専門職大学院がある分野とは
これまでに経営学・法学・教職などの専門職大学院が出てきましたが、それ以外にはどのようなものがあるのでしょうか。2019年現在、専門職大学院が設置されている分野を見てみましょう。
ビジネス・MOT
MBAもこちらに含まれます。MOTとはManagement Of Technologyの略で、「技術経営」と訳されることもあります。技術面と経営面の良好なバランスを備えた経営者というと、イメージしやすいでしょう。これらのことから分かるように、主に経営者として独立したり、企業内で新規プロジェクトを立ち上げたりするような先進的な人材を育成することが期待されています。
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MOTとは 研究科紹介 立命館大学MOT大学院 テクノロジー・マネジメント研究科 | 立命館大学
会計
公認会計士などの会計のプロを育成することを目的としています。特に先進技術などに詳しく、そのような事業をサポートしていける人材が期待されています。修了すると公認会計士の一部試験が免除されます。
公共政策
行政などで実際に政策立案するためのプロフェッショナルを育成する大学院です。一口に公共政策と言っても分野は多岐にわたるため、その中でも極めて特化した政策分野を専門として選んでいくようです。
公衆衛生
病院や企業などで公衆衛生を担当する専門家を育成します。WHOなどの国際機関で働くために専門性を高める学生もいます。
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臨床心理
臨床心理の実務専門家を育成します。修了すると、臨床心理士の試験のうち一部科目が免除されます。
法科大学院
いわゆるロースクールです。ほとんどの学生は司法試験合格を目指して入学します。修了者は司法試験予備試験が免除されます。
教職大学院
幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校など、いわゆる一条校の教員を養成します。新卒で教員採用試験を受ける前に専門性を高める目的で入学する学生もいますが、現役教員がより専門性を高めるために入学してくることも少なくありません。
その他
情報・原子力・知的財産など、それぞれ専門性が求められる分野の専門職大学院が設置されています。専門職大学院の一覧は文部科学省のウェブサイトから閲覧できますので、子供の興味関心がある分野が該当しているか、ご覧になってみてください。
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専門職大学院に入学するには?
自分の専門分野を心に決めている人には魅力的な専門職大学院ですが、「果たして受験しても合格できるのかな?」と不安になることもあるかもしれません。実際にどのような入試が行われているのか、いくつかの大学院の例を見てみましょう。
大学院修士課程と同様の入学選抜がある
専門職大学院も一般的な大学院と同様に入学選抜があります。一般的な大学院では外国語と専門分野の試験、面接等を課すのが一般的です。専門職大学院も同様の試験を行いますが、外国語はTOEICやTOEFLなど外部試験の結果を求めるところもあります。
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入試は専門分野重視
実際に当該分野で専門家として働く人を育成する大学院なので、入学試験は専門分野を重視します。東京大学の公共政策大学院では、 「法律・行政・政治・国際関係・経済学」などの専門分野から出題されます。
また、実際に当該分野で働いている人向けのいわゆる「社会人入試」も行われています。この場合も専門性が求められますが、一部の試験科目が免除されるケースもあります。
どちらにしても、高い専門性を持って学び、さらにその分野に貢献していくことが求められているのが専門職大学院です。学部を卒業した後すぐに進学を考えているのであれば、専門職大学院の専門分野に近い学部を選んでおきましょう。
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一部大学院には専門分野未修者コースもある
一方、一部の大学院では専門分野未修の学生も受け入れています。明治大学の法科大学院では、法学既修者コースと未修者コースに分けて設置しており、入学試験も別々となっています。未修者コースでは法学の知識を必要としない小論文試験が課されます。
働きながら学ぶ人の多いグロービス経営大学院大学の場合は、専門分野よりも書類審査やロジカルシンキングが重視されます。このような専門職大学院では、入学後に専門的な知識をつけていくことも可能でしょう。
入学選抜の方法は大学院ごとに大きく異なるといっても過言ではありません。進学したい大学院に合わせた準備が重要です。
専門職大学院に進学するには、まずその専門分野に対する意欲が欠かせません。大学4年間で自分の方向性について決めきれない場合は、就職した後で進学することも検討してみてください。
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まとめ
高度な専門性を持った職業人を育成する専門職大学院について解説しました。学部卒業後に進学するのも、働きながら学ぶのもその人次第です。自分の専門分野を固めたいと思ったら進学を検討してみてください。