法学部を卒業した後の就職先は?
法学部を卒業したからといって、必ずしも弁護士や司法書士などになるわけではありません。例えば、裁判官や検察官、弁護士などの「法曹」を目指す場合は、大学で法学部などの法学系学部を卒業した後、法科大学院(ロースクール)に進学し、司法試験に備えるのが一般的な方法といわれています。
法学部で身につけた「リーガルマインド」は、さまざまな業界で役立てることができるため、金融、保険、教育、マスコミ、商社、各種製造業、情報通信業など就職先の業種も多岐にわたります。それでは、法学部卒業後の主な就職先について詳しく紹介します。
金融業界
大学の法学部卒業生の進路先でトップの割合を占めているのが、銀行をはじめとした金融業界といわれています。法学部と金融機関の組み合わせは、あまりイメージできないかもしれません。しかし、例えば銀行では預金だけでなく、融資や金融商品など、お金に関係する業務に携わります。
法学部の学生は法学を学んでいるため、法律をツールとしてサービスの利害を判断し、調整できる能力を身につけている傾向にあるといいます。銀行の仕事に求められる能力とも一致することが多く、就職活動時には銀行の人事担当者から能力を認められ、銀行への就職が決まる卒業生も多いそうです。各大学の就職先として金融業界が多いのは、法学部で学んだことを生かせる業種が金融業界だと広く認知されているためといえるでしょう。
公務員
金融業界に続き、「公務員」として就職する人が多いことも法学部の特徴として挙げられます。国家公務員や地方上級公務員などの職種に就く人が多く、東京大学の法学部には、公務員養成コースも設置されるなど、法学部から公務員を目指す学生も多いようです。
公務員として働くためには、公務員試験に合格しなければなりません。試験内容は、法律や政治に関するものが多く、公務員を志している人にとっては法学部で学ぶことが有利に働くといわれています。
製造業や商社など
金融業界以外の業界に就職する学生も少なくありません。情報通信業や技術サービス業に就職する学生もいます。法律の道に進まなくても、法律の知識や論理的思考を就職先で役立てることが可能です。どんな企業も法律に沿って成り立っているため、法律の知識は必ず役に立つでしょう。幅広い選択肢の中から、自分の適性を考えて就職活動をするのがいいでしょう。
大学院に進学して弁護士を目指す道も
法学部卒業後、1~2割の生徒が大学院に進学します。検察官、裁判官、弁護士など、法曹界で働きたい学生が大学院への進学を選択することが多く、大学卒業後は法科大学院を修了もしくは独学などで司法試験予備試験に合格して司法試験を受けます。司法試験は非常にレベルが高く、東京大学や慶應義塾大学など難関大学からの合格者が多いといわれています。法曹界で働くことを目的としている場合は、すぐに就職するのではなくある程度の年数が必要になることも覚えておきましょう
法学部卒業後は就職にも有利になる
法学部で法学や政治学について学ぶことでリーガルマインドを習得し、さまざまな業界で役立てることができます。大手企業や公務員など安定した職業に就く生徒が多いのも、法学部のメリットの一つといえるでしょう。就職先の企業からの信頼も厚いため、法学部を卒業することで就職にも有利に働くことがあるかもしれません。しかし、法学部を卒業してから求められるのは個人の意思や能力です。法学部を目指している方は、自分に合った大学を選ぶようにしましょう。
参考
就職先一覧 | 法学部 | 就職・進路 | 関西大学 法学部・法学研究科
【法学部を徹底解説!】偏差値順に就職先を紹介!法学部の特徴と学問 | Studyplus(スタディプラス)
法学部は銀行への就職に有利なのか? / 進路から就活のポイントまで | 法学部ジャーナル
企業か?公務員か?法学部の就職事情について徹底解説! | ホワイト企業への道