時代遅れ？【新卒一括採用】学生＆企業へのメリット・デメリットとは - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

新卒一括採用｜企業へのメリット

新卒の一括採用は企業側にもメリット・デメリットをもたらしています。まずは企業へのメリットからご紹介していきます。

新卒一括採用が企業側へもたらすメリットの1つには、「研修や教育を一括して実施することができる」という点が挙げられます。新卒採用はポテンシャル採用であるため、入社時点では新入社員の間に大きなスキルの差はありません。入社後の配属先を決定するまでは、一斉に新入社員研修を行うという会社も多いでしょう。

中途入社の場合はスキルや経験に違いが生じるため、一度に研修を行うことはなかなかできません。しかし新卒を一括で採用すれば、研修や教育の時期を集中させ、効率良く指導することができるのです。

また「初任給を一律にできる」という点も、新卒一括採用が企業側へもたらすメリットとして挙げられます。中途入社であれば、前職までの経験や年齢を考慮した給与が支払われます。しかし、同時に入社してきた新入社員たちはみな「社会人未経験」なのです。初任給を一律に設定でき、査定の手間を省くことができます。

学歴によって差別化され、新卒の給与に差がつくことも多いでしょう。一般的に初任給は、大卒よりも大学院卒の方が高くなっています。しかしあくまでも個人の能力ではなく、学種によって金額が定められているのです。

反対に、新卒一括採用は企業にデメリットをもたらすこともあります。どのようなデメリットがあるのか、2つご紹介していきます。

新卒一括採用が企業側に与えるデメリットの1つ目は、「中途採用の市場が発展しづらい」ということです。新卒社会人を一定の時期に一定数採用することで、ある程度の社員数を確保することができます。とはいえ、みな社会人未経験者なのです。即戦力とはならず、じっくりと育てていくことが必要になります。

一方で即戦力を採用したい場合には、中途採用を行います。しかし日本では転職が必ずしも良い印象を与えるとは限らず、転職市場が発展しづらい傾向が見られます。企業からすれば、本当に欲しい即戦力となる人材を確保できず、地道に若手を育成していくことが求められるのです。

新卒一括採用が企業側へもたらすデメリットの2つ目は、「良い学生を弾いてしまうこともある」ということです。ご紹介したように一括採用では、エントリーや選考の期間が限られてしまいます。その結果、留学中の学生や海外の大学に通っていて卒業が9月度である学生などは対象者から弾かれてしまうことがあるのです。

上記のような学生は特にグローバルな視点や経験を持っています。本来このような学生を採用したいと思っていても、希望の入社時期に入社できないなど条件が合わない可能性があるのです。

上記のデメリットでご紹介したように、新卒一括採用には一長一短あります。特に学生にとっては就職の時期やペースがルール化されてしまっているということ、企業にとっては即戦力となる優秀な人材のキャリア採用がはかどらないことなどは大きな問題点といえるでしょう。

そのほかにも、新卒で入社した学生の早期離職率の高さも挙げられます。将来性を見込んで教育・研修を重ねても、離職されてしまっては企業にとって痛手です。キャリアや柔軟性をより重視した採用が望まれ、まさに改革が進められているところなのです。

これまでは当たり前だった新卒の一括採用という制度。しかし時代の変化とともに、採用市場の需給も変わってきています。まずは一括採用とはどのような制度なのかを見直すことで、現在の新卒採用市場について考えることができるでしょう。

一方で、新卒の一括採用にはメリットも見受けられました。必ずしも悪いものではないため、良い点は生かしつつ変革させていく必要があります。今後の変更に注目しながら、新卒採用についての理解を深めていきましょう。

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