【最新版】労働基準監督官の採用情報と先輩の声!必要な資質も紹介! - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

労働基準監督官の採用試験は、毎年3,500名以上が申込み、合格率が10%台の難関国家公務員試験となっています。試験で問われる知識も専門的で、採用後も1年間の研修があります。今回の記事では、労働基準監督官の採用情報全般と仕事内容、求められる3つの資質についてご紹介します。

労働基準監督官の採用情報

労働基準監督官は国家公務員であり、採用情報は人事院のホームページに詳しく公開されています。ここでは、受験資格・採用区分、採用試験の内容と合格率、試験日程と採用後の研修日程をご紹介します。

受験資格と2つの区分

労働基準監督官の採用試験を受けるには、下記の2つのうちどちらかの条件に合致している必要があります。

  1. 受験年度の4月1日時点の年齢が21歳以上30歳未満の者
  2. 受験年度の4月1日時点の年齢が21歳未満の者で、次に掲げる者
    (1)大学を卒業した者及び受験年度の3月までに卒業する見込みのある者
    (2)人事院が(1)と同等の資格があると認める者

また、日本の国籍を有していない者や、国家公務員法第38条により国家公務員になることができない者は受験できません。

労働基準監督官は、法文系の労働基準監督Aと理工系の労働基準監督Bに分かれており、どちらを希望するかで試験内容が変わります。なお、2019年度を参考にすると、労働基準監督Aの採用予定人数が200名なのに対して、労働基準監督Bの採用予定人数は60名となっており、法文系の労働基準監督Aの方が採用数が多いことが分かります。

参考

労働基準監督官採用試験|人事院

国家公務員法第38条の規定に該当する者|裁判所

採用試験の内容

試験は、筆記試験を行う一次試験と、面接や身体検査を行う二次試験があります。一次試験は、「基礎能力試験」「専門試験(選択問題)」「専門試験(記述問題)」の3つに分かれています。

専門試験では、法文系の労働基準監督Aは「憲法」「行政法」「経済学」「労働経済」「社会学」などから選択します。一方で、理工系の労働基準監督Bは「数学」「物理」「化学」など工学に関する知識が問われます。

二次試験では、個別面接が行われ、それ以外に一般的な身体検査が行われます。二次試験では配点がなく、合否の判定がされるのみです。

(参照元:2019年度国家公務員労働基準監督官採用試験|人事院

採用試験の合格率

2019年度を含めた直近4年間の合格率は、労働基準監督Aで約10~14%、労働基準監督Bで約15~24%で推移しています。申込者数が多い、労働基準監督Aの方が合格率は低いことが分かります。

【全体の実施状況】

実施年度 試験区分 申込者数 一次試験合格者数 最終合格者数 合格率
2019年度 労働基準監督A 2,703人 1,111人 379人 14%
労働基準監督B 805人 475人 194人 24%
2018年度 労働基準監督A 3,156人 1,043人 396人 13%
労働基準監督B 889人 545人 216人 24%
2017年度 労働基準監督A 2,835人 841人 339人 12%
労働基準監督B 876人 498人 139人 16%
2016年度 労働基準監督A 2,878人 668人 282人 10%
労働基準監督B 795人 417人 120人 15%

※合格率は、小数点第一位以下四捨五入。

【女性受験者の実施状況】

実施年度 試験区分 申込者数 一次試験合格者数 最終合格者数 合格率
2019年度 労働基準監督A 1,009人 397人 162人 16%
労働基準監督B 154人 88人 44人 29%
2018年度 労働基準監督A 1,137人 337人 170人 15%
労働基準監督B 159人 102人 45人 28%
2017年度 労働基準監督A 993人 258人 123人 12%
労働基準監督B 139人 68人 24人 17%
2016年度 労働基準監督A 971人 192人 101人 10%
労働基準監督B 121人 65人 26人 21%

※合格率は、小数点第一位以下四捨五入。

参考

労働基準監督官採用試験区分別実施状況2019年度|人事院

労働基準監督官採用試験区分別実施状況平成30年度|人事院

労働基準監督官採用試験区分別実施状況平成29年度|人事院

労働基準監督官採用試験区分別実施状況平成28年度|人事院

女性受験者の方が合格率が高いことが分かる一方で、理工系の労働基準監督Bの受験者数が、女性よりも男性の方が圧倒的に多いことも読み取ることができます。

採用試験日程と採用後の研修日程

採用試験は、インターネットの受付開始が3月末、一次試験が6月前半、二次試験が7月中旬、最終合格発表が8月中旬から後半となります。参考に、2019年度の試験日程をご紹介します。

(参照元:2019年度国家公務員労働基準監督官採用試験|人事院

採用後は1年間、労働大学校及び各労働基準監督署で研修を受けます。下記は、労働基準監督官のパンフレッドに載っている採用後1年間の研修日程です。

(参照元:2019年度労働基準監督官採用試験パンフレット|厚生労働省,P17

研修制度が充実していることからも、労働基準監督官の仕事の責任の重さが分かります。なお、労働大学校で実施される中央研修は、昇進の際にも行われます。