第二新卒の採用状況
既卒や新卒と似ている用語として「第二新卒」というものがあります。現在、企業の注目が集まっている第二新卒について、言葉の定義や企業の採用実態を見ていきましょう。
第二新卒の定義
マイナビジョブ20’sによると、第二新卒は以下のように定義されているそうです。
第二新卒とは、一般的に学校を卒業後、一度就職をしたが数年の内に離職し、転職活動をする若手求職者を指します。
(引用元:第二新卒とは | マイナビジョブ20’s)
つまり、20代後半位が主な第二新卒の年齢といえるでしょう。既卒との違いは、一度は企業に就職した経験があるということです。
厚生労働省の調査によると、2016年3月に大学を卒業して就職した学生のうち約32%が3年以内に離職しています。労働力が不足している企業にとってはこのような第二新卒の市場は非常に魅力的といえるのではないでしょうか。
参考
新規学卒者の事業所規模別・産業別離職状況 大学,p4 | 厚生労働省
第二新卒に対する企業の採用意欲
企業において、中途採用は増加傾向にあります。リクルートワークス研究所の行った中途採用実態調査(2018年度実績、正規社員)によると、1社あたりの平均中途採用人数が2017年実績では1.46人であったのに対し、2018年実績では1.61人となったそうです。
さらに、企業の多くは中途採用を行う年齢層として20代から30代の若手にフォーカスしており、第二新卒に対する期待は高いといえるでしょう。
(参照元:中途採用実態調査(2018年度実績、正規社員),p4 | リクルートワークス研究所)
参考
中途採用実態調査(2018年度実績、正規社員)p3,p4 | リクルートワークス研究所
第二新卒と既卒どっちが有利?
一度就職してから転職を目指すべきか、それとも既卒として就職を継続するべきか悩んでいる人もいるでしょう。ここでは第二新卒と既卒、それぞれのメリットとデメリットを考えていきましょう。
第二新卒のメリット・デメリット
まずは第二新卒のメリットです。なんといっても第二新卒の強みは、一度就職して一定の教育がすでに完了していることです。人を教育するには時間もお金もかかります。ある程度の教育が済んでおり、経験年数が短いため勤めていた企業の組織風土にもそれほど染まっていない人材というのは企業側にポジティブな印象を与えます。また、社会人を経験していることで志望動機などもより具体的になっている場合も多いでしょう。
一方で、企業からはすぐ辞めてしまうのではないかという危機感を持たれやすくもあります。そのため、入社の意思をアピールすることが重要となるでしょう。また、企業は第二新卒には基礎的なビジネスマナーやスキルが備わっていることを期待しているため、自身ができること、できないことを正直に伝えなければ、入社後に苦労することになるでしょう。
既卒のメリット・デメリット
既卒の強みとしては、若さと会社の組織風土に染まっていないことによる育てやすさが挙げられます。また、正社員としての就職経験がなくとも派遣社員やアルバイトでの業務経験は、同業他社であれば評価される可能性もあるそうです。
一方でデメリットとしては、何故新卒で入社できなかったのかという疑念を企業に持たれる点です。真面目に就職活動をしなかったのではないかなど、ネガティブな印象を持たれることもあります。
すでに紹介したように、既卒として就職活動を行う場合は、新卒で就職をしなかった理由を説明するとともに、就職活動に失敗したのであれば、その経験を企業にどう伝えるかが重要となってくるでしょう。
参考
就活では第二新卒や既卒も新卒扱いされる? | ハタラクティブ
まとめ
今回は、新卒とは何かについてご紹介しました。企業の採用が多様化したとはいえ、既卒と比較するとまだまだ新卒の採用が有利であることには変わりないようです。
就職においてはなるべく新卒で就職し、自身の希望する企業や業界がある場合は、第二新卒として就職の機会を探る方が良いのではないでしょうか。
参考
3年以内既卒者は新卒枠で応募受付を!!~「青少年雇用機会確保指針」が改正されました~ |厚生労働省
いつまでが新卒扱い? 既卒の学生が企業に就職するための方法 | JOBRASS新卒
「2019年度マイナビ既卒者の就職活動に関する調査」を発表 | PRTIMES
既卒枠と新卒枠。卒業後3年以内の既卒はどっちが有利? | ハタラクティブ
既卒を受け入れてくれる企業は増加傾向にある | エージェントBOX
既卒とは? 既卒の就職は難しい!? 既卒就活で内定を得る方法とは? | マイナビ転職