財務専門官の採用情報
最後は、財務専門官採用試験の試験内容・採用までの流れ・試験の申込方法・試験の合格率をご紹介します。実際に採用される1年前には試験の申し込みが始まりますので、試験勉強のことも考えると見通しを持って早めに対策することをおすすめします。
採用試験の内容
試験は、1次試験と2次試験の2つに分かれています。詳細は、下記の表の通りです。1次試験の合格者は、基礎能力試験と専門試験の各40題、合計80題の成績で決定します。記述式の専門試験は、1次試験合格者の評定に使われます。
(参照元:財務専門官採用試験|人事院,P2)
採用までの流れ
まず、財務専門官採用試験を受験するには、受験資格をクリアしている必要があります。受験資格は年齢・学歴・国籍が関係します。
【受験資格】
- 1989年4月2日~1998年4月1日生まれの者(2019年度採用試験の場合)=21歳以上30歳未満
- 大学を卒業した者及び、2020年3月までに大学を卒業する見込みの者、並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
- 短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び、2020年3月までに短期大学又は高等専門学校を卒業する見込みの者、並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
【受験ができない者】
- 日本の国籍を有しない者
- 国家公務員法第38条の規定により国家公務員となることができない者
受験資格を満たしている場合は、期日までにインターネットで申し込みを行います。受験の申し込みは3月末から4月前半です。
1次試験は6月に行われ、7月前半に1次試験の合否が発表されます。その後、約1週間後に2次試験が行われ、8月後半に最終合格者が発表されます。
そして、全国の9財務局か福岡財務支局に4月1日になると正式に採用されます。採用後は、財務省研修所で約2ヶ月間の研修が行われます。研修終了後は、各配属先に勤務し、実務に当たります。
参考
採用試験申し込み方法
採用試験の申し込みは、インターネット経由のみ。人事院の採用試験のページから、インターネット申込専用アドレスにアクセスします。申し込みをするには、事前登録を行う必要があります。事前登録が完了すると「事前登録完了通知メール」が届き、その後に申し込みのためのデータ入力をすると「申込受付完了通知メール」が届きます。「申込受付完了通知メール」が届いて、申し込み完了です。
また、事前登録の際に登録したメールアドレスに受験票発行通知が届きますので、メールアドレスは頻繁に確認するもので、変更しないものにしましょう。1次試験の前に受験票発行通知がメールで届いたら、早めにダウンロードしてA4用紙に印刷します。ダウンロードは試験直前になるとできなくなりますので、注意が必要です。
(参照元:財務専門官採用試験|人事院,P4)
合格率
人事院が発表している過去4年間の合格率を表にまとめました。ここ4年では受験者数が減少しているため合格率は高くなっていますが、それでも約17%で、難関ということが分かります。
年度 | 申込者数 | 第1次試験合格者数 | 最終合格者数 | 合格率 |
2019 | 2,961人 | 850人 | 526人 | 17.7% |
2018 | 3,529人 | 869人 | 526人 | 14.9% |
2017 | 4,297人 | 956人 | 527人 | 12.2% |
2016 | 4,546人 | 1,029人 | 528人 | 11.6% |
参考
まとめ
財務専門官は、財務省の出先機関である財務局に勤務する財務のスペシャリストです。財務省や金融庁から業務を委託され、市民に近いところで仕事をします。国の意向を市民に上手に伝え、市民の意見を国の政策に活かすための大切な潤滑油になる役割も担っています。財務専門官の仕事に少しでも興味があれば、関東財務局の先輩職員からのメッセージをのぞいてみるといいかもしれません。また、先輩社員訪問も申し出ればできるようなので、実際に現場を見ることをおすすめします。
参考
財政・金融のプロフェッショナル国家公務員「財務専門官」なるには?|公務員総研