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「教職大学院」という制度をご存知でしょうか? 教職大学院は、教員養成に特化した専門職大学院で、社会の大きな変動に対応できる高度な教員を養成することを目的に設立されました。教員を目指している人にとってはメリットも多いといわれている教職大学院ですが、今回は教職大学院の概要やメリット、入試情報についてご紹介します。
もくじ
教職大学院とは
2020年からの教育改革など、近年は教育機関において高度な専門的職業能力が求められています。子供がいかにして学ぶ意欲を継続することができるかだけでなく、学力の低下や自主性の低下、いじめや不登校問題など、学校教育はさまざまな課題を抱えています。
こうした社会の変化や課題に対応するために、高度な専門性と力量ある教員が求められています。教職大学院では、子供に対する指導力を高められるなど、教育現場に必要なスキルを養うことができます。
教職大学院の概要
文部科学省が掲げている教職大学院の概要は、以下のとおりです。
教職大学院は、1.学部段階での資質能力を修得した者の中から、さらにより実践的な指導力・展開力を備え、新しい学校づくりの有力な一員となり得る新人教員の養成、2.現職教員を対象に、地域や学校における指導的役割を果たし得る教員等として不可欠な確かな指導理論と優れた実践力・応用力を備えたスクールリーダー(中核的中堅教員)の養成の2つを主な目的・機能としています。
(引用元:教職大学院|文部科学省)
大学の学部で学んだ知識をさらに深めることで、教育現場で必要な専門性を高めることができるのが、教職大学院の大きな特長です。
日本にある教職大学院について
文部科学省によると、日本の教職大学院は、国立大学と私立大学を含め、各都道府県に1大学以上あります。東京近郊では東京学芸大学・横浜国立大学・玉川大学・帝京大学・早稲田大学に教職大学院が設置されています。
参考
学費はどれくらい?
教職大学院の学費は、学校によって異なります。大学院は2年制となりますが、国立大学と私立大学の場合の学費を比較してご紹介します。
まずは、東京学芸大学大学院教育学研究科は、学費が年額535,800円、入学料が282,000円、入学試験検定料が30,000円で、合計847,800円となります。一方、私立の早稲田大学大学院の場合は、学費と諸会費を含めて1,393,500円となります。私立大学の方が比較的高い傾向にありますので、転入学を検討する方はあらかじめ学費の比較をしておくといいでしょう。
参考
経費 – 修士課程のご案内 |東京学芸大学大学院 教育学研究科(修士課程)
学費・奨学金 | 早稲田大学 大学院教育学研究科高度教職実践専攻(教職大学院)
教職大学院の就職率は?
教員になるためには、大学・短期大学・専門学校を修了し、教員免許を取得する必要があります。教員養成課程の学部を卒業した場合と、教職大学院を卒業した場合とでは、就職率などに差はあるのでしょうか。
国立の教員養成大学・学部の教員養成課程(44大学)と、国私立の教職大学院(45教職大学院)を対象に文部科学省が調査したところ、平成30年3月卒業者および修了者の教員就職率は、学部が67%、教職大学院が93.7%と、教職大学院の方が高い結果となっています。
参考
国立の教員養成大学・学部及び国私立の教職大学院の平成30年3月卒業者及び修了者の就職状況等について|文部科学省
教職大学院にはどんなメリットがある?
教職大学院へ進学することで、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。教職大学院は学部からの進学者だけでなく、教職経験のある教員も養成の対象となっています。標準修業年限は2年で、45単位以上が修了の要件となっており、「教職修士」の学位を受け取ることができます。
しかし、「学部の知識や経験でも十分なのでは?」「教職大学院ってそもそも何?」という方も多く、教職大学院自体の認知度は決して高くはないようです。そこで今回は、教職大学院のメリットについてご紹介します。
参考
人脈が広がる
教職大学院の専任教員の中には、都道府県から派遣された現職教員や教育委員会の関係者、公立学校の校長経験者など、豊富な実務経験を持っている方が多いといいます。さらに、10単位以上の実習が義務化されているため、実習先の学校現場で現職教員から直接アドバイスを受けることができます。それにより、在学期間中から多くの教育関係者と交流を持つことができ、人脈が広がるというメリットがあります。
人脈が広がることで、教員として現場に立つ際にも相談できる仲間が持てるようになり、精神的な支えになるでしょう。在学中に教員としての実践力を高められ、さらに同級生である現職教員の院生や指導教員、実習校の教員との交流を通して、教員としての自信を育むことができます。
指導力を高めることができる
教員には、学校での指導力が求められます。子供たちや学生たちとどのようにコミュニケーションをとるべきなのか、教員として働く方の多くが悩みを持つことでしょう。教職大学院では指導関連科目が設けられているため、それぞれの教科の指導力を高めることができます。少人数授業で相談もしやすい環境にあることから、実習を通して感じた疑問について共有することができ、教育現場で働く自分の姿をイメージしやすいというメリットもあります。