自治大学校って何?学ぶ内容や入校方法・費用について

中央省庁はさまざまな「大学校」を設置していますが、そのうちの1つに「自治大学校」があります。ただし、自治大学校はほかの大学校とはやや異なる特殊な研修施設です。知り合いの公務員が「自治大学校に行って良かった!」というのを聞いたことがある人は、公務員を目指すなら自治大学校に通った方が良いのかな? と思うかもしれません。自治大学校とはどんな学校で、どうやったら入学できるのでしょうか。

自治大学校って何?どこにあるの?

「自治大学校って初めて知った」という理由で自治大学校について調べている人もいるでしょう。まずは、自治大学校とはどのような学校で、何が学べるのか、どこにあるのかなど基本的な情報について解説します。

総務省の設置する省庁大学校

大学校と呼ばれる学校にはさまざまな種類があります。有名なのは「防衛大学校」「気象大学校」など4年制大学のように学位が取得できる大学校です。各都道府県が設置する「農業大学校」などは専修学校(いわゆる専門学校)です。そのほか、民間が設置する専修学校の「自動車大学校」などもあります。

自治大学校は防衛大学校・気象大学校などと同様に、中央省庁が設置するいわゆる「省庁大学校」です。設置者は総務省です。ただし、防衛大学校などとは異なり、卒業しても学位が取れるわけではありません。それではいったいどのような学校なのでしょうか。

地方自治体の職員が研修する施設

総務省は行政・IT通信・統計などさまざまな役割を担っています。その中でも大きな割合を占めているのが地方自治に関する業務です。国が地方自治というと矛盾しているように感じられるかもしれませんが、総務省は地方自治を推進するために国の立場からサポートする役割を担っています。

そのため、総務省が設置する自治大学校も、地方自治の当事者が研修を受けるための施設となっています。当事者とは主に地方自治体の職員(地方公務員)です。業務の一環として一定期間研修を受け、また所属している自治体に戻っていくというのが一般的な自治大学校生の姿です。

所在は東京都立川市

自治大学校は東京都立川市に所在します。最寄り駅は多摩モノレールの高松駅です。多くの学生が全国各地からやってくるので、施設は全寮制で食堂が完備されています。昼食のみ学外者も食堂を利用できるので、関心のある人は訪れてみると良いでしょう。

参考

自治大学校 自治大学校へのアクセス|総務省

自治大学校 自治大学校の食堂|総務省

自治大学校ではどんなことを学ぶの?

自治大学校の研修はきちんとメニュー化され、役職や業務内容ごとに適切な研修を受けることができるようになっています。大きくは「一般研修」と「専門研修」に分かれています。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

一般研修

基本法制研修A

基本法制研修Aでは、憲法・行政法・民法の法律を中心に、地方自治制度・地方公務員制度・財政学について学びます。法律の知識をつけつつ、それを実践に落とし込むとどうなるのかを学んでいきます。第一の目的は幹部候補の養成で、この後に解説する第1部・第2部課程を受講する人が主な対象となっています。研修期間はおおむね4週間で、年に2回開講しています。

基本法制研修B

基本法制研修Aと同じ内容を短期間の2週間で学ぶコースです。対象は同じく幹部候補者となっています。

第1部課程

一般研修課程のうち、第1部課程及び第2部課程については、将来の地方公共団体を担う幹部候補生に対して、幹部として必要な政策形成能力及び行政経営能力を身につけさせ、かつ、公務員としての使命感及び管理者意識を涵養することを目的とした高度な研修です。

(引用元:自治大学校 平成31年度研修計画|総務省,P1)

自治大学校の中でメインともいえる研修で、年に2回開講されています。2019年内には133期生が研修を開始予定の歴史のある研修です。

第1部課程は、都道府県・指定都市・中核市・施行時特例市・特別区などの課長補佐または係長級の職員を対象としています。つまり、一般的な市町村より権限が大きかったり特例があったりする地方自治体の幹部を養成する研修です。研修は10週間とやや長く、座学だけでなく演習なども組み込んだ内容となっています。

第2部課程

指定都市以外の市区町村の職員で、課長補佐または係長級が受講できる研修です。つまり、中核市・施行時特例市・特別区の場合は、第1部と第2部のどちらを受講しても良いということになります。研修期間は少し短めの7週間となっています。

第1部・第2部特別課程

「地方公務員女性幹部養成支援プログラム」とも名づけられている研修です。名称のとおり、女性職員に限定した研修で、3週間という短期間が設定されています。男性に比べて女性が長く全寮制の研修に参加することは難しい、という実情があるために用意されているプログラムだと考えられます。

近頃、このブログを見てくださる人がいるようで、また、研修に参加することが決まったり、参加するよう上司から打診されている人がいるんだな〜と思っております。

自治大研修への参加は、長期間職場を離れること、長期間家庭を空けてしまうこと、仕事をしながらの課題に取り組まなければならないことなど、いくつかのクリアしなければならない試練があります。

私も研修中に息子の大学入試センター試験があったので、研修への参加についてホントに迷いました。

でも、研修を終えて、あのとき研修に行って良かったと思っています。

(引用元:早いもので4ヶ月が経ちました。|ちこの自治大研修ブログ

研修を受ける前は行くかどうか迷う人も少なくないようです。特に東京都から遠いところで働いている人ほど抵抗感が強まるかもしれませんが、そのような事情にも配慮した研修プログラムが組まれています。

第3部課程

第1部・第2部は幹部候補の養成でしたが、第3部は実際に幹部として働いている人のブラッシュアップのための研修となっています。実質的には課長級の職員が対象のようです。研修期間は約3週間です。

専門研修

税務専門課程「税務・徴収コース」

専門研修は税務や会計など、財政に関わる業務についての研修です。税務専門課程「税務・徴収コース」は賦課・徴収事務で管理・監督をする立場の職員向けで、研修期間は3週間となっています。

税務専門課程「会計コース」

管理職だけでなく、税務に関する業務についている全職員が対象となります。期間は比較的長く、通信を2ヶ月半、全寮制を3ヶ月となっています。かなり専門的なことが学べるので、修了試験に合格すると税理士試験において会計学に属する科目が免除されるそうです。

監査・内部統制専門課程

監査に関する実務を学ぶ研修で、課長補佐・係長級の職員が対象となっています。こちらも期間は長めで、通信を2ヶ月、全寮制を1ヶ月となっています。

参考

自治大学校 平成31年度研修計画|総務省

自治大学校 平成31年度研修概要|総務省