経理・財務・会計の違いとは?具体例と共に分かりやすく解説します! - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 2

経理・財務・会計の具体的な業務内容と必要な資格

会計・経理の具体的な業務内容と必要な資格

会計・経理の具体的な業務内容

先にも説明したとおり、会計は大きく「管理会計」と「財務会計(経理)」の2つから成り立っています。そのため、ここでは「管理会計」「財務会計(経理)」の主な業務内容をご紹介します。

  • 管理会計の業務内容

管理会計は売上や経費などの管理・分析を行い、経営者に情報を示す業務です。具体的な業務内容は、売上管理・コスト管理・利益管理・分析などです。

さらに、これらのデータを参考に、「さらに売上を伸ばすための方法」「経費の無駄使いをしているのはどの分野か」「仕入れ先の見直しは必要か」など、会社の売上や経営をより良くする方法を考える業務も行います。

  • 財務会計(経理)の業務内容

財務会計(経理)の業務内容は、日々のお金の流れを計上・管理し、利害関係者に情報を開示するのが主な内容です。ここではより具体的に、経理が作成する書類の種類やチェック業務の内容などをご紹介します。

チェック業務
  • 預金の入出金確認
  • 経理システム上での予算進捗確認
  • 各部門からの出金確認
  • 取引先からの入金確認
  • 在庫管理
  • 未払い金の確認
  • 給与・社会保険料の計算

など

書類作成業務
  • 領収書や請求書の発行
  • 帳簿の記帳
  • 決算書の作成
  • 税金関係の申告書類の作成
  • 財務諸表(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)の作成

など

入出金業務
  • 得意先や関連会社への支払い
  • 税金の納付
  • 社会保険料の納付

など

その他の業務
  • 経理書類の整理・ファイリング

など


参考
経理と財務の違いは?仕事はどう違う?必要な資格や向き不向きもチェック! | #就職しよう
会計・経理・財務の違いとは?意味や仕事内容など5分でわかるガイド|Founder

上記の表からも経理の仕事は多岐にわたり、なおかつ専門性が高いことが分かります。毎日・毎月行う業務から、決算書類作成のように年に1度行う業務まで幅広く業務をこなします。

経理に必要な資格

  • 簿記検定

簿記検定は、会計知識や財務諸表の読み方、基礎的な経営管理能力や分析力といった経理に必要な知識や能力が備わっているかを証明する検定です。1級から3級まであり、1級を取得するには継続的な勉強が必要です。経理部に入るには取得必須という会社もあるため、経理を目指すのであれば取得しておきたい検定です。

 

  • FASS検定

FASS検定は経理・財務の実務能力を証明する検定です。合否ではなく5段階のレベルで判定され、最高レベルであるレベルAを取得できると実務能力が極めて高いと判断されます。就職・転職にも有利に働くほか、社内評価アップの指標としても使われます。

財務の業務内容と必要な資格

財務の業務内容

財務が行う仕事は主に資金繰り・予算管理です。財務は、経理が作成した貸借対照表・決算書などのデータをもとに資金計画を立て、以下のような業務を行います。

  • 資金調達(金融機関からの借り入れ・株式発行など)
  • 資産運用(投資やM&A)
  • 会社の予算管理

これらの業務は、月ごとの収入や支出を細かく記載した「資金繰り表」を使って管理されることが多いです。この資金繰り表を使ってお金が支払われる時期・余裕が出る時期などを明確にした後、その情報をもとに、資金調達や長期的な資産運用を行います。

資金繰り表を使って細かく管理することで適切なタイミングで資金繰りをすることができ、売上があるのに現金がないことで起こる「黒字倒産」のリスクを減らすことができます。

さらに、会社のデータを細かく分析して資金調達がスムーズになることで、借入金を最小限にすることができるので、お金の管理に無駄がなくなるというメリットもあります。会社により、やり方に細かな差はあるものの、財務の業務はこのように行われることが多いでしょう。

財務に必要な資格

財務の仕事に就くために必ず取得しなければならない資格はありませんが、下記の資格を持っていると就活・転職時に有利になります。

  • 公認会計士

公認会計士は、企業の監査と会計を専門分野とする国家資格です。取得していれば、企業内で財務の仕事に就く際にも非常に有効です。

公認会計士の資格を取得するためには、2回の試験に合格する必要があります。まず、公認会計士試験に合格しなければなりません。その後、2年間の実務経験、1~3年間の実務補習所での単位取得を経て、最終試験の合格が必要です。専門知識の習得に加えて実務経験が必要になることからも、弁護士と並んで取得が難しい難関資格だといわれています。

また、先にご紹介した簿記検定・FASS検定も財務の知識や実務スキルを証明するのに役立ちます。財務の仕事に就きたい方は、勉強しておいて損はないでしょう。

終わりに

経理・財務・会計の仕事を大きく分けると、「会計(経理含む)」と「財務」の2つに分かれ、それぞれの業務内容が大きく異なることが分かります。将来、会計や財務の仕事に就くことを検討している場合は、いま一度、会計・財務、どちらの仕事に就きたいのか自己分析してみると良いでしょう。

どちらの仕事も会社を支えるとても存在感のある仕事です。お子さんの将来にこれらの仕事を検討している場合は、必要な資格なども考慮しながら知識を深めてみてください。

参考

コトバ解説「会計」と「経理」と「財務」の違い|毎日新聞

会計・経理・財務の違いとは?意味や仕事内容など5分でわかるガイド|Founder

会計と財務と経理の業務の違い|経理・総務の仕事

会計、経理、財務の違いとは?|クラウドERP実践ポータル

会計と経理と財務の違いとは?意味と担う役割の図説|社長が見るブログ

経理と財務の違いは?仕事はどう違う?必要な資格や向き不向きもチェック!|#就職しよう

難易度別 おすすめ資格一覧|会計・経営・労務関係|資格の学校TAC

会計・財務・経理の違い|会計SEのメモ  

財務の仕事と求められるスキルセット|金融転職・コンサルタント転職のアンテロープ  

この記事をかいた人

yukiyo_ito

"東京都在中のライター・ブロガー。大学卒業後、一般企業で勤務したのち音楽関係の仕事に転職。音楽漬けの生活をしていたが、出産を機に一時休業。現在は子育てをしながら、教育・育児・美容・音楽関係の記事を執筆中。 趣味はボーカル・音楽鑑賞・作詞作曲・楽器演奏・食べ歩き・人間観察など。最近は娘や夫の成長(!?)もよく観察しています。 休日はなるべく外に出て引きこもりを解消。家族と一緒に散歩をするのが小さな幸せです。"