専科(7ヶ月)
専科は、専門官基礎研修を修了してから3年間の実務を経験した職員が対象の研修です。研修期間は7ヶ月となります。
専門官として必要な知識、技能の習得に加えて、判断力や視野の広さを身につけることを目的としています。
社会人基礎研修(3ヶ月)
社会人基礎研修は、国税庁経験者採用試験によって新たに採用された職員を対象に実施される研修です。研修期間は3ヶ月となります。
研修を通じて、税務職員として必要な基礎知識、調査・徴収事務に関する知識と技能を身につけます。国税庁経験者採用試験による新規採用者は社会人経験者です。採用者には一般企業等に勤めていた人も含まれることから、社会人基礎研修では公務員としての自覚を身につけることも目的としています。
国際科(5ヶ月)
国際科は、国際租税に関する専門的な知識と技能を身につけることを目的とした研修です。研修期間は5ヶ月となります。
国際租税法、海外取引調査法、国際取引実務、国際法などを学びます。
専攻科(4ヶ月)
専攻科は、税務署の仕事として重要な「審理」に関する専門的な知識を習得することを目的とする研修です。研修期間は4ヶ月となります。
審理とは、税務調査が税法に基づいて行われているかを検討することをいいます。税務調査における審理担当は、税法の法令解釈等に精通していなければなりません。
研究科(1年3ヶ月)
研究科は、本科または専科の卒業生の中から選抜された職員を対象とした研修です。研修期間は1年3ヶ月となります。
研究科で研修を受ける職員は、研究員として指導担当者の下で税務に関する研究を行い、成果を論文にまとめます。研究員は大学や大学院に派遣され、研究の充実が図られています。派遣している大学および大学院は、東京大学法学部、東京大学経済学部、京都大学大学院法学研究科、一橋大学大学院国際・公共政策教育部、早稲田大学大学院会計研究科などです。
参考
評価特別研修(5ヶ月)
評価特別研修は、資産課税事務または徴収事務を担当する職員の中から選抜された25名を対象に行われる研修です。研修期間は5ヶ月となります。
不動産や財産の評価に関する専門的な知識や実務での応用力を身につけることを目的としています。
酒税行政研修(5ヶ月)
酒税行政研修は、酒税行政事務を担当する職員の中から選抜された20名を対象に行われます。研修期間は5ヶ月です。
酒税行政事務に関する専門的な知識や実務での応用力を身につけることを目的としています。
税務理論研修(3ヶ月)
税務理論研修は、国家公務員採用総合職試験によって採用されてから3年の実務を経験した職員を対象に実施されます。研修期間は3ヶ月です。
税務行政の企画立案に関する知識の習得を目的とした研修となります。
短期研修
ここまで紹介してきた研修は、すべて研修期間が数ヶ月から1年の「長期研修」に分類されます。
これらとは別に、実際の仕事に直接関わる専門知識を学ぶ「短期研修」があります。短期研修は、本校で行われる「本校短期研修」と地方研修所で実施される「地方短期研修」に分けられます。
本校短期研修には、審理、調査、訴訟、徴収など、約30のコースが用意されています。
通信研修
税務大学校で行われる研修の中には、通信制で行われる通信研修というものがあります。
税務に関係する会計学や国際課税、英語や韓国語、中国語などの語学を学ぶコースが用意されています。課題の添削指導が行われるほか、スクーリング(面接授業)が実施されることもあります。
一般向けの公開講座も
税務大学校では、一般向けの公開講座も開かれています。
過去には、「法人税のあらまし」「タックスヘイブン、何が問題か」「少子高齢化を脱却するための税制改革の動向」などの講座が開かれました。
税務大学校の雰囲気を体感したい方は、こういった公開講座を受講してみても良いかもしれません。
参考
【コラム】税務職員の研修機関「税務大学校」とは?|MS-Japan