新卒一括採用廃止!これからの就活はどうなるの?問題点と今後の対応 - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

日本の新卒採用といえば、同時期に選考をスタートし、おおよそ同時期に内定、そして入社をしていきます。しかし、そんな一括採用のスタイルが廃止される流れになっています。当たり前だった新卒一括採用がなくなったら、どんなことが起こるのでしょうか? 当記事では、新卒一括採用の廃止について、その理由や廃止後の対応などをご紹介していきます。

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新卒一括採用はいつ廃止になる?

新卒一括採用が廃止になるのは、2021年に新卒として入社する学年です。これについて、2018年10月の日本経済新聞では、以下のように報じられています。

経団連は9日、大手企業の採用面接の解禁日などを定めた指針を2021年春入社の学生から廃止することを決定した。今の指針は大学3年生が該当する20年入社が最後の対象になる。

(引用元:新卒一括採用、転機に 経団連が就活ルール廃止発表|日本経済新聞

2021年に新卒として入社する予定の、いわゆる「21卒」の学年の就職活動から一括採用が廃止される見込みです。大学生であれば、2020年の4月に4年生になる学年であり、一括採用の廃止はもう間近に迫っています。

なぜ廃止?新卒一括採用の問題点

今や日本の新卒採用のスタイルとして、深く根付いている一括採用。廃止にするということは、それなりの理由があるはずです。いったい、どのような点が問題視されているのでしょうか?

(1)「一括採用」をしない企業がある

新卒一括採用の問題点の1つ目は、「一括採用をしない企業がある」ということです。そもそも新卒の就職活動の期間については、内閣府や文部科学省などから要請が出されます。

例えば、2020年3月に卒業を迎える学生の就職活動については、「2020年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請について」の中で以下のように記されています。

学生が学修時間を確保しながら安心して就職活動に取り組むことができるよう、就職・採用活動の日程については、次のとおりとしていただくようお願いいたします。

  •  広報活動開始    :  卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
  •  採用選考活動開始  :  卒業・修了年度の6月1日以降
  •  正式な内定日    :  卒業・修了年度の 10 月1日以降

(引用元:2020年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請について|一般社団日本経済団体連合会

しかし、これは通称「経団連」と呼ばれる日本経済団体連合会に加盟している企業を対象としたものです。加盟していない企業の中には、それぞれの開始日を待たずに採用活動を行なっている所もあるというのが現状です。ぜひ入社してほしい! という学生には複数の企業からアピールが届き、上記の就活解禁日よりも早く就職活動を終わらせてしまうケースもあります。

そんな中で、上記の要請に従っている企業は良い人材の獲得が不利になってしまいます。この格差をなくして平等に新卒採用を行うことが、一括採用を廃止する理由の1つです。

(2)社会の変化スピードに合っていない

新卒一括採用の問題点の2つ目は、「社会の変化スピードに合っていない」ということです。急速なIT化、グローバル化に対して、新卒一括採用という仕組みは変わらぬままです。変化し続ける時代の流れの中で、これまで方法では新人研修が間に合わないという所も出てきています。

新卒採用は、職種・業界未経験の状態で社会人デビューを迎える新卒者がたくさんいます。未経験の人材をいちから教育しつつ、会社の利益は上げ続けなければいけません。より速いスピードで成長できる人や、即戦力となる人を採用できるような仕組みを取り入れていく必要があるのです。

(3)「横並び人材」を作り出してしまう

新卒一括採用の問題点の3つ目は、「横並び人材を作り出してしまう」ということです。一括採用された新卒社員には、たくさんの同期がいます。社会人未経験の新卒社員たちは、同じ研修を受けて育っていきます。その結果、スキルが横並びになり、それぞれの個性や能力を持った社員が成長しにくくなるという一面があります。

一括採用の時期よりも早く内定をもらっている学生の中には、学生時代から開発に携わったり、研究で大きな結果を残せる学生もいます。そのような学生は、例え一括採用の学生と入社日が同じであっても、入社時点で他より抜きん出た能力を持っています。

真にスキルを持った学生を採用するためにも、一括採用を廃止しようという動きが出てきたのです。