ボーナス支給額が高い業種は?
新卒時のボーナスの金額は、企業によって異なります。加えて業種によっても、ボーナスの額の高低には傾向が見られます。
それでは、ボーナス支給額が高い業種とはいったいどのような業種なのでしょうか? 今回は厚生労働省が発表している「毎月勤労統計調査-平成30年9月分結果速報等」をもとに、ボーナス支給額の高い業界を5つご紹介します。
(1)電気・ガス業
ボーナス支給額が高い業種の1つ目は、電気・ガス業界です。厚生労働省の発表によると、平成30年の電気・ガス業界の夏季賞与の支給平均額は73万4,210円となっています。当調査で分けられている16の業種グループの中でも、群を抜いて高い金額となっています。
新卒への支給額ではありませんが、電気・ガス業界の平均的なボーナスの額が高いことは間違いありません。新卒時の金額が低いとしても、今後に期待できる業界であると言えるでしょう。
(2)情報通信業
ボーナス支給額が高い業種の2つ目は、情報通信業です。厚生労働省の発表によれば、平成30年の夏季賞与の平均額は69万1,269円でした。電気・ガス業界に続いて、2番目に高い金額となっています。新卒への支給額ではないものの、こちらも高い水準となっています。
情報通信業は大手の上場企業も多く含まれており、学生に人気の業界の1つです。初任給や新卒のうちの給与には満足できなくても、近い将来に高水準のボーナスの支給が望めるかもしれません。
(3)学術研究等
ボーナス支給額が高い業種の3つ目は、学術研究等の業界です。厚生労働省の発表によると、平成30年の平均夏季賞与支給額は63万2,595円でした。上記の2業種に次いで、3番目に高い金額となっています。
専門的な知識が求められる分野であるため、新卒で入社する学生は特に自分の興味のある分野の研究に携わることができます。自らの探究心を高めながらも、いずれはもらえるボーナスの額に胸を躍らせる人もいるのではないでしょうか。
(4)金融・保険業
ボーナス支給額が高い業種の4つ目は、金融・保険業界です。こちらも同様の厚生労働省発表の資料によれば、平成30年の夏季賞与の平均支給額は55万312円でした。前年度より10%以上支給額が減少してしまいましたが、それでも大きな金額です。
金融・保険業界の特徴として、一般職採用と総合職採用に分かれやすいという点が挙げられます。一般職の場合、新卒の月給は低くてもボーナスはしっかりと支給される、という企業もあるでしょう。総合職の場合はインセンティブなどが設けられている職種もあり、ボーナスにさらに上乗せされる金額を励みに日々の仕事に取り組む、という人も多いでしょう。
(5)建設業
ボーナス支給額が高い業種の5つ目は、建設業です。厚生労働省の資料によれば、平成30年夏季賞与の平均支給額は52万341円でした。平成29年度と比較すると約23%増えており、年によって支給額に差が生じる可能性があります。
建設業はさまざまな職種に分かれており、職種によってボーナスや昇給の額が異なる可能性もあります。新卒時に差はなくても、キャリアを重ねていくにつれて職種ごとにボーナスや年収に差が生じていくこともあるでしょう。
参考
表2 平成30年夏季賞与の支給状況|毎月勤労統計調査 平成30年9月分結果速報等 厚生労働省
【学歴別】新卒のボーナス額は?
初任給や新卒のボーナス額を左右する項目の1つに、学歴も挙げられます。学歴は異なっていても、同じ社会人1年目同士。いったい、新卒のボーナスは学歴によってどの位差が生まれるのでしょうか? 今回は高卒と大卒の新卒ボーナス額を比較していきます。
高卒の新卒ボーナス額
最初に、高卒新卒のボーナスの金額についてです。前掲の産労総合研究所の調査によれば、高卒新卒への夏季賞与・または一時金の平均支給額は6万9,064円という結果になりました。
ご紹介したように、新卒は夏のボーナスを満額もらえるとは限りません。寸志が支給される場合、高卒新卒には約7万円が支給されるという企業も多いでしょう。
大卒の新卒ボーナス額
一方で、大卒新卒はいくらもらうことができるのでしょうか? 産労総合研究所による同調査では、大卒新卒への夏季賞与・一時金の平均的な支給額は8万7,636円という結果を得ています。
同じ新卒であっても、大卒は高卒よりも2万円ほど夏のボーナス額が高い傾向があります。ボーナスだけでなく初任給も異なる場合があり、新卒時は高卒よりも大卒の方が多くの給与を得ることができるでしょう。
おわりに
業界や学歴によって、ボーナスの金額には違いがあります。しかし数年後には状況が変わっていたり、活躍して大きく昇給している可能性だってあるのです。新卒時のボーナス額だけで今後の給与変動を考えることは難しいでしょう。
ボーナスは日々の頑張りや評価に対して支給されます。新卒1年目の夏は寸志しか支給されなくても、冬以降は自分の頑張りに応じたボーナスを受給できるようになっていきます。ボーナスを励みの1つとして頑張れるよう、新卒1年目の期間を大切に過ごしましょう。
参考
ボーナスの使い道は貯蓄だけじゃない!「思い切った」使い道とは!?|type
「2019年 冬の賞与(ボーナス)」実態調査 ―『engage』アンケート―|エン・ジャパン
賃金構造基本統計調査 / 平成30年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種|e-Stat
【1年目はボーナスなし?】新入社員のボーナス事情を解説します|jobQ
公務員1年目(新規採用)の夏冬ボーナスはいくら?支給日はいつ?|元公務員による公務員の情報提供サイト
新入社員のボーナス平均は?いつからもらえる?|転職Hacks