自分のどういった面が企業で活躍できるのかを説明する
課題探しも大切ですが、まずは自分の一番の利点を説明しましょう。行動力がある人なら行動力を、計画性なら計画性、作業にミスが少ないことなども利点の一つです。
いくつか自分の良い所があると主張できる人は、エントリー先の企業が最も重視するであろうポイントを探しましょう。また、読み手に納得感を与えるために、具体的なエピソードを書き添えることもおすすめします。「読み手は自分のことを全く知らない人だ」ということを念頭に置いて、知らない人にも想像してもらいやすいエピソードを選び、具体的に解説しましょう。
書きたいことは1点に絞ろう
「自己PRは計画性について書こう。でも、それだけじゃ弱いかもしれない。ほかのことも書いた方がいいかな?」と、書いているうちにこんな迷いも出てくるかもしれません。しかし、そこはぐっと我慢して、話題を絞って書きましょう。
自己PR欄に限らず、エントリーシートの記入欄は文字数制限があります。たくさんの要素を詰め込むと内容が箇条書きのようになり、読み手を納得させる文章にできません。企業の求める人材像と勘案して、一つの要素に絞って自己PRしましょう。
「これまでに頑張ったこと」などとはどう違うの?
「学生時代に頑張ったことを教えてください」などの質問と自己PRは、とても似ているように感じます。「頑張ったことだって必死に考えて捻り出したのに、これ以上PRすることが見つからないよ……」と思っている人は、どのように自己PRを書けば良いのでしょうか。
「これまで」は過去に自分が実行し、考えたこと
「これまでに頑張ったこと」は、すでに完了した出来事です。そのときに自分がどう考え、何を努力したのかは、終わったからこそ簡潔にまとめることができます。
「頑張ったこと」というと実績ばかりが気になってしまうかもしれませんが、「このときはうまくいかなかったけど頑張った」というものもあります。振り返りや反省の機会としても捉えることができるわけです。
自己PRには「これから」のことを踏まえた内容を書こう
一方、自己PRは入社後の自分を見据えて書いた方が良いでしょう。「これまではこうだった。その結果、こういうことが分かった。それを踏まえて今後はこうしていきたい」という意思です。
もちろん過去に成し遂げたことは大切ですが、仕事を始めると、それまで経験したことのない出来事にたくさん出会うでしょう。これまでの蓄積だけに頼るのではなく、新しいことをどう取り入れて進んでいくのか、その姿勢が評価されると考えましょう。
ここまで読んでも、「それだけでは地味すぎて不安」という人もいるかもしれません。しかし、企業側は、どこでも目立つことができて華々しいエピソードを持つ人だけを採用したがっているわけではありません。三井物産株式会社人事の古川氏は、対談で以下のように発言しています。
今の就職活動はすごい情報戦になっています。そして情報戦になっているがゆえに、あまりにも準備をしすぎてしまう学生が多い。私たちは何も、面接の達人を採用しようと思っているわけではありません。そこを見極めるのが大変ではありますね。同時に内定を取るための準備としていろんな情報を集めるのは、本質的には何か違うんじゃないかとも思っています。
(引用元:大企業も気づいていた!平成の新卒採用はやっぱりおかしい│日経ビジネス)
地道に探していけば、自分に合う企業はきっと見つかります。周りに流されず、自分の物差しで就職活動をすることも大切です。
まとめ
自己PRに悩む人は、「どうやったら書けるかな?」と企業の採用情報をしっかり読み直します。「私の話を聞いてください!」と積極的に主張できる人とは違うかもしれませんが、その分、企業が求めるものをより深く理解できる可能性があります。自分の可能性を信じて、就職活動に取り組んでみてください。
参考
大企業も気づいていた!平成の新卒採用はやっぱりおかしい | 日経ビジネス