お坊さんの年収、平均給与について
ここからは、お坊さんの年収、平均給与について解説します。
本願寺派は年収300万円未満が45%
国内でも1、2位の規模を誇る本願寺派の年収は、2015年の「第10回宗勢基本調査報告書」によると、年収300万円未満が45%であり、年収の比率の多数を占めている結果となっています。本願寺派に限らず、近年は、檀家の減少や葬儀の簡略化などによるお寺離れ、お墓離れが進んでいるといわれており、経営危機に陥るお寺は増加の一途をたどっているといわれています。
参考
末寺の4割、年収3百万円未満 2宗派調査、厳しさ浮き彫り|京都新聞
高収入と低収入の二極化している
本願寺派の2015年の「第10回宗勢基本調査報告書」で年収300万円未満が45%であると上記した一方で、年収1,000万円から2,000万円のお寺は13%、2,000万円以上が6%という結果となっており、これを見ると、お坊さんの年収は、高収入と低収入の二極化しているといえます。
近年では、これらの状況を打破するために、若手の僧侶達が主となり、積極的に新しい取り組みをしているお寺も増えています。お寺での修行をテーマに子供を対象に「夏休みこども道場」を開催したり、世代を超えた交流の場にしようとSNSなどで告知して「ミニ四駆」のレースのイベントを開催したりなど、お寺を新たな形で活性化させようとする活動が見られます。
このような取り組みからも分かるように、お寺の未来は決して暗いものではなく、そこに属する僧侶達の日々の努力によって、明るい未来へと変えていける力があるといえるでしょう。
参考
シリーズ「未来のお寺を考える」⑧|この人に聞きたい|日蓮宗ポータルサイト
WEB特集 若手僧侶が挑む 寺の“経営”改革|NHKニュース
まとめ
ご紹介してきたように、仏教を正しく人に伝えていくお坊さんという職業には、さまざまなやりがいや魅力があります。また、新しい取り組みで変わりゆくお坊さんのこれからの活動にも注目していきたい職業です。お子さんがお坊さんという職業に興味を持っているというご家庭にとって、この機会が、お坊さんについて知識を深めていくきっかけとなれば幸いです。
参考
日本仏教の未来を探る ―僧侶はこころのケアを提供できるのか?|京都大学こころの未来研究センター