文法力:構造にバリエーションがあり、正しく使えているか
英検3級の英語力がある方は、英語の5つの基本形を使えるレベルにあります。まずは名詞の複数形や冠詞、動詞変換、ピリオドやカンマなどを正しく使い、ケアレスミスでの減点を避けましょう。
さらに英検準2級で注意したいのは、次の3点です。
- 正式な英語を使い、省略形を使わない。
- 同じ言い回しを避け、多様なパターンを適切に使う。
- 文法のミスに注意し、不完全な文章を書かない。
英検準2級のライティングは文法が正しく使えているかだけではなく、効果的に主張を伝える表現力が重視されます。
英検準2級のライティング問題を解く6つの構成
英検準2級のライティング(英作文)の構成は6つです。順番に書くことで、効果的に主張を述べることができます。構成の順番を守って、英文を「型」に当てはめて書きましょう。
【構成1】自分の意見や主張を述べる
QUESTION(質問)に対する自分の意見や主張をはっきりと最初に述べましょう。thatを省略する文章は英文法上、正しいため、英検の試験で省略して書くことができます。
語句 | 和訳 | 使い方 |
I think (that)(S+V~). | 私は~と思います。 | 賛成意見を述べる表現。 |
I believe(that)(S+V~). | 私は~を正しいと思います。 | |
I do not think (that)(S+V~). | 私は~と思わない。 | 反対意見を述べる表現。 |
I do not believe (that)(S+V~). | 私は~を正しいと思いません。 |
【構成2】1つ目の理由を述べる
自分が賛成、または反対した理由の1つ目を述べましょう。序数を使う構成がもっとも基本的定型文なのですが、英作文に慣れている場合は別のつなぎの言葉を使いましょう。
語句 | 和訳 | 使い方 |
I have two reasons.First,(S+V~). | 2つの理由があります。1つ目は、~。 | 序数を使う基本定型文。 |
(①S+V~)because(②S+V~). | (①意見)なぜなら(②理由)だからです。 | 1文目で意見と理由を述べる場合に使うつなぎ言葉。 |
One reason is (that)~(S+V~). | 1つ目の理由は~です。 | 1文目とは別途、2文目として理由を述べる時のつなぎ言葉。 |
【構成3】1つ目の理由の具体例を述べる
1つ目の理由に説得力を加えるために、具体例を挙げて説明や補足をしましょう。
語句 | 和訳 | 使い方 |
for example, ~ | 例えば~ | 具体例を挙げて補足をする時のつなぎ言葉。文頭、文中、文末のいずれの場所にもいれることができますが、使う時はカンマで区切ることに注意。 |
for instance, ~ |
【構成4】2つ目の理由を述べる
自分が賛成、または反対した理由の2つ目を述べましょう。序数を使う構成を【構成2】で使った場合は、2つ目の理由も序数を使います。がもっとも基本的定型文なのですが、英作文に慣れている場合は別のつなぎの言葉を使いましょう。
語句 | 和訳 | 使い方 |
Second,(S+V~). | 2つ目は、~。 | 序数を使う基本定型文。 |
Also(S+V~). | また~。 | 理由を追加するつなぎ言葉。 |
And(S+V~). | そして~。 | 並列した理由を追加するつなぎ言葉。 |
Another is (that)~(S+V~). | もう1つの理由は~です。 | 1つ目の理由を「One reason is (that)~(S+V~).」で述べた時に、使うのが一般的なつなぎ言葉。 |
【構成5】2つ目の理由の具体例を述べる
2つ目の理由に説得力を増すために、具体例を挙げて説明や補足をしましょう。ただし、【構成3】とは別のもう一方の語句を使い、重複した表現を避けましょう。
語句 | 和訳 | 使い方 |
for example, ~ | 例えば~ | 具体例を挙げて補足をする時のつなぎ言葉。文頭、文中、文末のいずれの場所にもいれることができますが、使う時はカンマで区切ることに注意。 |
for instance, ~ |
【構成6】再び意見や主張を述べて強調する
自分が賛成、または反対した意見や主張を再び述べることで、より自分の意見や主張を強調します。以下のつなぎ言葉の後ろに、【構成1の英文】を再度書きましょう。ただし、【構成3】とは別のもう一方の語句を使い、重複した表現を避けましょう。
語句 | 和訳 | 使い方 |
For these reasons,【構成1の英文】. | これらの理由で、~。 | 序数を使う基本定型文。 |
That is why【構成1の英文】. | それが、~といった理由です。 | これまでをまとめるつなぎ言葉。 |
英検準2級の英作文をスラスラ書ける4つの技
英検準2級のライティングの構成が分かったといっても、自分の意見や主張が書けない人もいます。そんな場合は、どうしたら英語で作文できるようになるのでしょうか。ライティングが苦手な方が抱える悩みに応じて、その解決方法を解説します。
お悩み:英語で意見を書く糸口がわからない
英語で意見を書く糸口が見いだせない人のために、意見を英文をまとめるコツをご紹介します。
文を作る技1:理由を列挙してから意見を決める
意見がまとまらない方は、最初から賛成・反対を決めないことをおすすめします。その上で、賛否両方の立場で、理由になりそうなキーワードをなるべく多く書き出しましょう。キーワードは日本語でも英語でも構いません。
いくつかキーワードが上がったら、キーワード同士を関連づけてまとめていき、賛成・反対のどちらが英語で書きやすそうかを判断します。その際、説得力のある理由が書けるかどうかも気をつけましょう。
文を作る技2:英語にしやすい日本語に直してから英訳する
意見がまとまっているのに英語で書けない方は、日本語の意訳を、英語で直訳しやすい形に直しましょう。試験では、今nまで勉強してきた自分の英文法力と表現レパートリーの範囲内で意見を言わなければなりません。うまく言おうと考えずに、内容がきちんと伝わる英単語を選んで文章を書いてみましょう。
お悩み:単語数が足りない
単語数が指定の50~60語に足りない方は、英文の内容を変えずに、語句や単語を増やしましょう。
文字数を増やす技1:つなぎ言葉を足す
つなぎ言葉として使える語句は、ライティング構成でご紹介した語句以外にもあります。単語数の多いつなぎ言葉を足して、単語数を増やしましょう。
語句 | 和訳 |
on the other hand | 一方で |
in addition | 加えて |
in fact | 事実として |
furthermore | さらに |
However | じかしながら(文頭に置ける逆接のつなぎ言葉) |
文字数を増やす技2:状況説明を足す
つなぎ言葉を使っても単語数が足りない場合は、「いつ」「どこで」「だれと」という状況説明を足しましょう。焦らずに、文脈を変えないように追加します。
まとめ
英検準2級に合格するには、英検3級に比べると格段に語彙力・英文法力の増強が必要です。とはいえ、英語は「語学」です。日本人が日本語の表現力を磨くのは日々の積み重ねが大事なのと同じように、英語の表現力を磨くのは日々の勉強の積み重ねしかありません。「習うより慣れろ」ということわざにあるように、英語を使う機会を見つけて鍛錬するのが早い上達方法といえるでしょう。
参考
準2級・3級ライティングテストについて|公益財団法人日本英語検定協会
CEFRで見る英語・外国語検定試験(2019.4.26)|英語の友
英検CSEスコアとは:仕組みと大学入試での利用法(2019.4.8)|英語の友
英検CSEスコアでの合否判定方法について|公益財団法人日本英語検定協会
準2級のライティングで求められるのは「身近な話題について短く簡単な表現で書く力」だ!|Eiken Info Box
ライティングテストの採点に関する観点および注意点(準2級)|公益財団法人日本英語検定協会
英検®︎準2級ライティングで減点されない英作文の書き方とは?(2017.4.25)|4skills
【英検準2級ライティング対策】初めてのライティングもこれで安心!3つの攻略ポイント教えます!(2017.7.23)|ESLclub
【英検3級ライティング対策】攻略のための3つのコツをお伝えします!(2017.7.23)|ESLclub
準2級のライティングで求められるのは「身近な話題について短く簡単な表現で書く力」だ!|Eiken Info Box