大学無償化制度の支援期間
支援期間の上限
大学無償化制度の支援期間の上限は、原則、在学する教育機関の正規の修業年限を満了するのに限必要な期間です。法律で定める各教育機関の修業年限は、以下の通りです。
大学:4年(医学・歯学・薬学の一部、獣医学に関する課程については6年)
短大:2年又は3年
高専:5年(商船に関する学科は5.5年)(※第1~3学年は、新制度の支援対象から除かれます。)
専門学校:1年以上
短大・専門学校の専攻科:1年以上
(引用元:高等教育の修学支援新制度に係る質問と回答(Q&A)|文部科学省)
なお、大学などで正規の手続きを経て休学した場合は、修業年限に加算されません。そのため、たとえば大学2年を修了してから1年間休学し、大学3年から復学した場合、休学中の1年間を除いて4年間の支援を受けられます。
パターン⑫ 大学を1年間休学
(予約採用の選考対象者の要件|文部科学省を参考に筆者作成)
転学・編入学の場合
異なる学校種間で転学・編入学した場合、カリキュラムの相違などのために学年が下がることもあります。そのような場合の救済措置として、大学無償化制度の支援期間は最大72ヶ月まで延長できます。
パターン⑬ 高専を卒業後、6年制大学の3年生に編入学
(支援期間について|文部科学省を参考に筆者作成)
パターン⑭ 短大を卒業後、6年制大学の2年生に編入学
(支援期間について|文部科学省を参考に筆者作成)
パターン⑮ 大学3年生を修了し、専門学校の2年生へ転学
(支援期間について|文部科学省を参考に筆者作成)
パターン⑯ 大学で3年生を修了し、違う大学の3年生に編入
(支援期間について|文部科学省を参考に筆者作成)
パターン⑰ 大学を卒業後、違う大学に学士入学
無償化支援を受けられるのは、大学を卒業するのに必要な修業年限です。大学を卒業後、別の大学に学士入学する場合は、支援を受けられません。
(支援期間について|文部科学省を参考に筆者作成)
大学院生や社会人の学び直しは対象外
今回の制度は、大学院生や、大学を卒業し社会へ出た後に学び直す場合は、支援を受けられません。短大や専門学校を卒業した人は20歳過ぎれば収入を得て社会人としての役割を果たすことをかんがみ、目安として20~21歳が支援開始の最も遅いタイミングとしているようです。
まとめ
今回の大学無償化制度の支援対象は、住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生です。支援を受けるには、所得要件や学業要件を満たした上で、状況により微妙に異なる年齢要件も満たす必要があります。さらに、学校に対する要件もあるため、志望校や在学中の学校が、制度の対象校として認定されているかどうかも確認しましょう。
参考
学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度|文部科学省
高等教育の修学支援新制度に係る質問と回答(Q&A)|文部科学省