英検のCSEスコアって?概要やスコアの見方、メリットについて紹介 - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

2016年より、英検にCSEスコアが加わりましたが、CSEスコアとはどのようなものなのでしょうか。CSEスコアは、「Common Scale for English」の略で、英検の成績を国際的な尺度で計ることを目的に開発された指標となります。CSEスコアが加わったことで英検がどう変わったのか、スコアの見方やメリットについてご紹介します。

英検CSEスコアについて

実用英語技能検定、通称「英検」は50年以上の歴史があり、日本で最も受検者の多い英語技能試験といわれています。小学生~高校生、社会人など、幅広い世代が受検しており、1級から5級までの7つのレベルに分かれています。試験の結果は合格・不合格という形で通知されていましたが、2016年から英検にCSEスコアが加わり、合否だけでなくそれぞれの技能の細かなスコアが測定可能となりました。

CSEスコアの概要

「英検CSEスコア」とは、国際的なスコア尺度であるCSEを英検の各級で表記したものをいいます。CSEスコアを参照することで、受検者の英語力や英語技能の成長度を分かりやすく確認することができるため、英語学習の指針として役立てることができます。

英検CSEスコアは国際標準規格CEFRにも対応しており、英語の4技能であるリーディング・リスニング・スピーキング・ライティングのスコアとトータルスコアの両方の採点が可能となります。そのため、英検の成績表では合否だけでなく、級ごとの技能別スコアも確認することができます。5級と4級はリーディング・リスニング・スピーキングテストの3技能が、3~1級は、ライティングも含めた全4技能のスコアが表示されます。

CSEスコアが導入された理由

2020年からは本格的に英語の4技能重視の教育改革がスタートしますが、CSEスコアが導入されるきっかけとなったのは、グローバル化が進んでいることが理由として挙げられます。

英語は世界共通語となりつつありますが、海外ではTOEFLやIELTSなど、さまざまな英語の技能試験があります。これらの技能試験は、移民審査や大学入試の受験資格・条件として使われるなど、それぞれの国のニーズに合わせて開発されたものです。

しかし、国ごとの基準ではなく、国際的に統一された基準が必要となってきたことから、英語の国際標準規格としてCEFRが誕生しました。CEFRは英語に限定した基準ではなく、あらゆる言語に適用することができます。

日本で馴染み深い「英検」は、日本独自の国内向けの技能試験であったため、国際標準を意識した試験ではなく、技能も一部の上級試験を除いてリーディングとリスニングの2技能に限定されていました。そこで、英検の測定方法を世界基準に対応させるために英検CSEスコアが取り入れられることになったのです。

CSEスコアのメリットは?

英検は級ごとに試験を受けるシステムですが、CSEスコアが導入されたことで、以前のように合格・不合格といった検定結果だけでなく、各技能のレベルを細かなスコアとして測定することが可能となりました。スコアの基準は全級共通となっているため、試験の回数を重ねるごとに成績の変化を客観的に見ることができます。

また、CEFRに対応したほかの資格試験のスコアとの比較も可能となり、TOEICを受けたらどれくらいの点数が取れるかといった予測も立てやすくなりました。

たとえ不合格だったとしても、合格に必要な合格ラインまでの距離が分かりやすくなるため、目標設定がしやすいというメリットもあります。新しい成績表には「英検CSEのトータルスコア」「英検CSEの技能別スコア」「合否ポジションを示す英検バンド」の主に3つの項目が表示されています。

英検バンドとは?

英検バンドとは、CSEスコアをもとに合格ラインまでの距離を分かりやすく表示したもので、例えば英検バンドに「+1」の表示があれば合格基準点よりもやや上のスコア、「+4」なら合格基準点を大幅に上回る高スコアと判断することができます。もし「-1」なら合格点まであと一歩、「-4」なら合格点に達成するためにしっかりと勉強する必要があるなど、目標が立てやすくなります。

英検バンドの表記方法は1~5級までそれぞれ、G1、GP1、G2、GP2、G3、G4、G5と表示され、GはGrade(成績)、PはPre(準)を意味しています。合格ラインからの差が+/-で表示されるため、英検バンドによって受検者のモチベーションを高めることができます。

CSEの計算方法は非公開

CSEスコアの計算方法ですが、各回の全答案採点後に統計的手法(※Item Response Theory)によってスコアが算出されています。そのため、1問ごとの配点は事前に決まっておらず、たとえ同じ正答数であっても、回次が違えばスコアも異なります。

統計的手法では、テストにおける受験者の応用パターンを導いてテストの結果を比較するため、もし素点が分かっていたとしても、CSEスコアがいくつになるかを判断することはできません。素点の正答率とCSEスコアはまったく別だということを覚えておきましょう。