中央官庁は根強い人気
時代が変わっても、中央官庁は根強い人気があります。1989年では通商産業省、運輸省、大蔵省、農林水産省の4省がランクインしています。2018年でも、国土交通省、経済産業省、総務省、外務省、厚生労働省がランクインしています。国を背負うことや国を動かすことに魅力を感じる学生も多いはずです。
一方で、東大生の中央官庁離れも明らかになってきています。中央官庁の官僚に占める東大生の比率は、ピーク時に比べると半分にまで減少しています。これには、官僚の長時間労働や国民の評価の低さ、民間企業の方が実力を発揮できるなどの要因があるようです。
参考
外資系コンサルティング会社が人気
東大生に人気の就職先トップ30のうち14社はコンサルティング会社でした。その中でも、外資系のコンサルティング会社が人気を集めていることが分かります。
東大生のコンサル人気は、受験を勝ち抜いてきた東大生のスキルとコンサルで求められるスキルの親和性が高いからだと言われています。論理的思考力や解決するまで考え抜く力などは、コンサルでも求められる力です。また、若い時期に力をつけて将来に生かすというキャリア観もあるようです。
メガバンクも人気
平成の30年間で銀行の人気は急落しています。しかし、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行の三大メガバンクは上位にランクインしています。メガバンクは大量採用をすることで知られていますが、東大生もこれに漏れず多く採用されています。大企業という安心感と役職者になれば一千万円を超える給料をもらえることなどが魅力のようです。
セカンドキャリアを意識した就職傾向に
トヨタ自動車社長の豊田章男氏や経団連の中西宏明氏の「終身雇用は難しい」という発言で、終身雇用制度が崩壊したと考える方は多いのでしょうか。これは、社会人もこれから就職をしようとしている東大生も同じです。1つの会社で一生働くと考えて就職するよりも、自分に力をつけることができる会社を選ぶ傾向があります。
コンサル業界が就職先として人気なのも、会社組織の運営や課題解決に関わることで、どこの会社に行っても役に立つスキルを身につけるという考え方があります。就職の傾向は、若いときに責任ある仕事や意思決定をすることができることです。
人生100年と言われ、終身雇用制度は崩壊し、グローバル化が進み、国の年金も期待できないという時代の中で、東大生がセカンドキャリアを見据えた就職活動をするのは当然のことなのかもしれません。
まとめ
東大生の就職先は、平成の30年で様変わりしました。外資系コンサル業界が人気なのは、若いときから大きな収入を得られることと、社会で必要なスキルを身につけることができるからです。社会の変化を敏感に察知しているのは、大人よりも就職活動が差し迫っている学生なのかもしれません。
参考
東大生の就職先に異変? 「セカンドキャリア」重視の学生増加の理由|AERA dot.
東大・京大生が選んだ「就活人気100社」|PRESIDENT Online
【就活生必見】東大文系学生の主な就職先はここだ!|スタディ百科