識なども重要ですが、人と接する仕事である以上、相手から話を聞き出す能力や、伝えたいことを相手に確実に伝える力は必要です。
学ぶ意欲と向上心
労働基準監督官は、どんな業界の会社ともやり取りをします。採用後、1年間もの研修があることからも分かりますが、労働基準監督官は多くの情報を扱うため、確かな専門知識を必要とします。
研修を終えた後も、業務に当たる中で、業界の知識や変化する法律の知識をどんどんアップデートしていく必要があります。そんな労働基準監督官には、学ぶ意欲と向上心は必須の資質と言えるでしょう。
まとめ
労働基準監督官の採用試験は、合格率10%台の難関です。試験内容は、筆記試験の一次試験と個人面接の二次試験に分かれています。採用後に1年間研修があることからも、労働基準監督官になるには知識が豊富にあることが必要不可欠だということが分かります。今回の記事が、労働基準監督官の採用情報や仕事内容の理解につながれば幸いです。
参考
労働基準監督官採用試験の難易度、合格率、倍率|キャリアガーデン
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