【例題つき】漢検2級の試験内容と配点
漢検2級に合格するためには、試験内容や出題傾向をしっかりと把握し、練習問題などを解いて試験対策をしておくことが大切です。ここでは、平成30年度第1回の漢検2級の検定問題をもとに、漢検2級の試験内容や配点などをご紹介します。
漢字の読み
漢字の読みをひらがなで書く問題で、配点は30点(1点×30問)となっています。音読みと訓読みの正しい理解力が問われます。以下の問題にチャレンジしてみましょう。
【漢字の読み問題例】
次の___線の漢字の読みをひらがなで書きましょう。
1 国民の期待を双肩に担って出場する。
2 横柄な態度に反感を覚える。
3 象牙の鍵盤の古いピアノを所蔵する。
4 空港で厳重な検疫を受ける。
5 故郷を出奔して行方をくらました。
(引用元:平成30年度第1回日本漢字能力検定試験問題2級|公益財団法人日本漢字能力検定協会)
【解答】
1 そうけん
2 おうへい
3 ぞうげ
4 けんえき
5 しゅっぽん
漢字の読みに出てくる漢字は、私たちが日常生活でよく目にしたり読んだりしている漢字なので、漢検2級の問題の中でも比較的解きやすい問題と言えるでしょう。
漢字の書き取り
カタカナを漢字に直す問題です。配点は合計50点(2点×25問)。過去の問題例をいくつか見てみましょう。
【漢字の書き取り問題例】
次の___線のカタカナを漢字に直しましょう。
1 公共の施設をカクジュウする。
2 デイスイしてろれつが回らない。
3 積もり積もったオンネンを晴らす。
4 住民税のトクソク状が届いた。
5 お百度参りをしたごリヤクがあった。
(引用元:平成30年度第1回日本漢字能力検定試験問題2級|公益財団法人日本漢字能力検定協会)
【解答】
1 拡充
2 泥酔
3 怨念
4 督促
5 利益
よく見たり聞いたりする言葉は、読めても書けない漢字が意外と多いものです。特にパソコンやスマートフォンの漢字変換機能をよく使用していると、少し難しく感じるかもしれません。
部首・部首名
漢字の部首名を答える問題です。配点は10点(2点×10問)です。部首を識別して、漢字の構成の意味を理解しているかどうかが問われます。
【部首の問題例】
次の漢字の部首を書きましょう。
- 串
- 梨
- 師
- 唾
- 奈
【解答】
- たてぼう(l)
- きへん(木)
- はば(巾)
- くちへん(口)
- だい(大)
参考
平成30年度第1回日本漢字能力検定試験問題2級|公益財団法人日本漢字能力検定協会
【送り仮名の問題例】
次の___線のカタカナを漢字1字と送り仮名(ひらがな)に直しましょう。
1 手をタズサエて苦難を乗り越える。
2 牛乳がスッパクなっている。
3 ヤギが飼育員にナツイて離れない。
(引用元:平成30年度第1回日本漢字能力検定試験問題2級|公益財団法人日本漢字能力検定協会)
【解答】
1 携え
2 酸っぱく
3 懐い
対義語・類義語
対義語(意味が反対の言葉)と類義語(意味が似ている言葉)を問われる問題です。配点は20点(2点×10問)。対義語・類義語の問題はマークシート方式となっており、比較的点のとりやすい問題と言えるでしょう。
【漢検2級レベルの対義語】
- 絶賛 ⇔ 酷評
- 尊敬 ⇔ 侮辱
- 記名 ⇔ 匿名
(引用元:漢検3級「対義語・類義語・の問題1|漢字検定WEB問題集)
【漢検2級レベルの類義語】
- 飢餓 → 飢渇
- 辛抱 → 忍耐
- 検討 → 吟味
(引用元:漢検2級「対義語・類義語」問題|漢字検定WEB問題集)
同音・同訓異字
同じ読みのカタカナを、それぞれ違う漢字で書く問題です。配点は20点(2点×10問)。同じ読み方で異なる意味と漢字の言葉が、2つセットで問題になっています。実際に問題を見ていきましょう。
【同音・同訓異字の問題例】
次の___線のカタカナを漢字に直しましょう。
1 首相がオウシュウ歴訪に出発した。
2 密輸品の銃器類がオウシュウされた。
3 短期滞在サショウの申請をする。
4 経歴サショウが露見した。
(引用元:平成30年度第1回日本漢字能力検定試験問題2級|公益財団法人日本漢字能力検定協会)
【解答】
1 欧州
2 押収
3 査証
4 詐称
誤字訂正
問題の文章中に誤字が1字あるので、それを修正する問題です。配点は10点(2点×5問)。パッと見ただけではよく似ていて見つけにくい漢字もあるので、注意して文章を読む必要があります。
【誤字訂正の問題例】
海外の格安航空会社が予定していた新規株式公開は創業者の不肖事発覚のあおりで頓挫する虜が出てきた。
(引用元:平成30年度第1回日本漢字能力検定試験問題2級|公益財団法人日本漢字能力検定協会)
【解答】
肖 → 祥
四字熟語
( )の中に入る適切な語を選んで漢字に直し、四字熟語を完成させる問題です(適切な語は選択式ですが、選んだひらがなの語を漢字に直すのは記述式)。その後、出来上がった四字熟語の意味を問われる問題があります(マークシート方式)。配点は合計で30点(2点×10問、2点×5問)。典拠のある四字熟語を、意味も含めてきちんと理解しているかどうかが問われます。
【漢検2級レベルの四字熟語】
- 紳士淑女
- 汚名返上
- 奇々怪界
- 旧態依然
- 甘言蜜語
(引用元:漢検2級「四字熟語」の問題|漢字検定WEB問題集)
熟語の構成
熟語の構成を正しく理解しているかどうかを問う問題です。マークシート方式で、配点は20点(2点×10問)となっています。
熟語の構成については、以下の5つから選びます。
ア 同じような意味の漢字を重ねたもの(岩石)
イ 反対または対応の意味を表す字を重ねたもの(高低)
ウ 上の字が下の字を修飾しているもの(洋画)
エ 下の字が上の字の目的語・補語になっているもの(着席)
オ 上の字が下の字の意味を打ち消しているもの(非常)
例えば、「叱責」という言葉がア〜オのどの構成にあたるかという問題であれば、答えは「ア」となります。
(引用元:平成30年度第1回日本漢字能力検定試験問題2級|公益財団法人日本漢字能力検定協会)