賞罰欄の「罰」に書く内容
賞罰欄の「罰」に書く内容は、刑罰となりますので、書き漏らした場合には告知義務違反に問われることもあります。ただし、裁判中の案件や少年犯罪歴などは書く必要がありません。ここでは、書く必要がある「罰」と、書く必要がない「罰」をそれぞれご紹介します。
書く必要がある罰
書く必要がある罰は、刑法を犯し、有罪になった刑罰です。懲役、禁固刑、罰金刑などが含まれます。また、交通違反では、比較的重い違反に対して切られる赤切符を受けてしまうと書く必要があります。
赤切符は、6点以上の点数が付けられる違反で、免許の停止処分の対象となります。刑事上の責任としては、裁判が行われ、その結果で罰金刑や懲役刑が課されます。いわゆる、前科がある状態となります。赤切符を切られる交通違反は、一般道路で時速30km以上のスピード超過(高速道路では時速40km以上のスピード超過)、無免許運転、飲酒運転などが該当します。
赤切符を切られるような交通違反でない限りは、履歴書に記載する必要はありません。しかし、1つだけ例外があります。それは、希望する職種が、ドライバー職の場合です。ドライバー職は、運転をすることが仕事であるため、交通違反や事故歴は仕事に関わる重要事項とみなされます。そのため、軽い交通違反歴でも告知義務が発生します。
仮に履歴書で書かなかったとしても、面接時や採用前に「運転記録証明」の提出を求められます。運転記録証明は、過去5年・3年・1年の交通違反、交通事故、運転免許の行政処分について記録した証明です。運転記録証明は、タクシー免許の申請や更新の際に参照されます。これらのことから考えても、ドライバー職を希望する場合は、交通違反や交通事故についても履歴書段階で伝えておいた方が、お互いにメリットがあるといえるでしょう。
年 | 月 | 賞罰 |
平成○ | ○ | 傷害罪 懲役○年 執行猶予○年 終了 |
平成○ | ○ | ○○違反で罰金刑 |
参考
書く必要がない罰
では、逆に書く必要がない「罰」はあるのでしょうか。ここでは、大きく7つに分類してご紹介します。
書く必要がない罰 | 理由 |
裁判中の事件 | 裁判中の事件は有罪が確定したわけではないので、履歴書に書く必要はありません。 |
不起訴になった事件 | 不起訴になった事件も有罪判決を受けていないため、履歴書に書く必要はありません。 |
執行猶予になった事件 | 執行猶予になった事件は、猶予期間が過ぎれば、刑は消滅します。つまり、執行猶予期間が終われば履歴書に書く必要はありません。 |
少年犯罪歴 | 未成年時の犯罪歴である少年犯罪歴は、履歴書に書く必要がありません。 |
比較的軽い交通違反 | 比較的軽い交通違反(一般的には青切符まで)は、行政罰であり、刑事上の責任は問われないため履歴書に書く必要はありません。 |
懲戒解雇 | 懲戒解雇は、刑罰ではないため、履歴書に書く必要がありません。 |
効力が消失した前科 | 懲役刑、罰金刑において告知義務が消失する期間があります。懲役刑では、服役し、刑期が満了してから10年以上経過したら消失します。また、罰金刑では、支払い後5年以上経過したら消失します。前科は残りますが、告知義務はなくなるため、効力が消失した前科は履歴書に書く必要はありません。 |
簡単にまとめると、履歴書の賞罰欄に書く「罰」は、刑罰で有罪が確定していることのみを書きます。そのため、上記の7つの場合は、履歴書の賞罰欄に書く必要はなくなると考えられます。
賞罰がない場合の記入方法
上記の場合以外、つまり賞罰がない場合は、賞罰欄に「なし」と書くようにします。
年 | 月 | 賞罰 |
なし | ||
以上 |
まとめ
履歴書に賞罰を書く際は、「賞」であれば全国や国際レベルでの受賞歴や人命救助などによる感謝状の表彰歴が挙げられます。一方、「罰」に関しては、有罪が確定した刑罰を書く必要があります。少年犯罪歴や告知義務が消失した場合などは書く必要がないため、履歴書に不利な内容をあえて書かないように注意しましょう。このことから、特に賞罰がない場合、書く必要がない場合は、あらかじめ賞罰欄がない履歴書を購入することをおすすめします。
参考
履歴書の賞罰には何を書く?賞罰なしと書いて良い?賞罰の書き方を徹底解説!|エン転職
賞罰欄の書き方|マイナビ転職
履歴書の賞罰欄はどう書くの?転職で失敗しない記載例と注意点|ミドルシニアマガジン
履歴書の学歴・職歴欄の正しい書き方と内容|doda
履歴書の賞罰はどう書く?記入例と「罰」の基準|転職Hacks
履歴書の「賞罰」欄の書き方(書き方見本付き)|リクルートエージェント