国家資格の気象予報士・試験の難易度や合格率は? - cocoiro career (ココイロ・キャリア)


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気象予報士は気象業務法の改正により、平成6年から制定された制度です。テレビなどで気象予報士の人が天気予報を行っているところを見たことがない人はあまりいないはず……。天気という私たちの生活に密着した情報を届けてくれる存在として、広く認知されています。

気象予報士試験は国家試験です。年に2回行われていますが、実際の難易度や合格率はどのような状況なのでしょうか?

この記事では、気象予報士試験の難易度・合格率についてご紹介します。これから受験を考えている方や挑戦を検討されている方はぜひ参考にしてください。

気象予報士試験の難易度

気象予報士試験の難易度は非常に高くなっているのが現状です。ここでは合格率と試験内容から難易度を詳しくご紹介します。

合格率から難易度を見てみる

気象予報士試験の特徴は非常に合格率が低いことです。難易度としては難しい試験であるといえるでしょう。直近5年間の合格率は以下の通りです。

実施年度 受験者数 合格者数 合格率
平成26年・1回目 3,275 161 4.9%
平成26年・2回目 3,116 130 4.2%
平成27年・1回目 3,153 125 4.0%
平成27年・2回目 2,902 130 4.5%
平成28年・1回目 3,089 127 4.1%
平成28年・2回目 2,795 138 4.9%
平成29年・1回目 2,962 145 4.9%
平成29年・2回目 2,788 163 5.8%
平成30年・1回目 2,915 158 5.4%
平成30年・2回目 2,857 135 4.7%
令和元年・1回目 2,957 132 4.5%

気象予報士試験 統計情報|一般財団法人 気象業務支援センターより筆者作成)

気象予報士の制度が開始された平成6~7年度にかけては10~18%台の合格率でしたが、これは一般の受験者よりも気象学に携わる現役の職員が受験したからだといわれています。平成8年以降は高くても8%台、平均すると4%~5%台の合格率となっています。

試験内容から難易度を見てみる

気象予報士試験は学科試験と実技試験があり、さらに学科試験は一般分野と専門分野に分かれます。一般分野の試験では大気の構造や大気の熱力学、気候の変動などについて出題され、専門分野の試験では数値予報・局地予報・気象の予想の応用などについて出題されます。

化学など理数系の勉強が苦手な人にとっては、非常に難易度が高く感じるでしょう。

気象予報士の試験は知識の応用がメインとなり、情報量も膨大なので、暗記だけでは乗り切ることができません。

気象予報士試験の合格に必要な勉強時間は1,000時間が目安といわれています。初回に学科の一般に合格し、その次の試験で学科の専門に合格、次の年に実技の合格を目指すといったスタンスが一般的となっているように、難易度は決して低くありません。

気象予報士試験の概要

気象予報士の試験は年に2回行われています。試験内容や出題範囲はどのようになっているのでしょうか? 気象予報士試験の概要についてまとめました。

試験概要

気象予報士試験の概要は以下の通りです。

日程 年2回(1月・8月)
受験資格 特になし(年齢・性別・国籍問わず)
試験開催地 北海道・宮城県・東京都・大阪府・福岡県・沖縄県
受験科目 学科:大気の構造・大気の熱力学・降水過程・大気における放射・大気の力学・短期予報・中期予報・長期予・局地予報・短時間予報・気象災害など
実技:概況およびその変動の把握・局地的な気象の予報・台風など緊急時における対応
試験時間
  • 学科(予報業務に関する一般知識):60分
  • 学科(予報業務に関する専門知識):60分
  • 実技試験①:75分
  • 実技試験②:75分
試験手数料
  • 免除科目なし:11,400円
  • 学科一科目免除:10,400円
  • 学科二科目免除:9,400円
合格基準
  • 学科試験(一般):15問中11問以上の正答
  • 学科試験(専門):15問中11問以上の正答
  • 実技試験:満点中70%以上の正答率
合格発表日 3月上旬(1月実施分)・10月上旬(8月実施分)
受験申込先 一般財団法人 気象業務支援センター 試験部

〒101-0054 東京都千代田区 神田錦町3-17 東ネンビル7階

TEL 03-5281-3664(直通) FAX 03-5281-0448

受験資料入手先 http://www.jmbsc.or.jp/jp/examination/examination-4.html

参考

気象予報士 – 難易度・合格率・日程・正式名称 | 資格の取り方

気象予報士試験の概要と合格のための勉強法は?天気のプロになろう!|資格スクエア MEDIA

試験案内|一般財団法人 気象業務支援センター

出題範囲

気象予報士試験の出題範囲は以下のように設定されています。とても広い範囲で出題されていることが分かります。

予報業務に関する一般知識
  • 大気の構造
  • 大気の熱力学
  • 降水過程
  • 大気における放射
  • 大気の力学
  • 気象現象
  • 気候の変動
  • 気象業務法その他の気象業務に関する法規
予報業務に関する専門知識
  • 観測の成果の利用
  • 数値予報
  • 短期予報・中期予報
  • 長期予報
  • 局地予報
  • 短時間予報
  • 気象災害
  • 予想の精度の評価
  • 気象の予想の応用
実技試験
  • 概況およびその変動の把握
  • 局地的な気象の予報
  • 台風など緊急時における対応

ちなみに学科試験はマークシート方式ですが、実技試験は記述式です。