就活生が年収以外で見るべき点
手元に残る金額を見ると、さらに「初任給から給与の高い会社に行かなければ!」と焦ってしまう人もいるかもしれません。しかし初任給や新卒時の年収以外にも、就職先を選ぶ際に着目すべき点はいくつかあります。年収以外にどのような点を見るべきか、3つの例をご紹介します。
(1)基本給の額
年収以外で見るべき点の1つ目は、「基本給の金額」です。初任給がいくら高くても、残業代が数万円含まれていては労働時間が長くなってしまいます。高いように見える月給の中には残業代が多く含まれているため、高く見えてしまう企業もあるのです。
企業によっては「ボーナスは基本給の2ヶ月分」などと規定されている場合があります。実際に支給される基本給が低ければ、ボーナスの金額も低くなってしまう可能性があるでしょう。初任給や想定年収などが高い場合は、その内訳まで確認するようにしましょう。
(2)社員の定着率
年収以外で見るべき点の2つ目は、「社員の定着率」です。給与の高い企業は、どうして高い賃金を支払うことができるのでしょうか? もちろん業績が良いために、高い水準の給与が支払われる企業もたくさんあります。その反面、社員が定着しないために高い賃金で人材を確保しようとしている企業もあるのです。
初任給や年収をベースに就職先を見定めることは大切です。しかし、「この企業はなぜこの金額の賃金を支払えるのか?」と疑問に思うこともときには必要になります。
(3)給与の昇給額
年収以外で見るべき点の3つ目は、「給与の昇給額」です。初任給はあくまで新卒の最初の月給です。年に一度、あるいは数度昇給が行われる企業であれば、2年目の時点では初任給よりもいくらか月給が上がっていることでしょう。これによって、年収も新卒時から上がっていきます。
また初任給が低くても、昇給額が大きければ数年後の給与がほかの業種よりも高くなる企業もあります。特に年功序列型の企業であれば、長く働けば年収が上がりやすい仕組みになっています。必ずしも新卒時の年収だけで、今後の自分の年収の変動を判断すべきではないのです。
おわりに
新卒1年目は、自分が決めた就職先で自分で働いてお金をもらう初めての年です。初任給はもちろん年収も気になり「本当にこの会社でいいのかな?」と悩んでしまう人もいるでしょう。
しかし、新卒時の年収と同じ金額をこれから先ずっともらうわけではありません。目先の年収だけでなく、自分のやりがいや昇給額なども考慮して、ベストな就職先を選びましょう。
参考
「給料が高くて新卒が辞めない会社」TOP200|東洋経済ONLINE
学歴別|平成30年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省
平成30年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給|厚生労働省
平成30年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:3 主な産業別にみた初任給|厚生労働省
NECが「新卒でも年収1000万円」制度を導入した真意|日経ビジネス
【新卒の年収ランキング】気になる初任給の手取り額についてもご紹介|就活の未来
【大卒】初任給ってどれくらいが平均なの?~これを基準に企業を探そう~|センパイの就活