大学無償化の支援は何歳まで受けられる?年齢制限を徹底解説! - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

2020年4月から大学無償化制度が始まります。今回の制度の対象者には、所得要件・学業要件があることは広く報道されていますが、年齢制限もあることをご存じですか? しかも、状況によって支援を受けられる年齢が少しずつ異なります。この記事では、大学無償化制度の年齢制限について詳しく解説します。

もくじ

大学無償化制度【予約】採用の年齢制限

無償化制度の申し込みには、大学入学前に行う「予約採用」申請と、大学入学後に行う「在学採用」申請の2種類あります。まず、予約申請の年齢制限を見てみましょう。

高校卒業生・既卒者・浪人生

高校を卒業した生徒は、卒業した年度の末日から2年間、無償化の予約申請を行うことができます。つまり、満20歳で迎える3月31日が予約申請の期限です。

パターン① 高校在学中に予約申請

予約採用の選考対象者の要件|文部科学省を参考に筆者作成)

パターン② 高校卒業から2年以内に予約申請

予約採用の選考対象者の要件|文部科学省を参考に筆者作成)

高卒認定試験合格者

高校を卒業せず、高卒認定試験合格を経て大学を受験する人もいるでしょう。高卒認定試験合格者が大学入学前に無償化の予約申請を行う場合、以下2つの条件をどちらとも満たす必要があります。

  • 高卒認定試験の受験資格を取得する年度の初日から5年以内に高卒認定試験に合格
  • 高卒認定試験に合格した年度の末日から2年以内に、大学無償化制度の予約採用を申請

高卒認定試験の受験資格は、受験日の属する年度の3月末日までに満16歳となった全ての人のうち、高校を卒業していない人に与えられます。つまり、2020年度の高卒認定試験を受けられるのは、2021年3月31日までに満16歳となる人です。「受験資格を取得する年度の初日」とは、満16歳になる年度の4月1日を指します。その日から5年以内なので、つまり満20歳の3月31日までに、高卒認定試験に合格することが最初の要件です。

なお、例外として、高卒認定試験受験資格取得から5年を過ぎた場合でも、学修意欲が認められれば大学無償化制度の対象として認定されることがあります。

2つ目の要件では、例えば2020年8月に高卒認定試験に合格した場合、2020年3月31日から2年以内、つまり2022年3月31日までに無償化の予約申請を行う必要があります。

パターン⓷ 満20歳で迎える3月31日までに高卒認定試験に合格。合格年度末から2年以内に無償化の予約申請

予約採用の選考対象者の要件|文部科学省を参考に筆者作成)

パターン④ 満20歳の3月31日以降に無償化の予約申請を行い、学修意欲が高いと認められた場合

年齢制限は絶対的なものではなく、エッセイや面接などで学修意欲が高いと認められれば、例外的に支援対象となることもあるとしています。始動が遅れた子供にも起死回生のチャンスを与えるということでしょう。

予約採用の選考対象者の要件|文部科学省を参考に筆者作成)

大学無償化制度【在学】採用の年齢制限

在学採用の申請は、新入生やすでに大学などに在学中の学生が行います。

高校卒業生・既卒者・浪人生

高校を卒業し、大学入学後に無償化の申請を行う場合、高校を卒業した年度の翌年度末(満19歳の3月31日)から2年以内(満21歳の3月31日まで)に大学に入学することが条件となります。

パターン⑤ 高校卒業後すぐに大学入学

予約採用の選考対象者の要件|文部科学省を参考に筆者作成)

パターン⑥ 高校卒業の翌年度末から2年以内に大学入学

予約採用の選考対象者の要件|文部科学省を参考に筆者作成)

高卒認定試験合格者

高卒認定試験合格者が、大学入学後に無償化制度の在学採用の申請を行う場合、以下の2つの条件をどちらとも満たす必要があります。

  • 高卒認定試験の受験資格を取得する年度の初日から5年以内に高卒認定試験に合格
  • 高卒認定試験に合格した年度の翌年度の末日から2年以内に、大学無償化制度の予約採用を申請

2つ目の要件は、例えば2020年8月に高卒認定試験に合格したとすると、翌年度末(2022年3月31日)から2年以内なので、2024年3月31日までに大学へ入学した人が対象となります。

なお、予約採用の場合と同様、高卒認定試験の受験資格取得年度初日から5年以上経過している場合でも、学修意欲が認められれば支援対象として認定されることがあります。

パターン⑦ 満20歳の3月31日までに高卒認定試験に合格。合格年度の翌年度末から2年以内に大学入学

 

予約採用の選考対象者の要件|文部科学省を参考に筆者作成)

パターン⑧ 満20歳の3月31日以降に無償化の在学申請を行い、学修意欲が高いと認められた場合

予約採用の選考対象者の要件|文部科学省を参考に筆者作成)

海外の高校を卒業した帰国子女

日本の大学受験資格は、海外の学校で12年間の課程を修了した場合にも得られます。海外の高校を卒業するなどした帰国子女も、一定要件を満たせば、無償化制度の支援を受けることができます。その場合、海外の教育機関で12年目の課程を修了した年度の翌年度末から2年以内に、日本の大学などへ入学することが必要条件となります。

パターン⓽ 海外の教育機関で12年の課程を修了し、その翌年度末から2年以内に日本の大学へ入学

予約採用の選考対象者の要件|文部科学省を参考に筆者作成)

飛び入学者が飛び入学した大学を中退し、違う大学に入学

高校卒業前に大学に飛び入学した学生は、高校卒業要件も高卒認定試験合格要件も満たしていません。そのような学生が、飛び入学した大学を中退し、違う大学に入学する場合は、高校に在学しなくなった年の翌年度末から2年以内に、新しい大学へ入学することが条件となります。

パターン⑩ 飛び入学した学生が飛び入学した大学を中退し、高校に在学しなくなった年度の翌年度末から2年以内に違う大学に入学

予約採用の選考対象者の要件|文部科学省を参考に筆者作成)

大学個別の審査により入学した学生

上述のいずれのパターンにも当てはまらず、大学個別の審査によって特別枠で入学した学生も、所得や学業要件を満たせば大学無償化支援を受けることができます。その場合、満20歳になる年度の末日までに大学へ入学することが条件となります。

パターン⑪ 満20歳の3月31日までに特別枠で大学へ入学し、大学無償化の在学採用を申請する場合

予約採用の選考対象者の要件|文部科学省を参考に筆者作成)