検察庁との違いは?
警察庁と警視庁の仕事内容が大きく違うことは前述しましたが、犯罪捜査を行うという点においては、検察庁も似たような仕事内容になっています。警察との大きな違いは、警察が証拠を集めて捜査や逮捕などを行うのに対し、検察官は警察から引き継がれた被疑者が本当に犯罪を犯したのかどうか、起訴もしくは起訴猶予を決める権限を持っているという点です。
裁判にかけることができるのは警察ではなく検察であるため、警察がいくら犯人だと確信を持っていても、検察官の判断によっては釈放されることもあります。密接に関わって働く警察庁と検察庁ですが、仕事内容や必要な知識には大きな違いがあります。
警察庁・警視庁・検察庁で働くためには?
「将来は警察官になりたい」「検察庁で働きたい」という方は、どのような進路選択をすればいいのでしょうか。警察庁・警視庁・検察庁で働くために必要な資格や方法についてご紹介します。
警察庁で働く主な方法
警察官として警察庁に入庁するためには、国家公務員採用I種試験(法律・経済・行政)もしくは国家公務員採用II種試験(行政)に合格し、警察庁に採用される必要があります。どちらも難関試験といわれていますが、警察庁に採用されるためには、合格者の中でもさらに上位の成績を取る必要があるといいます。大学への進学を考えている場合は、法学部で法律について学び、英語の知識なども身につけると良いでしょう。
事務系などの総合職、科学研究所などの技術系職、一般職への就職など、希望する部署によって採用条件も異なります。大学や警察庁などで説明会を開催しているため、一度参加してみてください。
警視庁で働く主な方法
警視庁で警察官として働くためには、採用試験に合格する必要があります。受験資格には年齢制限が設けられており、高校もしくは大学を卒業し、35歳未満の人が受験資格を得ることができます。採用試験は2次試験まであり、身体検査では要件を満たす必要があります。採用試験に無事合格した後は、全寮制の警察学校で6~10ヶ月、警察官として必要な知識やスキルを学び、研修終了後に警察署へ派遣となります。
検察庁で働く主な方法
検察官になるためには、年齢や学歴などの制限はないものの、法科大学院修了の有無などによっては試験の種類が異なることがあります。司法試験に合格し、司法修習を終えて検事としての資格を得るという流れが一般的な方法といえるでしょう。
司法試験は、裁判官・検察官または弁護士を目指す人にとって必要な知識や応用能力の有無を判定するための試験で、非常に難易度が高いといわれています。検察庁では法についての知識が必要になるため、専門機関などで勉強し、司法試験に備えるという方も多いようです。
気になる年収はどれくらい?
警察庁や警視庁で働いた場合、年収はどれくらいになるのでしょうか。仕事内容や部署によって年収額も異なりますが、目安としては警視庁の初任給が21~25万円、年収約300万円以上で、働いている年数や役職などによって昇給があるようです。
警察庁は、夜勤などがない分、警視庁で働く警察官よりは年収が低いといわれています。また、検察官の場合も国家公務員となるため、年数や役職などによって差があるようです。初任給は検事20号で23万円程度とされています。
参考
採用案内(警察官) | 採用情報 | 平成31年度警視庁採用サイト
警察庁と警視庁は仕事内容が大きく異なる
警察庁と警視庁は名称が似ていることから、仕事内容などの違いについてはあまり認識されていないかもしれません。警察庁は国家の警察機関として、警察全体の防犯対策や刑法の運用、規則の企画立案などを中心に行っており、現場捜査よりも事務処理が多い機関となります。
一方で、警視庁とは東京都を担当している警察のことをいい、都民や国民の安全を守っています。今回の記事で2つの組織の違いについてよく理解し、自分はどちらの道を進みたいのか、将来の進路を考える際にぜひ役立ててください。
参考
警視庁と警察庁の違いは?図でわかりやすく説明! | 違いはねっと