押さえておきたいレポートの基本事項
大学のレポートでは、一人称の使い方以外にもいくつかの基本ルールがあります。ここでは3つピックアップしたので、1つずつ確認していきましょう。
「敬体」ではなく「常体」で書く
大学のレポートは「敬体」ではなく「常体」で書くのが原則です。敬体とは、語尾が「です・ます」となる文体のことで、ですます調とも呼ばれます。常体とは、文が「だ・である」で終わる文体のことで、「だ・である調」とも呼ばれます。
敬体は書き手と読み手の関係性を限定する効果があります。大学のレポートは学生が書き手で教員が読み手となるので、敬体でも良いように思われるかもしれません。しかし、レポートはあくまでも学術的な文書です。特定の個人ではなく、万人に対して論を展開しなければなりません。
そのため、レポートを書く際には、客観的な事実を簡潔に述べるのに適した常体を用いるのが適切です。最初のうちは、失礼な感じがして違和感を覚えるかもしれませんが、慣れてくれば問題なく書けるようになるでしょう。
文末は統一する
前述のとおり、大学のレポートは常体で書くのが原則です。ただし、敬体で書いても不自然でないケースもあります。例えば、個人的な体験や感想を書くことを求めるレポートの場合です。そのような課題で敬体を選択するにしても、文末は統一しなければなりません。
敬体と常体が混在した文章は、読み手にちぐはぐな印象を与えます。敬体・常体にかかわらず、レポートを書く際には文末の表現は統一するように心がけましょう。
「調べる」「構成する」「書く」の3ステップを念頭に
レポートをはじめとした学術文書を書く際には、「調べる」「構成する」「書く」の3ステップを念頭に置くとスムーズに執筆できます。
レポート課題が出される際には、なにかしらのテーマを与えられることがほとんどであるため、まずはその題材について書かれた論文や新聞記事などに当たって下調べをします。図書館で文献を探しても良いですし、インターネットで論文を検索してみるのも良いでしょう。そこで仕入れた情報を主張の根拠として利用することで、レポートの客観性や説得力を高めることができます。参考にした文献やWebサイトはレポートに必ず明記するようにしましょう。
課題に関連する参考文献や先行研究を収集したら、次に全体の構成を考えます。レポートで主張したいことや提示したい考えを筋道立てて書くために必要なプロセスです。論理的で明快な構成を心がけることで、レポート全体の完成度が上がります。
上記2つのステップを経てようやく書き始めることができます。主語の選択や文末表現などに気を付けながら、読み手に伝わりやすくなるよう簡潔な文章を心がけましょう。
おわりに
レポートにおける一人称の使い方や、レポートを書く際に押さえておくべき基本事項について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。一人称の使用方法をはじめとしたレポート作成の作法をしっかりと身につけておくことは、後の卒業論文や修士論文などの執筆にもつながります。この記事が、大学のレポートを書く際の参考になれば幸いです。
参考
How to Write Term Papers|G’s Lab
大学の先生に「教授ウケ」するレポートの書き方を聞いてみた!|dodaキャンパス
学術論文での一人称(I, we)使用ルール|英文校正・英文校閲ワードバイス
英語ライティングの俗説:守らなくてもよい4つのルール|Think Science