インストラクターになるためのルート
先に述べたように、インストラクターになるには特別な資格は必要ありません。それでは、インストラクターになりたい場合は、どのようなルートをたどればいいのでしょうか? 今回は3つのルートをご紹介します。
スポーツ系の学校へ進学する
インストラクターになるためのルートの1つ目は、スポーツ系の学校へ進学することです。スポーツ関連業への就職実績を持っており、安心して進路相談ができます。
全国各地にある専門学校、短期大学、大学などの中には、スポーツを専門とする学科が設置されている学校が多数あります。その中から興味のある内容を学ぶことができる学校、通いやすい学校などを選んで進学するといいでしょう。
スポーツ系の学科が設置されている私立大学の一例としては、以下の大学が挙げられます。
都道府県 | 学校名 | 学部学科・専攻名 | 公式サイト |
北海道 | 札幌大学 | スポーツ文化専攻 | https://www.sapporo-u.ac.jp/ |
宮城県 | 仙台大学 | 体育学部 | https://www.sendaidaigaku.jp/ |
東京都・埼玉県 | 早稲田大学 | スポーツ科学部 | https://www.waseda.jp/top/ |
東京都・埼玉県 | 立教大学 | スポーツウエルネス学科 | https://www.rikkyo.ac.jp/ |
東京都・神奈川県 | 日本体育大学 | スポーツ文化学部 | https://www.nittai.ac.jp/ |
愛知県 | 中京大学 | スポーツ科学部 | https://www.chukyo-u.ac.jp/ |
石川県 | 金沢学院大学 | スポーツ健康学科 | https://www.kanazawa-gu.ac.jp/ |
京都府・滋賀県・大阪府 | 立命館大学 | スポーツ健康科学部 | http://www.ritsumei.ac.jp/ |
大阪府 | 大阪国際大学 | スポーツ行動学科 | https://www.oiu.ac.jp/ |
兵庫県 | 武庫川女子大学 | 健康・スポーツ科学部 | http://www.mukogawa-u.ac.jp/ |
広島県 | 広島国際大学 | 健康スポーツ学部(2020年4月新設予定) | http://www.hirokoku-u.ac.jp/ |
福岡県 | 福岡大学 | スポーツ科学部 | https://www.fukuoka-u.ac.jp/ |
そのほか専門学校や国立大学でも、スポーツ関連の学部が設置されています。進路選択時には我が子に合った学校を選べるよう、情報収集をしてみましょう。
インストラクターのアルバイトをする
すでに進学先を決めてから、「やっぱりインストラクターになりたい!」と考えるようになる場合もあるでしょう。スポーツに関連した学校へ通っていない場合は、まずはインストラクターのアルバイトから始めてみてもいいでしょう。
アルバイトの求人を探してみると、スポーツジムの受付やサポート係としての求人が見つかることがあります。アルバイト先で積んだ経験を就職活動時に伝えれば、インストラクターへの意欲をアピールできるでしょう。
また、中にはアルバイトとして働くうちに正社員雇用されるという場合も考えられます。特に学生の間に長く働いていれば、就職活動をする際に「うちに来たら?」と声をかけてもらえることがあるかもしれません。
インストラクターへ転職する
違う職種に就職してから、インストラクターに転職するという方法もあります。いったんは別の仕事に就いたとしても、転職サイトでインストラクターの仕事に応募することが可能です。
転職前の仕事がスポーツに関わりのない業種や職種の場合は、志望動機を明確に伝える必要があります。どうしてインストラクターになりたいのか、自分には何ができるのかなどをよく考えて、転職活動をするといいでしょう。
インストラクターの年収・平均給与について
好きなことを仕事にしたい子供を応援したい一方で、親としてはお給料が気になるのが本音でしょう。インストラクターの年収や平均的な給与は、いったいどれくらいなのでしょうか?
年収・平均給与
インストラクターの給与については、株式会社リクルートが運営する転職求人サイト「はたらいく」が掲載案件を基に調査結果を報告しています。2014〜2015年に掲載した全国のインストラクターなどフィットネス関連職の平均月給を調査したところ、約18万円だったと発表されています。また、年収の平均額は約259万円と発表されました。
参考
しかし、これはあくまで平均です。就業形態もさまざまであり、すべてが正社員雇用の求人ではないでしょう。実際に求人を検索してみると、月給が17万円前後のものから25万円以上のものまで幅広く掲載されています。
応募者の経験や就業先によっても給与は変動するでしょう。担当する業務もさまざまであり、インストラクターの年収は一概にいくらである、とはいえません。求人に応募する際はいくつかの就業先を比較して、望みの条件をかなえられるところを選びましょう。
キャリアアップ方法
初任給の給与が低いとしても、キャリアを積んで昇給していくことが可能です。例えば、スポーツジムであれば、最初はサポートスタッフから始まるでしょう。徐々に慣れていくことで後輩や部下がついたり、ジムの店舗責任者、さらにはエリアの統括マネージャーになったりと立場が上がっていくことが考えられます。責任も増えますが、その分お給料も上げることができるでしょう。
そのほかにも、担当できる業務の幅を広げることで給与アップを狙うことができます。例えば、医療や栄養学の分野は、スポーツと密接な関係の学問です。しかしその一方で、専門的な知識が問われます。勉強を兼ねて資格の取得に励めば、資格手当がついたり、有資格者が優遇される求人に採用されたりする可能性が高くなるでしょう。
インストラクターの将来性
近年、フィットネス関連のアプリや動画配信をよく見かけるようになったという人もいるでしょう。現状では対面での指導をメインとしているインストラクターには、将来性はあるのでしょうか?
単調な業務であれば、この先機械に取って代わられてしまう可能性はあるでしょう。例えば、ジムの受付は、人を置かずともタッチパネルで代用できます。しかし、実技の指導となると話は別です。指導される側のコンディションや体のつくりは1人ひとり違います。「腕を上げる」という動作であっても、インストラクターが実際に持ち上げたほうが分かりやすい! という人も多いでしょう。
また、インストラクターを含むフィットネス業務については、厚生労働省が人材育成のためのマニュアルを作成しています。政府としても力を入れているインストラクターという職業には、将来性があるといえるでしょう。
参考
まとめ
インストラクターは教わる人のスポーツ人生や健康に影響を与える職業です。教えた効果が出た際にはきっと、ありがとう! と感謝の言葉をかけられることでしょう。
そんな人のためになる仕事を我が子が希望していたら、まずは応援してあげましょう。すぐには行動できなくても、まずはどのような進学先や求人があるのか、一緒に調べてみてもいいかもしれません。子供の夢をかなえられるように親子で協力していきましょう。
参考
ジムインストラクターの年収は259万円?給与事情まとめ|FITNESS Concierge
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スポーツインストラクターの20年後、30年後はどうなる?|スタディサプリ進路